表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その4

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/93

28話 こんな形で知る事になるとは思わなかった

「じゃあ、荷物を並べておくから」

「食事も作っておきますか?」

 そう聞いてくる二人に肩をすくめる。

「そうしておいてくれ」

 二人の言う事には特に反対はない。

 やって欲しい事は向こうから口にしてくれている。

「俺はこいつを仕掛けてくるから」

「今日も行くの?」

「ああ、時間は少ないが、幾らかでも稼いでおきたい」

「じゃあ、軽く食べられるものだけ用意しておきますね」

「頼む」

 そう言ってヨシフミは罠を設置してる場所へと向かっていく。

 おびき寄せのための餌を外してあるので、新たに吊しておかないとモンスターを呼び出せない。

 これから夕方になるまでだと稼げる数もしれたものだが、それでもやれるだけやっていく。

 アヤと二人だけの時ならここまでやらなかったが、今はその余裕もある。

(人が増えるって、楽だよなあ)

 働く気のある人間だったら特に。

 そのありがたみをこの一ヶ月ほど感じ続けている。

 日頃やかましいというか姦しいのはどうにかして欲しかったが。



 それでも三人になった利点は大きい。

 今そうしてるように、二手に分かれる事が出来る。

 今までだったらアヤと一緒に行動してないと危険でしょうがなかった。

 だが、サキが入った事でアヤの護衛を任せる事が出来る。

 せいぜいレベル1程度なので犬頭相手は無理なのだが、それでも人がいてくれると安心が違う。

 そのおかげで、到着後の荷物整理や料理などを任せて行動する事が出来ていた。

 細々とした利点は他にも幾つかあるが、とにかく手が足りないという事が少なくなった。

 戦闘における無理も多少きくようになり、設置してるおびき寄せの数を増やす事も出来た。

 その分モンスターとの戦闘も多くなるが、サキの援護が期待出来るのでやはり余裕がある。

 とりあえずはアヤの傍で護衛をしている事くらいであるが、様子を気にしなくて済むのはありがたい。

 今までだとアヤの方にモンスターがいったらどうしようと不安だった。

 それが無くなった事でモンスターにだけ専念出来る。

 場合によってはサキとモンスターを挟み撃ちにする事も出来るので、一回の戦闘にかかる手間と時間が減っている。

 それらが積み重なって倒せるモンスターの数が増えている。

 一人当たりの分量で言えばさして差は出てないが、それでも全体として効率は上がっている。

 あとはサキのレベルが上がれば更に効率はあがる。

 現状だと、ヨシフミ一人で戦闘をこなしてるようなものである。

 そこにサキが戦力として加わるようになれば更に上を目指せる。

 今は犬頭を相手にしてるが、レベルが上がれば更に上のモンスターを狙える。

 そうすれば稼ぎも経験値も上がる。

 慌てても仕方ないが、その瞬間が待ち遠しくなっていった。



「でも、あと二ヶ月は我慢だよね」

「そうだな」

 夜、メシを食べながらそんな事を話していく。

「経験値はたまってるけど、まだレベルアップには届かないし」

「この調子だと、やっぱりそれくらいかかりますよね」

 今の調子と手に入る経験値からおおよその日数は割り出せる。

 分かるからこそ待ち遠しくなってしまう。

「まあ、無理はしないでいこう。

 今のままでも十分稼げてるんだから」

「一日に六十体はいけてるもんね。

 これなら十分稼げてるよ」

「でも、ハルを買い戻すにはまだ足りないよ……」

 アヤの気がかりはそこだった。

 食っていくのに困らない稼ぎはあるにしても、それだけでは足りない。

 ハルを少しでも早く買い取るためには、更に稼がねばならない。

「気持ちは分かるけど、落ち着いていこう。

 死んだら何にもならん。

 ハルの方は、売りださない時期をもう少し伸ばすよう言ってみるから」

 その分の金は稼げている。

 当面の売却停止期間である三ヶ月が過ぎる前に、更に金を積んで売却させないよう交渉するつもりだった。

 上手くいくかは分からないが、やるだけやってみようと思っていた。

 人手を増やす為にも手に入れておきたかった。

(給料出さなくていいし、分け前を出さないでもいいし)

 そんな打算もある。



 奴隷の報酬は基本的には主のものになる。

 今のヨシフミ達の場合だと、報酬をとりあえず人数で割る事になる。

 その中からアヤに回る分がヨシフミのものとなる。

 アヤは、ヨシフミから報酬を受け取るしかない。

 酷い話しに思えるかもしれないが、奴隷が所有者のものであるという前提からするとそうなっていく。

 そのため、ヨシフミは二人分の稼ぎを手に入れていた。

 そこから奴隷の生活費を出していく事になるが、稼ぎに比べれば微々たる出費である。

(ブラック企業の経営者の気持ちがよく分かるわ……)

 まがりなりにも配下を持つ事になって分かった。

 使いようによってはかなり儲けを出すことが出来る。

 さすがに気が引けるので、アヤに宿泊費と食事代の他に小遣いを渡している。

 それでも頭割りにするより手元に残る金額は多い。

 あくどい事をして儲けようという気持ちが分かってしまう。

 やはり儲かるのだ。

 だからといって非道な事はしたくはない。

(とはいえ……)

 欲望に負けてしまいそうになる。

 手元に残る金額を考えるとどうしても腹黒い事も浮かんでくる。



「なんか、また悪い顔してますね」

「黙り込むとだいたいこうだよね」

 アヤとサキの声に我にかえる。

 見れば二人は半目になってヨシフミを見つめている。

「……なんだよ」

「別に」

「特に何も」

 口はつぐんでいるが、色々と思うところはありそうだった。

 だが、それをただすのも面倒なので放っておく事にした。

「ま、明日もがんばってくれ」

「分かってるって」

「がんばります」

 幾分冷ややかな声が返ってきた。

続きを20:00に公開予定

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ