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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その3

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21/93

21話 期待はしてなかったが話はこれくらいの進み具合だった

 行きに一日。

 泊まりで五日。

 帰りで一日。

 前回より二日長くモンスター退治に出かけた二人は、それにあわせて成果もあげていた。

 手に入れた核は一百九十二個。

 一日あたりの入手量で言えば前回ほどではない。

 だが、手に入れる金額は確実に上がる。

 それがありがたい。

 町に戻る足取りも軽くなるというもの。

 しかし今回はそうもいかない。

「さっきからため息ばっかりですね」

 アヤの言葉に「そうだな……」と力なくこたえる。

 これから町に帰れば先週の続きが待っている。

 それを考えると気が重くなる。

 何かしら進んでいれば良いが、そうでなければどうにもならない。

「上手くいってりゃいいけど」

 何かにすがりたい気分だった。



 戻ってきたヨシフミを、オッサンは今まで見た事がない笑顔で迎えた。

「よう、無事に帰ってきたな」

「当たり前だ。

 くたばってたまるか」

「結構結構。

 その調子でがんばってくれ」

 何をだ、と言いたくなった。

 それがヨシフミの今後の活躍であるなら良い。

 持ち込んできた面倒についてならば、全力で叩き返したかった。

 それもオッサンが真剣な表情を見せた瞬間に少しばかり控える。

「ま、ここじゃなんだから、奥に行くか」

 そう言って店の奥を示す。

 表だって話せない事なのかもしれない。

「こいつも一緒でいいのか?」

「ああ、かまわん」

 アヤの同席も認められた。

「じゃ、さっさと精算してくれ。

 金がないと今夜も野宿だ」

「はいはい」

 言いながら精算を済ませていく。

 今回の稼ぎ、税引き後で十銀貨と八百銅貨。

 アヤと分けても五銀貨四百銅貨になる。

 今日と明日の宿代・食事代を支払い、消費した食料や道具を補充しても十分にお釣りがくる。

 それを握りしめて二人は店の奥へと向かった。



「まあ、何とか話しは進んでる」

「どれくらい?」

「主立った所には声をかけ終わった。

 返事をくれたところは、だいたいが了承してくれてる」

「どことどこが?」

「高槻と萩浦のところだ」

 両方とも冒険者を率いてる者の名前である。

 それぞれ数人を束ねている。

「それだけか」

「あとは検討中との事だ。

 正直、関わりあいになるのを避けてるようだがな」

「そりゃそうだろうな」

 気持ちは良く分かる。

「でも、それでもそこがついてくれただけでもありがたい。

 でもどうする。

 ほとんどの所はもう話しを通してる。

 これ以上どうにかなるとは思えんが」

「そうだな」

 ごもっともな意見である。

 一百人近くいる冒険者で、赤布旅団とは無関係の者達が八十人余り。

 そのうちはっきりと協力を表明してるのが二つしかない。

 合計十人余り。

 数の上で、ようやく五分五分になれるかどうかという所だ。

「もっと欲しいな」

「だが、どうにもならん」

 拮抗状態では対抗できない。

 決め手がないから状況の推移で不利になりかねない。

 というかなるだろう。

 相手の勢いがある場合、即席の共闘がもつとは思えない。

 もっと数が必要だった。

 それも強固なものが。

「あそこはどうしてるの。

 鋼鉄は」

「声はかけたんだがな……」

 上手くいってないのだろう。

 だが、それが一番いたい。

「引きずり込みたいんだけどなあ……」



 鋼鉄支隊。

 この近隣の町に部隊を送り込んでいる大手の一団である。

 所属冒険者数、およそ二百三十三人。

 本部はより大きな都市にあり、そこから大規模なモンスター退治に出発している。

 それだけでなく、小規模なモンスター退治の依頼や、自主的なモンスター退治などであちこちの町や村に留まってる者達もいる。

 その一部がこの町にもおり、引きずり込めれば大きな戦力になりえた。

 ちなみにこの町には三つほどの小さな部隊がおり、人数は二十人近くになる。

 単純にその数だけでも赤布旅団を上回る。

 それが加わればこちらは三十人ほどになり、赤布旅団の二倍に膨れあがる。

 また、鋼鉄支隊が動いたとなれば、それに同調する者も出てくるだろう。

 それがどれだけになるかは分からないが、期待は持てる。

 どうにかして引きずり込みたかった。



「一度会えないかな」

 その言葉にオッサンは驚いた。

「会うって、鋼鉄にか?」

「ああ」

「だが、上手くいくとは思えんが」

「俺もだ」

 勝算など全く立たない。

 だが、やるしかない。

「駄目でもともとだ。

 会うだけならタダだし、上手くいけば儲けもんだよ」

 ある意味悲観的であるが、そうでもなければこんな無謀な事に挑戦は出来ない。

「出来るだけ早く話しが出来るようにしておいてくれ。

 それも一番偉い人と接触出来るように」

「そりゃあ……うん、なんとかやってみよう。

 上手くいくか分からんが」

「頼むよ」

 そこも勝負をかけるところだった。

 下っ端と話した所で意味が無い。

 上を説得できなければ意味がないのだ。

「それと、賛同してるっていう二人だけど」

「どうした?」

「そことも話しがしたい。

 出来ればすぐに。

 鋼鉄よりも早く」

「分かった、すぐに呼んでこよう」

 20:00に続きを投稿予定

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