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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その2

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18/93

18話 思ったよりも稼ぎは大きく今後が楽しみでもある

「こんなもんか」

 町からやってきて四日目の夜。

 手に入れた成果を数える。

 合計、一百三十六個。

 二人でやった割にはよくとれた方だろう。

(これなら一度帰っても大丈夫だな)

 頭の中で色々と算段をしていく。

 この四日で減った食料と、使った餌の代わりの補充。

 一日二日を休息代わりに町で逗留して、再びこの辺りまでやってくる。

 今回の稼ぎでその分の出費を十分に賄えるはずである。

 ただ、差し引くと金がそれ程残るわけではない。

 やはり儲けを出すにはもっとモンスターを倒さねばならない。

 その為にはアヤのレベルアップが待たれる所である。

 だが、焦るつもりはなかった。

 時間をかければそのうち上がる。

 まずは少しでも長く生き残る事を優先しなければならない。

(それに、人がいるとやっぱり楽だしな)

 大して技術のないアヤであるが、いてくれるだけでかなり助かった。

 クロスボウによる先制攻撃や、核の切り取り、料理にちょっとした荷物持ち。

 全てがちょっとした事であるが、いてくれるとそれだけで違ってくる。

 一人でやっていた時の負担が半分以上消えた気がする。

(高い金を払った甲斐があった)

 奴隷というのはどうかと思うが、それでも人手を確保して本当に良かったと思う。

 この先の成長を考えれば、更なる発展も考えられる。

 あと半年もすれば、それなりの戦力になってるだろう。

 そうなってくれれば手間は今より更に減る。

 それが楽しみになっていった。



 町の外に来て五日目。

 荷物をある程度まとめて帰路に就く。

 当分はこのあたりで活動をするつもりなので、仕掛けなどはそのまま残しておく。

 誰かに盗まれる可能性がほとんど無いだけに、放置しておいても問題はなかった。

 持ち運ぶ荷物を可能な限り減らしておきたかったのもある。

 その分、今度来る時の分量を増やし、滞在期間を増やしておきたかった。

 単純な話し、食料を増やせばそれだけ滞在期間が伸びる。

 だが、運搬重量の限界を超えてしまうわけにはいかない。

 何かを増やせば、その分何かを減らさねばならない。

 その為、置いておける荷物があるならそのままにしておきたかった。



 およそ一週間ぶりとなる町は、何も変わってなかった。

 それでも人の通う街道と、人の手が入ってる田畑。

 何より人が集まってる家の並びを見てるとそれだけで安心していける。

 モンスターが動き回ってる屋外は、それだけで神経が消耗する。

 その心配が無いと思えるだけで気持ちが落ち着いていく。

 今回、割と上手く稼ぎを出す事が出来たのも大きい。

 稼ぎが少ないと、これからの生活の事を考えてしまう。

 それが無いだけでも気持ちがかなり楽になる。

 現金なものだが、先立つものの有無はかなり重要な要素になる。

 手にした核を換金する時の事を考えるだけで、足取りが本当に軽くなる。

 浮ついてると言えばその通りだ。

 だが、しっかりとした成果を手にしたのだから、それは素直に喜ぶべきだろう。



「ほう、結構がんばったな」

 周旋屋のオッサンは素直に感心している。

「それで、幾らくらいになるんだ?」

「まあ、待て。

 すぐに査定するから」

 そう言って受け取った核を担当者に渡す。

 取ってきた核に保有されてる魔力量を検出し、値段を出していくのだ。

 核の値段は魔力量によって上下するので、それを確かめねばならない。

 と言っても、一つあたりの差など微々たるもので、おおむね一定の値段で産出されるのが常だった。

 今回も例外ではなく、犬頭や単に犬と呼ばれるモンスターから取った核はすぐに値段が出る。

「全部で十銀貨と八千八百銅貨だな」

 二人の五日に及ぶ泊まり込みの成果である。

 その数字にアヤは驚いた顔をする。

「そんなに!」

 彼女からすれば信じられないほどの大金だった。

 だが、ヨシフミとオッサンは苦笑する。

「いや、これくらいは大した事ないよ」

「嬢ちゃんの努力はみとめるがな。

 でも、一日あたりの稼ぎでみるとな」

 実際その通りである。

 五日の労働報酬としてみれば、これはそれほど高い金額ではない。

 ここから三割の税金分を差し引いた手取りが、七銀貨と六千一百六十銅貨になる。

 それを二人の頭割りにして、三銀貨と八千八十銅貨。

 五日間の活動期間で割ると、一日あたり七千六百十六銅貨になる。

 命がけの作業の成果として考えると、決して高い金額ではない。

 そう聞いてアヤは先ほどの驚きから一転、一気にしょんぼりしていく。

「そっか……」

「まあ、それでも他の仕事よりは多いがな」

「ここの作業はもっと安いからなあ……」

 町に来た当初、ここから仕事を受けていた時の事を思い出し、ヨシフミはしみじみと呟く。

 周旋屋における作業は概ね五千から六千銅貨の賃金になる。

 これが一日の労働分である。

 それに比べれば、モンスター退治の作業は若干であるが報酬が高い。

 多少なりとも稼ぐなら、やはりモンスターを倒す方が分が良くなる。

「これだけ稼げたんだから、それで良いことにしようぜ」

 そう言ってヨシフミはアヤをなだめる。

 残念そうにしていたアヤも、それで少しは気持ちを落ち着かせる事にした。



「そりゃそうと、この前の話しだが」

「ん、何の事だ?」

「ほら、人手の話だ。

 言ってただろ」

「ああ、あれか」

 すっかり忘れていた。

 来るかどうかも分からない人員の事より、目先の事で頭がいっぱいだった。

「どうせ誰も来なかったんだろ?」

「いや、そうでもないぞ」

 意外な返答である。

「一人な、話にのりたいってのがいる」

「嘘だろ」

 信じられなかった。

「俺のところに?

 俺とこいつの二人しかいないんだぞ」

 そんな零細の所に誰が好んで来るんだ、と思った。

 ついでに、こいつ呼ばわりされたアヤが少しむくれた。

「詳しい事は本人に聞いてくれ。

 何なら呼び出してやるけど」

「ああ、頼む。

 どんな奴か見て見たい……って、その前に。

 まともな奴なんだろうな。

 一緒にやっていけないような奴なら困るぞ」

「なに、そのあたりは大丈夫だ」

 オッサンは気楽に請け負った。

「根性は座ってるぞ」

 本当かよ、とヨシフミは訝しげにオッサンを見つめた。

「ああ、まず大丈夫だろう。

 とにかく、一度会ってみろ。

 そうしてくれると俺も助かる」

「まあ、会うだけならな」

 そう言ってヨシフミはオッサンに相手を呼び出してもらう事にした。



「こんちわーっす」

 極めて軽い口調の挨拶でそいつはあらわれた。

「人を募集してるって聞いたんで。

 あ、俺はサキっていいます。

 よろしく」

 乱雑というほどではない、好男子といった調子の喋り方だった。

 ただ、事前に聞いていた話との違和感をおぼえる。

「ええっと……」

 相手の勢いにのまれていたヨシフミが我を取り戻す。

「その、聞いてた話だと、女だって」

「ええ、そうっすよ。

 よく間違えられますけど」

 そういってサキは笑顔を浮かべていった。

 17:00に続きを投稿予定

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