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【完結】転生したけどウダツの上がらない冒険者は、奴隷を買う事にした  作者: よぎそーと
その2

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11話 戦闘と言えないような戦闘を行っていく

 翌日。

 武器や防具などはまだ出来上がってないので、装備はヨシフミのものを用いた。

 といっても防具などはさすがに大きさがあわない。

 予備の武器である短剣を渡し、防具代わりに服を何着か厚着させる。

 防御力は全く期待できないが、かすり傷くらいはどうにかなるはずだった。

 さして危険はないはずなので過剰に気を遣ってもしかたないが、用心を怠るわけにもいかない。

 それが終わってから外に出る。

 荷車に採取したものを入れるための容器と、罠などの警戒用の道具などを積んでいく。

「こういう作業が必要になるからな」

「うん」

 まだやり方は分からないだろうから載せていく所を見せる。

 置き方によって移動しやすくもしにくくもなる。

 取り出す時も手間がかからないように気をつけていかねばならない。

 なおかつ、移動してる時に荷物が落ちてはいけない。

 そういった事を気をつけながらのせていく。

 単に思いつくままにのっければよいわけではない。

 これがまず最初におしえるべき事になった。



「じゃあ、行くぞ」

「うん」

 荷物を積み込み終えて出発となる。

 遠出するわけではないが、それでも町の周囲にある防備までは結構距離がある。

 町の周りにも田畑があり、それらを守るように作られてるので、そこに行き着くまでに時間がかかる。

 その中でも最も遠い所へと向かっていく。

 モンスターがいる可能性は、そちらの方が高い。

 遠い分、たいていの者達が敬遠している。

 それだけに倒しもらしてる場合が多かった。

 ただ、遠いといってもせいぜい二キロ程度なので、一時間もしないで到着出来る。

 荷車を引っ張りながらであるが、余裕をもって到着出来るはずだった。

 その間、アヤにはクロスボウを持たせて警戒をさせている。

 モンスターが出て来る事は無いが、これも練習である。

 間違って怪我をしないように、矢は装着してない。

 ただ、弦は張ってあるので、いつでも撃つ事は出来る。

 警戒も射撃も問題なくこなすまでには時間がかかるが、こうして少しでも練習をさせておく事で成長を少しでも促しておきたかった。

 また、

(こいつを幾つか買っておいた方がいいかな)

といった事も道すがら考える。

 アヤに戦闘力を期待できないが、矢を装填しておいたクロスボウを撃つ事は出来る。

 複数用意して、すぐに発射出来るようにしておけば、わずかなりとも戦力になるかもしれなかった。

 幾つも揃えておく理由はそれだけではない。

(弦を引くのはさすがに無理だろうしなあ……)

 クロスボウの弦はかなりの力がないと引っ張れない。

 それは弓も同じであり、女の子が簡単に使いこなす事は出来ないだろう。

 だからこそ、複数用意して連続して射撃をすぐに出来るようにしておく必要があった。

 もっとも、これは男が用いていても同じである。

 クロスボウも弓もそうだが、拳銃やライフルのように連射出来るわけではない。

 どうしても射撃間隔は開いてしまう。

 だから、数を揃えてそれを補えれば、と思ったのだ。

 とはいえ、それだけの数を揃えるとしたら金がかかる。

 やるにしても当分先の事になるだろう。

(ま、まずは今日の小遣いを稼ぐか)

 減っていく貯金を少しでも回復させたかった。



 到着した町の外周部から外に出て、モンスターを探していく。

 曲がりなりにも柵や堀のある町の領域内と違い、ここは完全に外になる。

 モンスターがあらわれても遮る物はないし、遭遇したら戦うしかない。

 周りは見晴らしが良いから接近してきたらすぐに分かるが、その分遮るものがないから防御はしにくい。

 遭遇戦はなるべく避けたかった。

 ヨシフミ一人ならどうにかなりそうだが、アヤまで面倒を見きれる自信はない。

 だが、そういった事態に陥るより先に目的のものが見えてきた。

「いたぞ」

 そう言うヨシフミの先に、堀に落ちてるモンスターが見えた。

 全部で五体。

 深さ一メートル、幅も一メートルほどのその中でうろうろと動いている。

 それが接近してきたヨシフミ達に気づくと、一斉に向かってきた。

「っ!」

「落ち付けって」

 驚くアヤの肩に手を置く。

「こっちにはこれないから」

 その言葉通り、モンスターは堀の中で飛び跳ねてるが、外まで出て来る事は出来ない。

 全長五十センチほどのそれは、跳躍力がないのか、堀から抜け出せないでいた。

 後ろ足はそれなりに逞しいのだが、短い前足のせいで堀の縁に指を引っかけられないでいる。

 なので、一度堀に落ちたら二度と出られないようだった。

 だからこそ対処しやすい。

「ネズミは相変わらずだな、本当に」

 ネズミと呼ばれるモンスターに呆れた声をあげる。

 本物のネズミと同じというわけではないのだが、堀の中にいる小型のモンスターはネズミと呼ばれていた。

 何となくそれに近い姿形をしてるのが理由である。

 それなりにすばしこく動き、噛みつかれたら怪我は避けられないので十分危険であるが。

 平地でまともに出会ったら面倒な存在ではある。

 だが、攻撃が出来ない所に落ち込んでいるなら処理もしやすい。

「それじゃ、やってみようか」

 言いながらアヤに矢を渡す。

「やり方は教えた通りだ。

 矢をのせて、それから一匹に撃ってみろ」

 言われてアヤは、矢をクロスボウにのせた。

 それから動いてるモンスターの一匹に狙いをつける。

 射程距離一メートル以内である。

 この距離だからまず外さない。

 それでも動き回るモンスターに照準を合わせるのは少しばかり手間取った。

 だが、ここぞと狙いをつけて、引き金を引く。

 矢はモンスターの体を貫いた。



「うん、その調子だ」

 射貫かれてもだえるモンスターを見ながらクロスボウを受け取る。

 弦を引いて再度射撃が出来るようにする。

「それじゃ、もう一度」

 再度の攻撃を促す。

 クロスボウを受け取ったアヤは、無言で頷くともう一度狙いをつけようとした。

「あ、でも……」

「どうした?」

「さっきのネズミを攻撃したほうがいいの?

 他のに当てたほうがいい?」

 止めをさすか、別のを攻撃した方がいいのかという事だった。

 そこに気づくあたり、結構勘が良いのかもしれない。

「そうだな……」

 正直どちらでも良かった。

 こちらから一方的に攻撃が出来るのだから、焦る必要はない。

 だが、それならばと少しだけ指示を出してみた。

「だったら、動いてるのから片付けろ。

 実戦でもそうだけど、元気な奴がいると面倒だ。

 先にそういうのの数を減らせ」

「うん……!」

「それと、動けなくなってるのは頭を狙ってみろ。

 狙いをつけるとそれだけで難しくなるからな」

「分かった、やってみる」

 言われてアヤは、動いてるものから片付けていった。

 自分達の方に向かって来ようとしていて、逃げる気配がない。

 なので当てるのはさほど難しくはなかった。

 一通り身動きがとれなくしたところで、今度は頭を狙っていく。

 とはいえこれが結構難しかった。

 動けないといっても、それは元気に動けないだけで、矢で貫かれているにもかかわらずネズミはそれなりに動いている。

 さすがモンスターというべきか。

 それでも先ほどよりはずっと狙いやすいので、ゆっくりと照準をあわせていく。 

 残念ながらそう簡単には当たらず、何本かは狙いを外す事になった。

 だが、狙いがはずれても体のどこかに当たったりもしたので、たいていはそれで絶命した。

 完全に外れたものもあったが、それでも次の射撃で当たったりもする。

 完全に頭を射貫いたのが一発だけだった。

「ま、上出来だ」

 初めてにしてはなかなかのものである。

 該当する技術もない事を考えれば上々といえる。

 明日の17:00に続きを投稿予定

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