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友達ユーレイ  作者: Yoshi
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序章

「おーい、死んだ?」

 生きてる、まだ。

 あなたとは違って、まだ。

「ああ、だめか。派手にやられちゃってさ。ちょっとはやり返せばいいのに。こんなにやられてもやり返さないなんて、あんた、バカでしょ。バカよ、バカ。改めてわかったわ。あんたはバカ、バカバカバカ。バカの中川さん。略してバカガワ、きゃっは! 笑えるんですけど!」

「……うるさい」

「おっと、生きてたか。こりゃ失礼」

 白いワンピースに身を包んだ若い女性は、舌をぺろりと出して、可愛らしげに微笑んでみせた。

 ふわふわと浮きながら。

 ふわふわ、ふわふわ。風に浮くでもなく、鳥のように飛んでいるでもなく、ふわふわしているとしか言いようのない、そんな――

「――ふわふわ」

「へ?」

「あなた、ふわふわふわふわ、邪魔なのよ。私の何なの? 何、イジメのつもり? どっか行ってよ!」

 事実、私は学校で虐められていて、いま、私はこの子に苛められている――この、幽霊に。


 幽霊はきゃはきゃはと笑った後、どこかへ消えていった。ふわふわ、ふわふわ、と。

 その夏、私は虐めに疲れていて、その夏、私は幽霊に憑かれていた。

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