プロローグ
気がつくと、見知らぬ森の中にいて、目の前に俺がいた。
意味がわからないって?
俺が一番わからんわ。
とりあえず言えることは、ここはさっきまでいたゲームセンターではないことと、一緒にいたツレがいなくなっていること。あと、身体がおかしい気がするが今はどうでもいい。
俺はとりあえず視界の端で揺れている黒の糸を引っ張った。
これ、さっきからゆらゆらと邪魔だ。
グイ!
ブチィ!
「っ~~!?」
頭皮に痛みが生じた。
おいおいなんだこれ?これ俺の髪か?いつから俺は女みたいな長い髪…に…。
空を見上げる。見える景色に違和感がある。
「……あいうえお」
青い空を見ながら発声練習。聞き馴染んだ声が聞こえる。
ただし、いつも横から偉そうに聞こえてくる声。
「おいおいマジかよ」
俺は今まで必死に目を逸らしていた事実に目を向ける。
胸がある。女みたいに。しかも、今まで横で見てきたぐらいの大きさ。
股間には今まで共に生き、一生一緒だと思っていた相棒がいない。
「ははは………。綺麗な黒髪ロングだなー」
空笑いからの棒読み。
今までなにやら体をまさぐっていた俺がこちらに近づいてきた。
「おい、そこの私」
今まで俺がもっとも慣れ親しんできた俺の声。
「お前、中身は紅斗か?」
それを発するのは俺の姿をした俺のツレ、久木凪香だった。
俺は肯定を示しながらつい30分程前を思い返した。
ありがちな内容の上、初心者なので未熟です。どうかご容赦を