ねぇねぇ、お父さん
掲載日:2026/01/27
「ねぇねぇ、お父さん」
うとうとしかかった頃
いつもの声、口調で娘が話しかけてくる
「今度会って欲しい人がいるの。
お父さんならきっと気にいると思うよ」
「だって、お父さんと同じで真面目で優しくて
何事にも一生懸命だもの」
続けて脈略もないまま、いきなり
「私、お父さんの娘で幸せだったよ」
「お父さん、気持ちはわかるけど、
お酒も呑みすぎないよう程々にね、
いつまでも元気でいてよ」
そんなはずがない、酔っているのか
ふと振り返ると、娘が行きたがっていた所で
最後に二人で撮った写真が いつも飾ってある棚で、変わらぬ笑顔のままで。
もう会えないとわかってるけど、
もう一度、会いたい、もっと話したかった事
たくさんある、もうこの世にいてない事
わかってるけど、もう一度、会いたい、聞きたい
お願いする時に言ってた、あの声、あの口調で
「ねぇねぇ、お父さん」




