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カツテノキミヘ  作者: 虚構人
本編
7/7

EP.2 クオリティコード中編


クオリティコードは人が待つ力とは思えないほど有能だ。想像すれば生物さえも現実にそれも目の前に現す事だって可能だ。例えば猫や犬、おもちゃでも良いし、もっと言えば兵器も出す事も出来る。

一体いつから、こんな力を人間が使える様になったのか、どうやって力を認識出来たのか、研究が必要かも知れない。


─────────────────

空中都市クオリティ第5区域にある少し寂れた場所にある無数の部屋(コンテナ)の中、一人の青年が目を覚ます。目を覚ました青年は側に置いていた蒼翠色の少し長細い端末を持って窓から飛び降りる。飛び降りた瞬間青年──カイナの前に翼が現れる。翼には糸がぶら下がっておりカイナは糸を掴み、糸は掴まれた腕に絡みつく。そして翼は大きく羽ばたき一気に青空に


「いつもはちゃんと着替えたりしてるが......今回見たいな日はいいだろ」


カイナはいつも外に出掛ける時に来ている格好、服装の配色、持ち歩いている貴重品やそれをしまっているバックなどを含めた、外出時の格好や状態を想像する。いつもの事などで自然と浮かんでくる。

すると、身体全体の格好が外出時の状況や格好に変わった。そしてカイナが持っている小さな端末と蒼翠色の端末が反応する様に振動した。


「楽は楽なんだが慣れたら自生活に支障が出るかも知れないしなー...こんなしょうもない事でもタワーにデータとして送られるとか普通に恥ずいし...」


カイナはそのままタワーへと向かう。丁度太陽も昇り出し、第5区域の建物などに灯りがついていく。カイナはそんな光景に微笑む。いつもの光景かも知れない、そんな光景が何故かカイナにとって段々と貴重になっていくそんな感じがした。



翼で飛んでから数分が経ってきた頃だろう。カイナはまだ若干寝ぼけている。そんなカイナを目覚めさせる様に後ろから段々と音が聞こえ、それは轟音になっていく。カイナはハッと目を見開き振り向く。すると後ろからジェット機が近づいてきていた。


「えっ...えっえっえぇぇぇぇえ!!?」


声を出して驚いてしまう。カイナは大慌てで翼で上昇した。だがジェット機も追跡してくるかの様に上昇する。次にカイナは下降する。するとジェット機はピタッと停止した。明らかに機体に出来ない停止の仕方だった。まるで時が止まった様に。そして消えた。瞬きもしない内に。カイナは消えた機体に驚くが、機体があった所から一人の少女がそのままカイナの元まで落下してくる。カイナは焦るが段々と近づいて来るその少女の容姿が見覚えがあると思った。


「まさか...」


カイナも落下している少女の元へ向かい上昇する。そして上手くキャッチ──ではなくもう一つカイナと同じ翼を出し翼が糸で少女───ルイナに巻きついた。


「お前...何してんの?」


目の前でぐるぐる巻きにされているルイナに冷めた瞳で見つめる。そんな瞳をしたカイナにルイナは苦笑いで返す。


「いや〜ナイスキャッチじゃなくてなくナイス巻きつき!...だねっ!えへへ.....ふぅ」


ルイナはちょっとした冗談を言うが表情が明らかに疲れていた。


「あんな物を出すからだろう。どうやって出したんだ?ほとんどの体力が持ってかれてるな...普通に慣れてる翼で飛んでこいよ」


カイナの言い分はもっともだ。ルイナはカイナに言われた後目線を自分の胸元に送る。気づいたカイナが見るが、そこには小さなジェット機のおもちゃがぶら下げてあった。そのオモチャに気づいたカイナがルイナに聞くと、そのオモチャもクオリティコードで出した物で、そのオモチャを元に派生させ先程のジェット機を出したとの事。どうして翼を出さなかったかは「その時の気分で」とルイナは言った。


「とにかくタワーに行くぞ、このまま俺が連れて行くから暴れるなよ?」


「あいあいさ〜あぅ」


カイナは元気のないルイナの返事に心配になるが、今は"仕事"が重要なので気にせずタワーへ向かう事にした。



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