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暗く狭い空間でポツポツと水滴が落ちている空間で一つの石板が小さな台座に置かれており、それを大事そうに見守る様に少女が側にいる。美しく、異質に輝く銀色の瞳の白銀の髪の少女だ。
石板には何も描かれていないが、少女は大事そうに見守っている。そんな何もない時間が只々流れていく。
少女はこのまま見守り続けるのだろうか。そもそもどうして少女は石板を見守っているのだろうか。ポツポツと水滴が落ちる音だけがこの空間に響いていく。
「万物核が無いと起動しないよ」
声のした方向に少女は振り向き、ここで初めて少女が石板から目を逸らす。
少女が振り向いた先には仮面があった。いや仮面しか無かった。その仮面は宙に浮いており、ニヤニヤしていた。
「久しぶりだね、烈滅」
烈滅、仮面は少女に向かってそう言った。少女の名前だろうか。仮面はくすくすと笑う。少女は少し仮面を見つめるとまたすぐに石板に目を向けた。
「...相変わらずだね〜君は......烈玥がまた世界を一つ飲み込んだらしいよ」
「そうなんだ」
少女は仮面の話にそっけなく返した。仮面は面白くなさそうに仮面の表情も歪んでいく。仮面はそのまま話し始める。
「ところで君が創った世界はまた随分と興味深い成長を遂げてるね。特に人間達かな〜...一部の人間達は"君に似た力"を待ってるね。それにあの目立った大きな構築物。絶対君が創ったでしょ?どう見ても人間が創れる領域では無いねっ」
仮面は歪んだ表情で何故か自信満々に話している。そんな仮面の話に少女はため息をつくと言った。
「...あの世界の事なんてどうでも良い。お前達の状況は?」
少女の言葉にさっきよりも一段と仮面の表情は歪んだ。
「......烈玥はさっき言った通りだよ。烈姫はあの"兄妹"と上手く絡んでるらしい。烈桜は知らない...連絡が途絶えた。他の奴らも同じく」
「途絶えた者達は生きているのか?」
「さぁね、君が探しにいけば?僕はもう行くよ、またね!」
仮面はそう言うとニヤニヤ笑いながら消えて行った。少女は表情など変えず石板を見守る。
一体ここは何なのだろうか?
EP.───────