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1.モテないことを知らない俺と見向きもしないあいつ

初めてです。

俺は諏訪堂巡。

身長171センチ、体重58キロ。

高校1年生でこの体格だ。

うむ、何とも普通である。

ただ、自分で言うのもなんだがかなりモテていた。

理由はわかりきっている。

なぜならイケメンであるからだ。

ただそれは永遠ではなかった。

そう、あの時までは・・・


今日は俺が通っている小学校の始業式だ。

新しいクラスが発表され、皆浮かれた気分である。

俺は、自分のクラスを確認して、クラスに入った。

年季の入った校舎だなといつも思う。

そう思っていると、すぐさま女子たちが周りに群がってきた。

いつものことだ。

五年生になったというのになぜこんなに騒げるのか。


俺はこの女子たちの対応に明け暮れていた。

十分ほど経つと先生が入ってきたため、全員が椅子に座り教室が静まり返った。

ホームルームなるものが始まった。

とてもつまらない。

どのくらいつまらないかといえば、自己中の人間がオチのない話をして笑いを取ろうとするくらいだ。

あれほど無意味なものはないと思う。

だが、今はどうでもいい。

そのホームルームが終わった後、また女子たちが群がってきた。

しかし、一人だけ寄ってこない女子がいた、それが今となっては一番仲の良い幼なじみにあたる赤城鈴華(あいつ)だ。

 

正直な話をしよう。

その時の俺は鈴華(あいつ)のことが気になっていた。

なんでかって?簡単な話だ。

鈴華(あいつ)以外の女子は全員俺に興味がある。

好意を抱いている。

そのことが手に取るようにわかるのだ。

だが、鈴華(あいつ)は違った。

このクラスになる前から何回かは関わったことがあるはずなのに何も興味を持たない。

何かがおかしい。

そのようなことをされると気になってしまうのが人間だ。


新学期になって一週間。

席替えがあった。

ベタではあるがくじ引きで席を決めることになった。俺の席は窓側の列の一番後ろだ。

いわゆる主人公席といわれる席だ。

人生で一回は座ってみたいと思っていたから普通に嬉しい。

隣は誰になるかなと考えていた。

も、もちろん鈴華(あいつ)と隣になりたいなんて思ってない。


隣からガチャンと音が聞こえた。

かなり乱雑だった。

隣を見るといつも群がってくる女子だ。

心の中に少しモヤがかかった。

その時、隣の女子が、目が悪いから席代わりたいと、先生に聞こえすぎて鼓膜が破れるくらいの声量で言った。

先生は、代わってくれるやついるか?と問いかけた。その問いかけに応えた生徒が入れ替わりで俺の隣に机を動かしてきた。

今度は、とても静かなそれを置く音が聞こえた。

俺は隣を見た。

まさかの鈴華(あいつ)だった。

こんな漫画みたいな展開ってあるんだな。

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