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75 進展のない恋


コッコが乗船するに当たり、拒否されるか高い追加料金が必要じゃないかとヒヤヒヤしたが、すんなりと乗せてもらえたのだった。

国王からの一筆の効果は絶大なようだ。


コッコと、『ハッコ』ことヒカリはずっと一緒にいる。

コッコはここぞとばかりにヒカリに甘えている。

ヒカリも子供の容姿をしているからか、ベタベタされても全く気にならないのだった。

母性本能が働き、保護者のような気分になっていた。


「大体のことはわかりました・・・・では、あれはいい年した大人がいちゃいちゃしているという認識でいいのでしょうか?」

ボルヴィーは恐ろしい顔つきで少年を睨んでいた。

見た目はまだ子供だけど、中身は立派な大人ということらしい。


リュードから、昨夜の『統べる者』の話を聞いたのだった。

イグニスは話の途中から、起きていられなくて眠ってしまった。


黒の能力は時間を戻すことができるそうなので、その力で今も少年のままなのかも知れない。

「彼女が話していた商人に襲われたという話も、事実だったのですね?」

だからこそ急に宿代を肩代わりすると言われて、あんなにも怒り出したのだろう。

「そうみたいだ。今回はあの子の黒の力に助けられた」


「ヒカリさんは顔を知られている者がいることが厄介ですね」

ボルヴィーもここまで来たら、彼女の恨みを晴らす手伝いをしてやりたかった。

「貴族のような身なりの者は、注意したほうが良さそうだな」


リュードは遠目でヒカリを見ていた。

それは楽しそうに少年と話していた。

幼馴染の無事がわかり、思い出話に花を咲かせているのだろう。


「このままでいいんですか?」

「何がだ?」

「うかうかしてたら、鳶に油揚げになっちゃいますよ」

リュードがヒカリのことを好きなのは一目瞭然だ。

ボルヴィーだって相手がリュードでなければ、自分も付き合ってみたいと思えるほどにヒカリは()()()()である。


「うえっ!! そ・・・・どうして?」

言い当てられて動揺を隠せないようだ。

「リュードさんはすぐに顔に出るから」

ヒカリと恋人同士に間違えられたりすると、リュードはそれは嬉しそうに、にまーっと顔が緩むのだった。

「そうなのか!?」

本人は無自覚らしい。

「ええ、ですからどうして恋人にならないのかと不思議で仕方ないです」

「あーっと、それは・・・ヒカリが」

リュードは昔からの知り合いであるボルヴィーには気兼ねなく、ヒカリのことを話し始めたのだった。


彼女がリュードの母親ぐらいの年齢だと聞いて、ボルヴィーは妙に納得したのだった。道理で気が合うはずだ。

だから、自身が考える『若い女持論』から外れているわけだ。


「年下の俺のことは、あまり男として見てないようなんだ」

「それはどちらかと言うと逆じゃないですか。自分のような年配者のことを若い子が好きになってくれる訳がないと考えているとか?」

俺も10才ほど年の離れた女性と付き合ったことがあるが、彼女はいつも年齢ことを気にかけていたからだ。

「そうなのか?」

「きっと、誠心誠意気持ちを伝えたらわかってもらえると思いますよ」

「そ、そうかな〜」

「そうですよ」

エヴィ坊ちゃんと一緒で、リュードのこういう素直なところが気に入っている。

「じゃあ、コーラーを早く見つけて仇を取らないと!

この件が済んだら、ヒカリにきちんと気持ちを伝えることにするよ」

リュードはそう決意し、言葉にすることで自身に誓約したのだった。


夜になり、コッコが眠ると『スベル』が現れたのだった。


「今日は皆いるようだな」

「おー、本当に大人みたいな喋り方になるんだな!」

昼間、ぐーぐー寝ていたイグニスは元気そうだ。


「あなたには知っていることを、全部教えていただきたい!」

リュードの恋愛相談に付き合っていて、昼寝ができなかったボルヴィーは不機嫌そうだ。


「本題に入る前に教えて欲しいんだけど、どうしてコッコは子供のままなの?」

同じように子供で能力者になったリュードはちゃんと大人になっている。

「それはこの子が成長を拒んだので、希望を叶えてやったのだ」

「そうだったのね」

何となく、そんな気がしていた。

きっと大人になってしまったら、元のところに帰ったときに誰にも気がついてもらえないことを心配したのだろう。


「そもそも、どうして能力者は年をとらないんだ?」

プランの年齢にイグニスも驚いたから、何か理由があるのかと気になっていた。


「それは、ちゃんと生殖活動が行えるように、若いままの体ではないといけないからだ」

みんなは急に出て来た()()()()という言葉に、頭が追いつかない。

それってつまりアレのことだよね?!と驚きを隠せないのであった。


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