表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/90

38 義両親には気を遣う


リュードの件は、方が付いた。

ヒカリは次は自分の番だと意気込んでいた。

あの国王に『()()に治療してもらった場所』を訊きたかったのだが、みんなが必死に庇ってくれているので、それを口には出せなかった。


まずはリュードに事情を話そうと、彼の部屋を訪れた。

するとそこにはプランもいたのであった。


「ちょうど良かった!ヒカリちゃんにも聞いて欲しいんだ」と先を越されてしまったのだ。


「実はあの王様に『能力者の息子は、チャーコブの国王の孫なので手は出さないほうが身のためだよ』って言っちゃったんだよねー」


「でも、それって間違ってはいませんよね」

然るべき場所で育っていればリュードは王子様だったはずだ。

「やめてくれよ」

そんな地位を望んではいないリュードは顔をしかめた。


「けれども、伯爵家から離脱するリュードには、これが一番身を守る盾になるんだよ」

チャーコブは新しい国だが、チャー連合国の一つに属している。

アクーア国もそう簡単に手を出せない。

この先もずっとリュードの保身になるだろう。


「そうかもしれないけど!!」

リュードは会ったこともない祖父の肩書きにぶら下がっているようで、気分を害する。

お前の力では身を守れないのだから、祖父の権威に頼りなさいと言われているようだ。


「リュードの力量を信じていないわけじゃないんだよ。そう宣言することで自分を追い詰めたんだ。」

2人は話が見えてこなくて首を捻った。


「チャーコブに帰ったら、シーラやリュードと一緒にご両親のところに挨拶に行かなきゃいけないだろう。だけど僕の心象は最悪だと思うんだよねー」


そう言って顔を曇らせたので、ヒカリは思わず笑ってしまった。

プランのように能力の使い方も上手く、しかも心理戦にも長けている人が、奥さんの実家に顔を出す事が、自分を追い詰めないといけない程に気が重いなんて!


「ヒカリちゃん、笑うなんて酷いよ!」

「いや、だって・・・そういうところは普通の感覚なんですね。

今日のアクーア国王の前での強気さとは正反対だから可笑しくって!」

それを聞いてリュードもつられて笑い出す。

「そりゃ、そうだよ!シーラが両親にあんな変な言い訳(花の精)してるんだよ。会うのは恐ろしいに決まってるよ!!」


シーラには両親とちゃんと仲直りして欲しいと思っている。

そして、リュードも正式に孫だと認めてもらえれば、最高の後ろ盾が出来ることになる。


「リュードはこれから何かやってみたいことはあるのかい?」

これはプランの父親としての質問であった。


これから先の話題になったので、ヒカリは今がチャンスだと、2人に()()のことを話そうとした。


その時、またもタイミング悪く、部屋がノックされたのであった。


そこにはエヴィの付き人のボルヴィーがいたのであった。

「どうかした?」

「折り入ってお願いがあるのです。どうか俺も一緒に連れて行ってもらえませんか!!」

突然の申し出に、プランは何と答えようか戸惑っていた。


「どういうことか詳しく説明してくれない」

「俺、プランさんみたいになりたいんです!()()()()()()()()()()みたいな、そんな生き方に憧れてるんです!」

「それはたまたま、そうなっただけだよ」

「いいえ、あなたのその一本筋の通ったやり方には感心するばかりです!!」

プランは「え〜」と困っているが、息子の前で褒められて満更でもなさそうだ。


「伯爵家はどうするのですか?」

「辞めました!」

リュードの質問に、ボルヴィーはそう即答したのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ