そのなな コンタ 15歳 お嬢様は視界にも入れない
姉ちゃんが第一子を出産した頃、俺と同じ歳のお嬢様は、成人を迎えた。
リオンの成人は一応15歳だが、結婚や出産は二十歳過ぎが多い。
だけど、大貴族の跡取り娘のくせに、婚約者もいないお嬢様。
超絶美少女、お嬢様。
外面はカンペキお嬢様。
お見合い申し込みをことごとくスルーのお嬢様。
ついでにツルッパゲにも華麗にスルーされてるお嬢様。
だって、お嬢様が中等部の卒業した時には、ツルッパゲは大学生になり、
何よりも王太子の片腕として、政治に片足突っ込んでいた。
っていうか、どんだけ優秀なんだツルッパゲ。
二十歳で大臣たち相手に、まわるは口、動くは頭、若いからフットワークも軽く、おまけに人もいい。
貧民街の大改革も着手した。
まあ、一言でいえばスゲーひと。
だけど、多忙すぎて、人が良すぎて、いらねー仕事を増やす人。
お嬢様に言われてやってた雑用。
いつしか忘れてポマスの手足。
超多忙なポマスにあわせて、俺も多忙。
お嬢様、あれでも根は優しいし、真面目。
多忙なツルッパゲの邪魔にならないように健気に陰からそっと見守ってる。
「頑張ってます?コンタ。これ、差し入れですわ。マ、マポ様もいかが?」
お嬢様、ツルッパゲに焼き菓子差し出すけど、ツルッパゲは書類に集中。
悪気なく華麗にスルー。
だから、毎回、俺、ツルッパゲの口に突っ込む。
「ん?モグモグーうまいな」
やっと、目をあげるツルッパゲ。
「キャァーっ!」
ーバタバタ。
「ん?誰かいたか?」
残像すらなく走り去る、お嬢様。
「猫柄の虎がいました」
「猫柄のトラ?」
ツルッパゲは目を瞬く。
つぶらな瞳のツルッパゲ。
疲れの滲むその顔は、結構ハンサム、背も高い。
「なんすか?それ?」
逃げたお嬢様ほっといて、ツルッパゲの持ってた写真が気になる。
まさかツルッパゲにお見合いか?
「王太子殿下のお相手探しだよ。王太子殿下はパーマー様の娘殿が気に入ってたらしいんだが、一人娘だからと断られたそうだ。そういえば、君の勤め先だったな。僕は、知らないがとてもお美しい女性らしいね。殿下が気に入ってるくらいだから、頭もよいのだろ?いいお相手が見つかると良いね」
にっこり優しい笑顔のツルッパゲ。
ーコイツ、コロシテイイデスカ。
無知って罪だな、ツルッパゲ。




