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そのじゅうきゅう コンタ27歳 お姫様の初恋は?


相変わらず、可愛い可愛い声が俺を今日も今日とてよぶ。


「コタ!お話して、お話。ウィル王子様のお話聞きたいの!」


キラキラ緑の瞳で俺をみる。


どうでもいいけど、俺、コタ。


おしゃべり上手になったのに、相変わらずの、


ーコタ。


俺の正式名ってなんだっけ?


マリアじゃないけど、忘れそう。


いや、アイツはそもそも覚える気がないんだから、問題外。


毎晩、リーナを肴に楽しく酒を飲む。


ランドル公国のアレでも皇女。


…俺の可愛いお姫様、ああなったら困る。


まあ、お嬢様がしっかり教育しているから、いいのか。


「ティア!あんなアークレッドのクソガキどもの話より、父様が昔した大冒険をお話するよ」


ツルッパゲに公務押しつけて、令嬢達とイチャイチャしてたヤツ?


お嬢様に会うために、王宮抜け出し、夜這いかけて、俺から袋叩きされたヤツ?


大冒険なんてする、度胸あったっけ?


「やだ!パパよりコタのお話楽しいもん」


「姫様、パパはやめて下さい。お父様です」


お嬢様が注意する。


「えっ?だって、お父様がパパって呼んで欲しいってだから」


「ダメです。お姫様なのですから、陛下はお父様と呼んでください」


「いや、わしはパパでー」


「お父様じゃなく、陛下呼びしましょうか?」


久しぶりのブリザード。


ちなみに亡き王妃様はママ呼びしてるお姫様。


アホンダラの国王陛下、ナニはできない癖に側室作りまくって、


お姫様の義母は飽和状態。


みんな、お義母様呼びしてる。


ちなみに、側室作りまくってるが、側妃たちはみんな、


ツルッパゲとお嬢様の息がかかっているけれど、


ボンクラ王様気づいてない。


まあ、アレでも王様のお姫様への親心。


母がいないお姫様に母親の愛情を与えてやりたい王様。


だけど、その母親奪ったアンタを、お嬢様は絶対に許しはしないだろう。


だって、お姫様の蛇の呪いなんか、真面目に学園で学んだなら知ってたはず。


貴族社会の常識だって、


あとから俺も知っだけど。


だって、俺、陛下の代わりに働きまくるツルッパゲの手伝い忙しかったんだもん。


って大人の俺がだもんはねーよな。


ツルッパゲたちのようにいずれ、学園で、お姫様も学ぶだろう。


王妃様の亡くなった理由を。


けど、大丈夫。


お姫様には、お嬢様もツルッパゲもいる。


俺も、側妃たちも、お嬢様の娘もみんな、お姫様を守る。


絶対に、王妃様のようにはしない。


だから、俺は今日も話す。


世界一小さな国に、可愛い可愛い天使たちのことを。


ーマリア、悪魔の間違いじゃないのか?


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