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そのじゅうなな コンタ25歳 マリアと夜ご飯


そんなこんなで、ちょいちょいヒマを見つけては、


マリアの様子を見兼ねてアークレッドに帰省するようになって俺。


だって、お嬢様が、


「大切にお預かりした皇女様よ?アークレッドに行かせた責任はちゃんととりなさい」


なんて言うんだぜ。


アークレッドの教師を薦めたのは、確かにおれだけど、


なーんかふにおちない。


だって、お嬢様の旦那、ツルッパゲの父親、


ーマリア曰く老害。


から、俺、言われて動いたんだけど。


まあ、マリアと夜ご飯をマリアの教え子でリーナの家がやっている、


アークレッドで唯一の旅館兼大衆食堂で食べるのは楽しいからいいけどな。


今年、二十歳になったマリアは結構、酒飲むし。


アークレッドでは、成人する15歳になれば酒のめるが、


マリアはこれに異を唱えた。


脳がまだまだ発達する年齢だから、せめて18歳なるまで酒は禁止と訴えた。


事実、彼女の祖国ランドル公国では、


ーお酒は二十歳から。


と、なっているらしい。


で、


あっさり、二十歳になる前に酒を飲むのは悪い事になったアークレッド。


たったひとつの法律。


ー悪い事はしない。


ほんと、便利な法律だ。


だって、一度、悪い事って決めちゃえば、


悪い事なんだから。


ほんと世界で一番怖い法律持ってるって思うの俺だけか?


たったひとつの法律。


だけど、


このひとつで、人の心で、


いくらでも罰せられる法律。


それが歪むことなく、ただ事前にできるアークレッド。


マリアはいつも紫色の綺麗な目を輝かせて、


俺にその日の出来事を楽しげに話す。


ー可愛い可愛い私の天使たち。


って、口癖なのはアレだけど。


もう死んだ目をした少女はどこにもいなかった。


その事が、本当に嬉しかった。


儚くなってしまった王妃様とは、


違うんだって。


マリアが楽しそうに悪ガキの話をするから、


俺もかわり、リオンの宝物話をするよ。


世界一の小さな国で、


世界一の大国のお姫様の話を。


酒を酌み交わし。ゆったりと、ね?


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