プロローグ2
「……とりあえず状況はわかった。だがなぜ俺はここにいる?確か俺はトラックに撥ねられて死んだはずだ」
「それにはとある事情があるのです」
「事情?」
ん?何だか雲行きが怪しいぞ?
「はい。実はとある世界で、問題が起きまして、その問題をあなた様に解決していただきたいのです」
「その問題とは?」
「それは、直接見ていただいた方がいいと思われます」
なるほど、これはあれだ、ラノベでよくある、転生ってやつじゃないか?
転生して、チートな能力もらえて、無双しちゃう系だ。
「あなた様の考えているので大体あってます。ただ与えられるのは、言語理解、それと異空間収納だけですが、それでもよろしいですか?」
どうやらこの女神はケチらしい。
そこはチートとかくれるんじゃねぇのかよって思うところだろうけど、生憎俺はそんな主義ではないので即決する。
「いや、それでいい。武器は向こうで手に入れるし、収納があるならむしろ十分すぎる程だな」
そうして俺は、秒で転生の道を選んだ。
もう一つの道に、天国で暮らすという選択肢があったが、そんなものは転生の道には遠く及ばない。
「は、はい……。では行きます。向こうでの活躍、期待していますよ」
そういうと、テテュス様は呪文の詠唱を始める。
俺の体が光に包まれていく。
ただ何故だろう、女神様がこちらを見てにこにことしている。
なんだか嫌な予感がするんだが……。
そういやテンプレだと、飛ばされるのって森とかのやばそうな場所だった気が……。
「向こうでのあなたはフォルネウスの大森林という、危険な場所からのスタートになります。気を付けてくださいね?」
やっぱりここでもフラグを回収しちまったあぁぁぁぁ。
俺は手を伸ばして女神様を掴もうとしたが届く直前で、俺の視界は白く染まった。
これが俺のこの世界に来るまでの話だ。