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ソシャゲライフ!!  作者: mizuzeme
7/13

レアガチャとスキル③

 虹色の玉は二つあるので、俺とうさ耳がそれぞれ一つづつ確認する事にした。

 ここは是非ともうさ耳よりもいいアイテムを出したいとこである。


「じゃぁーキング、ボクからいくねっ」


 うさ耳はそう言うとジリジリと虹色の玉に向かい歩き出した。

 ぶつぶつと何か呟いている様だ。

 おまじないかな? 少し不気味だ。

 うさみみの言動により部屋中に変な緊張感が充満していく。

 小さな声で「うん、やっぱりRoad of Rainbowかな」とうさ耳は迷いが晴れた様な顔で呟き、

 ぴょんっと虹色の玉の前にジャンプし、両手を大きく広げて叫ぶ。


「さぁ、力を解放するのだRoad of Rainbow! ボクの力になっておくれ!」


 あぁ、うん。

 決め台詞を考えててぶつぶつ言ってたのか。

 それにしてもセンスがない。(なんて事はうさみみには死んでも言えないが)

 さてさて、何が出るかな。


 「それっ」タッチ


 パッパッパッリーーーーン アイテム:Over the Imaginative Faculty(想像力を超えた先)《星六》を手に入れた。


 おぉ! ……おぉ!?

 ん? 紙……切れ??

 いや、紙切れと言うよりはメモ用紙と言った感じか。

 十センチ四方のよくあるメモ用紙、まさにそんな感じだ。

 これは……星六の中でもハズレの部類に入るものだろうな。

 

「ただの白い……紙? えーどうせならピンクとかがよかったなぁボクー」


 うさ耳は少し不満げな顔をしてミエナイに愚痴っている。

 色の問題ではない気もするが。


『いえいえうさ耳様!

 大当たりですよ!

 これは想像し、紙に書いた物を実現させるアイテムでございます!

 言わば形なき物に形を与える幻想級アイテムですよ!

 超レア! チョアですよ!』


 ミエナイが興奮した口調で答えている。

 チョアってなんだよ。初めて聞いたわ。

 

「えっ!? そうなのー? これそんなレアなのかー♪

 そっかー、えへへ。

 キングーこれチョアだってーあはははー♪」

 

 だからチョアってなんだよ。

 それとほっぺをつんつんしてくるな。

 

 ……このうさ耳の勝ち誇った様な笑顔。

 可愛い。 じゃなくて、悔しいです!

 ハズレじゃなかったのかよ。

 ミエナイが興奮する程のアイテムを出したのかうさ耳……

 だが、負けていられない!

 ふふふ、久しぶりだなこんな緊張するガチャは。

 必死に貯めた配布石で、ゴミばかり出たあの時のガチャを思い出すぜ。

 ラスト一回で欲しかったキャラがでたんだよなぁ。

 俺は緊張に強いのだ。そうだ、強いんだ。

 出せる出せる、俺なら出せる。

 うさ耳以上のものが!

 ついでに見せてやる、センスの【差】ってのもよ!


「うさ耳さん。やるではありませんか。

 敵ながらあっぱれですよ。

 チョア? でしたかな。

 中々の戦闘力みたいですな。

 だが忘れてもらっては困りますよ。

 まだわたくしのターンが残っておりますので。

 そちらのソファーにでも掛けて見ていてください」


 なぜかうさ耳と一緒にコーネとトーキャもソファに座る。

 まぁいい。

 見てろようさ耳達。

 ガチャ運にしても決め台詞センスにしても、

 数々のゲームをやり込んできた俺に勝とうなんて百年早いぜ?

 いくぜ!

 

「我キング、天地を統べる者であり英智を極めし者。

 漆黒の闇に純白の光を照らす者。

 虹霓こうげいの者の真の支配者であり、唯一の支配者。

 われが命ず、目を覚ませThe rarest spirit!」


 王者の風格を身に纏い、俺はゆっくり虹色の玉に近づく。

 聞いてたかうさ耳?

 これがセンスの違いってもんよ。 

 若干、うさ耳達が肩を震せ下を見ていることが気になるが、仕上げといこう。


「おはようの時間だ、解放ときはなつたましいのじゅばく! (決まったぁぁ!)」ピトッ


 ポフンッ スキル:Master of the silvervine(マタタビ親方)《星零》を手に入れた。


 まっ!!??

 ほほほほ、ほ、ほ、ほ、ほ、ほ、星、星零ほしぜろ!?

 零ってなんだ零って!?

 まず星四以上確定って言ってたよなミエナイ?

 

「きゃはははー♪ キング星零だってぇ〜。

 まだまだボクにはセンスもガチャ運も敵わないようだねぇーあははは♪」


 うさ耳が目に涙を浮かべながら笑い転げている。

 ち、ちくしょう。

 悔しいです!

 なんで虹から星零なんか出てくるんだよ!

 これはコーネとトーキャに文句を言ってやるしかない。

 断固求める。詫び石! 詫び石!


「おい! なんで星ーー」

「にゃ、にゃんでそんなところにマタタビ親方があるにゃ!!」


 目をぱちくりとさせながらコーネが叫ぶ。

 やはりこのスキルは本来虹から出るものじゃないんだな。

 良かった良かった、詫び石詫び石。


「にーちゃ! あのスキルはもう捨てたって言ってにゃにゃいか!

 にゃんでこんなところから出てくるにゃ!!」

「にゃっ!?

 そ、それは……にゃんと言うか……」


 コーネの前に正座をさせられ、さらに小さく見えるトーキャが言い訳を始める。

 話を纏めると、どうやらこのスキルは元々トーキャが持っていたものらしい。

 毎日毎日マタタビででろんでろんになるトーキャを見て、

 これではいけないとコーネが捨てる様に説得したと。

 しかし、どうしても捨てる事ができなかったトーキャが虹の玉にしまいこみ、

 限りなく零の排出率にして保管していた。との事だった。

 排出率を異常に下げる為に、星零にしていた訳ね。

 涙を流し、鼻水を垂らしながら必死にこのスキルを使って作る、

 マタタビの素晴らしさを力説してくるトーキャを見ていて、

 コーネの心配する理由が俺にも分かる。

 こいつぁジャンキーの目ですぜ兄貴!


「わ、分かった分かった。

 そんな泣くなよトーキャ。

 必死過ぎて普通に引くわ。

 要は、用法用量さえ守っておけば特に身体に害はないんだろ?

 俺がしっかり管理して、一日一個ずつだけ、コーネとトーキャに渡してやるよ」


 俺がそう言うと、コーネとトーキャは一瞬フリーズし、お互いの顔を見つめ合う。

 その後、ダムが決壊したかの様に二匹して踊り出す。

 どうやらコーネも本当は欲しかった様だが、

 自分で管理してしまうとトーキャの二の舞になると分かっていて我慢していた様だ。

 しっかりした弟である。どこかの弟にも見習って欲しいものである。

 まぁ俺は一人っ子だが。


「キングはいい人だにゃー。

 僕達の管理者様だにゃー」

「キングはいい人だにゃー。

 僕の管理者様だにゃー。

 あっでも……守護者たる者、人からタダで施しを受ける訳にはいかにゃいのにゃ」


 トーキャがそう言うと、コーネも「確かに」と言った顔をした。

 その後少し話込んだ末、トーキャが俺にこんな提案をしてきた。


「マタタビ一個とレアガチャ一回を交換するにゃ。

 等価交換にゃ。

 これにゃらお互い幸せにゃ」


 おぉ、これはとても素晴らしい提案だ。

 まさに願ったり叶ったりだ。

 つまり、一日に二回、余分にレアガチャを回せる訳だな。

 素直に嬉しい。

 

 うん、これはあれだな。俺のスキルも相当レアって事だな。

 チョアって奴だな。うん。

 一日に二回ガチャが回せるスキル、と言う事にしておこう。うん。

 なので今回は引き分けなだうさ耳。また貯まったら勝負をしような。

 

 少しだけ不満気な顔をしていたうさ耳だったが、

 コーネとトーキャ、二匹の笑顔に目をやると「あはは」と笑い、

 引き分けだねーと言ってくれたのであった。


トーキャがお兄ちゃんでコーネが弟ちゃんです。

次でがちゃとスキルは終わります。多分。

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