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ソシャゲライフ!!  作者: mizuzeme
3/13

ゲームの始まり:チュートリアル①

 夢ではないみたいだ。

 しかし、一体どういう事だ? 

 ゲームの中ではない、実際にここは俺の部屋だ。

 これは間違いない。

 そして目の前のうさ耳、こいつも確かに実際にここにいるし、嘘も言ってないない様に思える。

 せ、整理すると……俺はゲームのキャラクターだが自分の部屋、窓の外を見る限りちゃんと元居た街に今いる。

 うさ耳はそんな自分をソシャゲのキャラクターだと言っていて、確かに変な部屋からスマホ?みたいな物で俺をここに戻らせた。

 ふむ、ふむふむ、、、全く持って意味が分からない!


「ねぇーキングー、名前も決まった事だし、チュートリアルちゃっちゃっとやって早くガチャ引こうよ!

 えへへー、頑張って並んだから初回豪華特典が貰えるのですっ!

 ボクに感謝してよねー♪」

「チュートリアル!? マジでゲームじゃねぇか……」


 ぐだぐだ言っててもしょうがない、こうなりゃ流れに身を任せるしかない。

 ただ、やるからには本気だ! 

 俺はやるまではぐだぐだするが、やると決めたらやり込むタイプ……根っからのゲーマーだぜ!! 

 ふふふ、それに正直言うと、ガチャと初回豪華特典と言う言葉にテンションが上がり始めてしまっているのだ。


「うさ耳、これも何かの縁だ。やってやりますよ!

 ちゃっちゃとチュートリアル終わらせてガチャ引くぞーーー!」

「おーー!!」

パンッ スー ポチッ



《チュートリアル:キャラクターの特性と各種アイテムの特徴を知ろう》

『まずは両手を合わせて好きな大きさに広げてください。

 大きさが決まると各種アイコンが表示されます。操作は右手で行って下さい』


 どこからともなく声が聞こえてくる。

 これは直接頭に喋りかけてきているのか? 

 まぁいい、俺の腹はもう決まっている。

 これがゲームなら楽しむのみ! パンッ スー


「うぉっ! すげぇ! スマホの画面みたいなのが出てきたぞ!

 これホントすごいな! テンション上がっちゃうよ俺、うさ耳!」

「キング可愛いぃ〜♪ 地球じゃこうやってゲーム開かないの〜?」

「開かないし、開けない!

 ん〜何々〜、ステータスアイコン、スキルアイコン、アイテムアイコン、ガチャアイコン、その他アイコン、そしてヘルプアイコン」

 

 いいね、うん、いいよシンプルで。

 昨今のゲームはゴチャゴチャしてて見にくいものが多い中、ここの運営は分かってるな。


『それでは、ステータスアイコンをタップしてステータスを確認してください。

 そちらが今現在のキャラクターのレベルと強さ、プレイヤーとの絆レベルになります』


 ほほぅ、今現在の俺の能力値が数値化して見える訳だ。

 何か緊張するが同時に高揚もしてくるな。

 正直全くと言っていい程期待はしてませんけどねっ!


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 名前:キング

 所属ギルド:未所属

 キャラレベル:1

 キャラ経験値:0

 絆レベル:1

 絆経験値:0

 種族:人間


 HP:1800

 物理攻撃力:130

 魔法攻撃力:0

 物理防御力:80

 魔法防御力:80

 賢さ:105

 素早さ:20

 その他:760

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 これは……どうなんだ? 良いのか悪いのか全く分からないぞ。

 本当に分からない事だらけだな俺。

 ただ、魔法攻撃力が0なのは正直かなり残念だ。

 認めたく無いがかなりリアルな能力値という事は肌で感じてしまっている。

 そして、このその他ってのはなんだ? 

 今までかなりの数のゲームをしてきたがステータス欄にその他なんて見た事ないぞ。


「すいません。このその他ってのはなんなのでしょう先生」

『詳しくはキャラクター専用ヘルプを参照ください』


 案外冷たいな運営さんも。

 まぁいちいち質問に答えてたら埒が明かないですもんね。

 わかりました、ヘルプを後でちゃんと読んでおきます。


『では次はスキルアイコンをタップしてください。

 こちらでは所持スキルとその使用可能回数が確認できます。

 プレイヤー様のアイコンにはON/OFFとの表示があると思いますが、こちらはオートプレイの切り替えスイッチになっております。

 ONの状態ではキャラクターが自分の意思で自由にスキルを使う事ができ、プレイヤーはスキル操作が行えません。

 OFFの状態ではキャラクターはスキルを自由に使う事ができず、プレイヤー操作でのスキル使用が行えます。

 また、すべての動作をオートにする場合には設定から一括オートONをタップしてください』


 「はぁ〜い。ボクはキングには自由に動いて欲しいから一括オートONにしとくよ♪

  頼むよーキングっ♪」


 冷たい汗が頬を伝い流れ落ちるのを肌で感じる。

 先程までのテンションは汗と一緒に地面に吸い込まれていく。

 これはゲームだ。

 だが、俺にとっては楽しいゲームではない。

 塀の中の囚人と同じではないのか?

 一括オートがあるって事は他にも何か制限がされているって事だ。

 スキルはまだいい。

 使えなくても別にいい、今までの人生そんなもの無かったのだから。

 問題は他の動作での制限だ。

 こういう時に変に勘が働いてしまうのが俺の悪い癖だ。

 これは確実に他の動作での制限もあるはずだ。

 戦闘は?(喧嘩した事無い) 彼女とのデートは?(彼女いないしデートしたことない) お出かけは?(基本外出しない)

 ……目紛しく繰り返し繰り返される自問自答ーーん? 

 あれ?? 特にこれと言って困る事がないぞ。 

 え? ちょっと待て。

 これは俺の今までの人生が塀の中の囚人と特に変わらないって事か? 

 いやいやいやwwwいやいやwいや……  

 ーーこの時、二十四歳ニート金木裳嗣、全力でこのゲームを楽しむ事を深く心に誓うのであった。

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