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ソシャゲライフ!!  作者: mizuzeme
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 目を開けると見た事もない部屋にいた。

 殺風景そんな言葉が当てはまる。

 10畳くらいあるのだろうか、それにしては物が少ない。

 窓も無く丸い椅子と机があるだけだ。

 うん、まぁそれはいい、そういう部屋だってあるさ、シンプルイズベストって言葉があるくらいだ。

 そこは問題じゃない。

 問題は……この目の前にいるうさ耳をつけているこいつだ。


「やっとダウンロード終わったみたいだね! 君がボクのキャラクターか♪ よろしく!」


 何を言っているんだこいつは……まず誰だ。

 ダウンロード? キャラクター? 訳が分からない。

 はっきり言って関わりたく無いタイプの奴だ。

 「あっちょっと電話が」とか言ってこの場を離れたい、兎に角一旦頭を整理したい。

 しかしこの部屋窓も扉もないっ!! なんなんだ!! 

 ーーあっ……!


「なんだよなんだよ。焦らせるなよw普段夢なんてみないから一瞬現実かと思って焦ってたわ。

 あーはいはい、ゲームね、ゲームの話してるのね。

 ダウンロードとキャラクターときたらゲームしかないっしょw」

 

 夢だと分かって頭が冷静になってくるのが分かる。

 そりゃそうだ、だってこんなうさ耳知らないし、こんな場所も知らない、さらに入り口も出口もない……

 正に夢一択である。


「夢……? 

 あー♪ 確かに夢の様なゲームではあるけど、ってかソシャゲだけど、夢ではないよ?

 てか本当にすごーーーい! すごく自然な会話ができてる! 頑張って並んで良かったぁ♪」


 ダメだ。

 これは悪夢と言うタイプの奴だ。

 全然会話が成立していない。

 まぁいい、古今東西こういう時はやる事は一つだ。

 そして、この現状を最大限いかすのが賢い者のする事だ。


「うさ耳さん、取り敢えず話は分かったから一ついいですか? わたくしに御褒美……じゃなくて、わたくしを一発殴って頂きたいのですが」

「えっ……?」


 まぁそうなるよね、うん、そうそう普通そんな反応をす「いいんですか!♪」あれ? 嬉しそうだ。

 これは予想外。

 でもまぁどっちにしろやって頂く予定だったので過程はどうでもいいのである。

 ふふふ、こういうのを役得と言うのであろう。

 違うか。

 こんな時なぜか敬語になってしまう自分が愛おしい。


「是非! お願い致しまっ「えいっ!!」グホァッ御馳走様ですっっ」

 

 このうさ耳、人が話している最中にぶん殴るとは……そして見た目に反してパンチが重い!

 めちゃくちゃ痛いじゃないですか。

 ん? え? 痛い……?


「痛い……痛いぞおい!! え? 夢じゃ……ないのか? ならなんなんだここは? うさ耳さん?」

「だから言ってるじゃなですかー、ゲームですよゲーム、ソーシャルゲーム。 KING OF ALL、まぁボクはコアって呼んでるけどね♪」


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 《KING OF ALL》


【遥か昔より、5つの世界の5人の王は誰が真の王であるかを争っていた。

 冥界が動けば魔界が動き、魔界が動けば天界が動く、そうして5つの世界(冥界、魔界、人間界、幻界、天界)は絶えず争い、動いていた。

 ある日一人の王が提案した。


「一度に片をつけよう。場所は人間界でいい。あそこは最も中立だしな」と。


 各王達は笑う。「「「「「これで真の王になれる」」」」」】


 《業界初機能! ログインしていない間にもキャラが独自に動きレベルアップしてくれる完全AI機能!》

 本作ではキャラクターが完全独立性を持っているので、ログイン中以外でも各キャラが自ら考え行動してくれます。

 完全AIなので只お喋りするのも良し、最強キャラに育てるのも良し、遊び方はプレイヤーの数だけ存在します。

 ※完全AIなのですべての行動をプレイヤーが操作できる訳ではありません。


 《異なる5つの種族! 種族によって異なるオリジナリティー、君はどの種族を選ぶ!?》

 冥界:魔術等駆使して敵を翻弄するぞ! やり込みタイプ

 魔界:魔法等を駆使してド派手に戦うぞ! バトルタイプ

 人間界:沢山の着せ替えコスチュームや様々なアイテムがあるぞ! のほほんタイプ

 幻界:色々なものに変身できるぞ! 探索タイプ

 神界:AIのステータスがとても高いぞ! バランスタイプ

 ※どの種族でもクリアできる様になっており、総合難易度は同じです。各種族の詳細はヘルプにて


《先着10,000名様!! 豪華特典満載!!》 

 KING OF ALL 能力付き星6装備 キャラクター用

 KING OF ALL オリジナルレア衣装 プレイヤー用

 先着様頑張れ応援金1000億

 クリスタル300個


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 おいおいおい、まてまてまて。

 って事は何か? 俺はゲームの中に来てしまったのか? 

 嘘だろ……そんな事ありえないだろ  ーーいやでも、実際ここにこうしている。

 痛みもある。


「んーー、そういうことはよくわからないや。でもここがそんなに嫌ならそっちで話そっか♪

 えーーっと、名前どうしよう。 名前はあるの?」

「え? そっち? どっち!?  名前は 金木裳嗣かねきもつぐ です」

「金木裳嗣? へー……これ きん っても呼べるんだね! うんっ! 決めた! 名前はキング!! このゲームにぴったしだ♪」


 駄目だ。

 完全に頭がついていってない。

 そもそも何だキングって。 

 キングオブオールってタイトルにキングって名前は駄目だろ。

 と◯びだせどうぶつの森のキャラクターにどうぶつってつける様なものだろ。

 まぁ、もずくよりはマシな気もするけど……


「じゃぁキング、取り敢えずキングの部屋に戻ろっか♪」パンッ スー 

「えっちょっあぁっっーー……」






 

 ーーん? ここは俺の部屋だ。うさ耳は……いない。 

 ふふふ、っぷはははははwww 結局夢かよ! まぁそりゃそうだけどさ! 

 あーびびった。マジでびびった。

 ゲームの中に入ったのかと思った。

 ゲームはやっぱやるのが一番だな! 

 さぁ、あのクソイケメンに無課金様の力教えてやるぜ!!


「キング、何がそんなに面白いの? そのゲーム?」


 ゴトンッ 俺の手から大事なスマホが滑り落ちる。割れると嫌だから気を付けていたのにな……ハハッ


 夢じゃ……ない!?

 


 

早く「始めてのガチャ」を書きたいです

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