第8話
はい、第九話お待たせしました。誰も待っていないとしても言います、お待たせしました!!
今回は二つの視点があり、区切りのところでは~を使用しております。
本当は更新はもっと先だったのですが更新までが長かくて、な・ぜ・か痺れを切らした書き手側(僕)の要望で更新をだいぶ早めることになりました。
「あっ、この世界では友樹・今村ですね」
そう言い直す辺り友樹は異世界の勇者になったことを自覚し始めたのだろう。
まだ俺たちがいることには気づいていないようだが。まぁ、気付いても気付かなくてもあまり不都合はない。
「こんな若造が竜を撃退、もしくは討伐できるのか?」
そんな疑問の声を上げる熟練冒険者。それもそうだろう、この町に今あるすべてを導入した総力戦を以てしても討伐しえないとんでもない竜を一見、子供にしか見えない勇者一人で応対できるのかというのは当然だ。
「もちろんだ。俺は四つの属性を使え、強力な武具も持っている! 見よっ!! これが俺の得物――光剣だっ!!」
そう言い、友樹は剣を抜き放つ。光り輝く剣身。それは友樹の発言の力を持たせた。
その剣を見た人々は顔を明るくした。それは剣から発せられる光のせいだけではないだろう。
「おぉ!! 勇者様ぁっ!! その力で我々をお救いくださいぃ!!」
「いけるっ、これならいけるぞ!」
剣を見せただけでこうなるなんて……友樹のカリスマが怖い。宗教の一つや二つ興せるんじゃないか……これ?……
てかこれならってどれなら??
「これでわかっただろう? この強く頼もしい、勇者イマムラと共にこの街を竜から守ろうではないかっ! 十分後、竜にも臆しない気概ある者は西門に集まれ!!」
そう締めくくり支部長はギルドから出ていった。
まぁ、イマムラが強いかどうかはわからないんだけどね。ただでさえ低い士気を上げるためにはちょっとの誇張も必要だろう。
「では皆さん、後ほどお会いしましょう。無事に生き残りましょう!!」
友樹は笑顔で仲間を引き連れ、支部長のあとを追っていった。
だが出ていく間際――恐らく見た人は友樹を目でずっと追っていた俺ぐらいだろう――笑顔が消え真剣な表情になり、どこか焦っているように見えた。
自信があったように見えたのだが、人々に希望を持たせるためだったのだろうか、それとも自信をなくして大口を叩いてしまったことを悔いているのか。ともかく余裕は無かった気がする。
激しく不安だ。嫌な予感がする……
「どぉーしったのっ? そんなに険しい顔して。私は気づかなかったけど今村くんに何かされた?」
「いや、何でもないよ」
「ふーん? そっかー、何もなかったのかぁ、でも何もなかったらそんな顔しないよね? 辛いことがあったら話していいんだよ? 私でよければ相談にのるからね!」
んー、でもまぁ話すまでのことでもないだろうしなぁ。きっと気のせいだろ。
「今は大丈夫! でもそんな時はお願いするよ、頼りにしてるぞ?」
ことある事に俺のことを気遣ってくれる石井さんは少し心配性だと思う。いつもちょっとだけ大袈裟な石井さんが少し可笑しくて笑いながらそう言った。
「あぁっ! 笑ったなぁ? 本当に心配してたのに!! 蒼ちゃんも凄く心配してたんだよ!」
「っ!? ちょっ、雪ちゃん言わないでよぉ! 」
「あはっ、ごめん。言っちゃった、えへっ」
石井さんってこんなに茶目っ気がある人だったんだ……異世界に来てから初めて知ったよ。元の世界ではあまり話してると友樹とかにいろいろ言われることは目に見えてたからなぁ……
「なぁ、ところでさ。俺らって普通のやつよりは強いんだよな?」
優太の言う通り、俺らは一般人より強い。だが、その本質は命を懸けた戦闘に関しては、素人の集団だ。
恐らく優太は名は体を表して優しいので(太くはないけど)倒すまでは至れないかもしれないが非戦闘民を避難する時間ぐらいは稼げると思ってのことだろう。
だが……
「優太、その考え方は甘いぞ。俺らは確かに一般人よりは強い。だが、それでも俺達以上に戦えるやつはこの町にもいるはずだ。なんたって俺達は技術もない素人であるし、レベルもまだまだだからな。それなのにこの町の全てを使っても倒せないと支部長は言っているんだぞ?」
「俺はまだ何も言ってないんだが……そうだな。なら俺達には何が出来る……?」
「あるぞ? この世界特有のものがな。わからんか?」
雄輔にはなにか考えかあるらしい。だがそんなに勿体ぶらなくてもいいと思う。
「はーい! わかったー!」
石井さんが手を挙げて、声を上げた。なんで俺達はこんなにほのぼのしてるのだろうか、この状態で。
「ここは日本ほど治安がよさそうじゃないから、盗賊っ!! どう~? 当たってるでしょー?」
一般的サイズの胸を張ってドヤ顔する石井さんの姿はどこか微笑ましいものがある。
「半分は正解だな、だがまだあるぞ? おおっと、そういえば今は急いでるんだったな。もう言っちまうぞ、魔物だ」
「「「「あっ!!」」」」
揃いも揃って同じ声を上げてしまった。なるほど、魔物か。確かに竜ほどではないが非戦闘民の住民達には十二分に驚異だろう。
だが俺達は竜は無理でも魔物なら倒せるはずだ、きっと役に立てるだろう。
「そうと決まれば、東の門へ行こう!」
「なんで東の門なの??」
石井さんの発言に対して中野さんが問う。先程ドヤ顔したのに正解ではなかったので起死回生を狙ってるように見える。
「それはね! 西の門に冒険者たちを集めるのはその方面にある場所で竜を迎え撃つからだと思うの、なら住民達は西の門から出来るだけ遠ざかろうとするじゃない? そしたら対極にある東の門から出ていくはず!!」
「な、なるほどぉ~」
「という訳だから東の門にーー」
「で、どっちが東なのか、わかって言ってるんだろうな??」
そしてまたしても俺を除く全員が先ほどと同じような声を上げてしまったのはご愛嬌だ。なぜ俺が声を発しなかったかというと俺はそのことを考えていたし対処法も思いついていたからだ。
「多くの住人が向かっている方向が避難場所だろう。そこへ向かえばいい」
「なるほどな、それならもし石井が言っていたことが外れて東でなくても大丈夫だな」
「失礼な、きっとあってるよ!!」
そう、こういった会話ができるほど俺達は気を抜いていた。これからあんなことが起きるとはいざ知らず……
~ ~ ~
「よく集まってくれたな、これから先にある開けた場所で竜を足止め、願わくば撃退したいと思う。十分な時間を稼ぎ次第撤退だ! なにか質問はあるか?」
たくさんの冒険者が集まる門の前、そこで支部長は冒険者達にそう言った。
ここで一人の冒険者から質問が出た。
「どうやって闘うんだ?」
それは遥か上空を我が物顔で自在に飛び回る竜に対しどう攻撃するのか、というものだ。普通の弓では勢いが足りず届かないし、魔法でも並のものが放てば徐々に威力を失っていき、龍に届く頃には可擦り傷一つ与えることができないだろうからだ。
「忘れたか? 我々には勇者が居るではないか! 出来るだろう? なぁ、勇者殿?」
「はい、任せてください! 俺がやって見せます! それに俺には仲間がいる! 魔法だけなら俺よりもうまく扱えますよ」
「なんと! それなら大丈夫であろう。勇者殿の仲間も相当な手練なのですな」
そう勇者が言い切ったために皆は、あぁ、大丈夫なんだ、そう思った。
「では、行くぞ!! 絶対にこの町を守るんだ!!」
「「「おぉっ!!」」」
支部長の言葉に冒険者達は呼応し、門を出ていった。竜の姿は肉眼で確認できる、すぐそこまで迫っていた。
ご覧頂きありがとうございました。
次話は一月一日を予定しておりますが、早まる可能性(もしかすると明日かも)もありますし、遅くなるかも(第九話はほとんど完成しているため、その可能性はほぼないと思いますが……)しれません。
ですが、頑張りたいと思います。五月頃には1ヶ月の間に3本ぐらい投稿できるようになりたいです。
段々、話をつくることに慣れ始めているので投稿ペースは上がると思います。それに今まではPCだったのですが、スマホから書き上げることが可能になっていますので、ますますはかどっています。
では次もお読み頂けると幸いです。




