表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハッピーホラー  作者: 天使 かえで
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/9

無口な彼

 言葉は尽くせば尽くすほど良いと思っている。人の想いなど伝えなければわからない。形にしなければ伝わらない。


 ずっとそう思って実践してきた。


 学校の友達、職場の同僚、愛しい恋人。全てに対して同じようにしてきた。


 しかし、それが相手にとっては『重い』として受け取られてしまうらしい。


 今日もSNSの私からのメッセージには返信のスタンプが返ってくるだけ。笑顔のキャラクターがサムズアップしているだけで、私からの質問にどう良いのか悪いのかさえわからない。


 身近にいた知人たちも疎遠になっていく。気持ちを伝えることは良くないことなのだろうか。


 そんな中でも言葉で返してくれるのは恋人くらいだ。彼は私の言葉を否定もしないし、しっかり返してくれる。


『ねえ、今度の日曜日何する? そろそろあなたの誕生日だから私はお祝いしたいのだけど、どうかしら? あなたの好きなあのレストランに行ってみない? あのお店から見える景色とても素敵よね。そんな素敵な場所であなたと一緒に過ごしたいの。素敵なお店で美味しいディナーなんて最高ね。予定はいかがかしら? お返事待ってるわ』


 メッセージを送ったばかりなのに、すぐに私の端末の通知音が鳴る。


『空いてる。予約して』


 他の人たちがスタンプで返してくるのに対して、彼はちゃんと文字で返してくれる。嬉しくてそのメッセージ画面を見ていると更にメッセージが送られてきた。


『あとあれもお願い』


 わあ! お願いまでされてしまったわ。そうそう、あれね。


 前にデートした時は買い物もして、彼の欲しいものを買って、映画も観て、彼の好みになるように私の洋服まで選びに行ったんだったわ。そしたら彼ったら綺麗なワンピースだけじゃなくってそれに合わせる靴や下着まで選んでくれたんだった。言葉少なくても照れながらでも選んでくれる彼の姿が可愛かったな。それ着て彼の前で見せてあげたらその後すごく盛り上がっちゃったしね。彼ったら私のこと大好きね。


 今度もそれで彼のこと喜ばせてあげよう。


 今から日曜日がホント楽しみね。


「ねえ、さっきからスマホでなにしてるの?」

「ああ、これ? なんか一言返せば全部やってくれる人いてさ。返信返してた」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ