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偽りの微笑みと、君を想う夜に  作者: Avelin


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2/17

夜の廊下で見たものは――

同居生活、初日の夜。


喉が渇いて廊下に出た俺は、

隣の部屋で“ありえない光景”を目撃してしまう。


イケメン同僚の相馬優。


その正体を知るきっかけになったのは――

ほんのわずかな扉の隙間だった。


引っ越し作業もようやく終わった。

ダンボールの山を前にして、俺は思わず息をつく。


「……ふぅ。やっぱり男同士だと気楽だな」


そう口にした途端、すぐ横からクールな声。


「勝手に部屋に入るなよ」


相馬 優はいつも通りの無表情。

けど――その心の中では。


(これで冷蔵庫にケーキ入れられる♡)

(アクセサリーも置き場確保♡)


……なんて考えているとは、このときの俺は知る由もなかった。


「なあ、洗濯機は交代で使おうな」


「……俺の洗濯物には絶対触るなよ」


「潔癖症かよ、お前」


「葵、俺のシャツにアイロンまでかけろ」


「はあ!? なんでだよ!」


気づけば、漫才みたいな掛け合いになっていた。

これ、本当に共同生活になるのか……?



ひとまず部屋の片づけを終え、俺はベッドに倒れ込んだ。



「……やっぱり男同士だと気楽だな」


天井を見上げながらつぶやく。


女の子相手なら気を遣うこともあるだろうけど、優は“男”だ。


無駄に気を回す必要はない。


(飯は適当でいいし、風呂も気にせず使えるし……)


(よし、これで今月はギリギリ生き延びられる……)


財布事情が改善することに、ちょっとだけ安心した。



……その頃、優の部屋では。


(明日の仕事帰りに、新作のチョコケーキ買おう♡)


(あとは、この前のピアス……給料日待たずに買えるじゃん♡)


鏡の前でクールな顔を崩さないまま、頭の中はスイーツとアクセでいっぱいだった。


――そんなこと、俺が知るはずもなく。



「よし……寝るか」


軽い気持ちで布団をかぶる。

明日からの同居生活がどんなものになるのか、

まだ全然想像もしていなかった。



その夜。


喉が渇いて目を覚ました俺は、コップを持って廊下に出た。


暗い廊下にポツンと灯る明かり。

優の部屋の扉が――わずかに開いていた。


(……ん?)


そこから、かすかな鼻歌が漏れてくる。


……女みたいに柔らかい声で。


(……ん?……女の声?)


気になって、そっと扉の隙間を覗いた。


そこにいたのは――俺の知っている“イケメン同僚”じゃなかった。


長い髪をほどき、鏡の前でスキンケアをしている女。


夜の灯りに照らされて、白い肌がまぶしく光っていた。


指先はしなやかで、キャミソールの肩紐からのぞく鎖骨があまりにも色っぽい。


(……え? 誰だ、この女……)


思わず目を疑った。


だけど――鏡越しに見えた顔は。


間違いなく、相馬優だった。



(……まじ、か……!?)



俺の心臓は暴れるみたいに跳ねた。

呼吸が荒くなり、コップを落としそうになる。


慌てて自分の部屋に飛び込み、背中を壁に預ける。


全身が熱い。頭が混乱する。



「……嘘だろ。アイツ……女だったのか……?」



震える声でつぶやきながら、布団に潜り込んだ。


心臓はバクバク、理性が警報を鳴らしっぱなし。



――この夜から、俺の同居生活はただの節約どころじゃなくなる。



俺の理性を試す日々が、今まさに始まったのだ。


ここまで読んでくださってありがとうございます。


まさかの美女モード。

そして「理性を試される日々」の始まり。


もし「続きが気になる」と思っていただけたら、

ぜひブックマークで応援してもらえると、とても励みになります。


次回――さらに踏み込んだ同居生活。

俺と優の距離が、じわじわ近づいていく……?


どうぞお楽しみに。


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