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プロローグ 最強を目指す珍道中 ー始まりー

 舞台は天外の者達から異世界と言われている場所の王都。聖なる水に長閑な街、その中心に凛々しく聳え立つ城。

 その中で天空の神の導きによって一際目立つ存在になったのが僕、サシス・ルーウェル。なにせ神の使いみたいなもんだからね。この世界じゃ一人もいないから、隣国から「異常者」って言われて罵られている。まぁ別の意味もあるんだけどね。

 _聖なる導きの一幕。神と僕と僕の下僕(勝手に言ってるだけ)の由緒正しき?物語。これから歴史に語られるのであれば、もっと堂々と淀みのないものにしたかった_だが...


 「ルーウェル!!」


 _僕の描く物語に相応しくない程の下賤っぷり、陽気さ、無邪気さ...


 「き、来やがったか_ゼウス様__」

 「会いたかったぜ〜!!ルーウェル〜!!!!」


 そして、興奮状態の神様が僕に触れたら_


 「...あっ、」

 「あれ程触れるなと...言ったでしょうが_」


 何故か天界とやらに送り出される。


 「ご、ごめんなルーウェルッ!!すぐ現界に戻してやるッ!!!!」

 「もう戻ってますよ。」


 でも、流石は全知全能の神ゼウス様。一瞥を受けたときに数秒の間に、同じような力を付与していた。だから現界には自力で戻ってこれる。


 「あ、そういえば初めて会った時に工夫を施したんだった。」

 「ったく、相変わらず忘れるの早いですねぇ_でも、感謝してますよ。醜き族の処刑から救ってくれて_」

 「_家族は救ってやれなかったが、神が干渉できる時に君を除いたら、すっかり気に入っちゃってな!」

 「神様らしいですね。あ、あと、家族全員も貴方が蘇生したから生きてますし_それを含めて感謝してるってことです。」

 「あ、そうだった!」


 どれだけ忘れっぽいんだ...この人......


 「それで、国のトラブルの方は_」

 「もう解決しました。」


 顔。


 「魔物も_」

 「倒しました。」


 ちょ顔!!


 「はやっ!!」


 アンタのお陰なんよ!あとその「えぇっ...!?!?」って感じのオーバーリアクションやめろ!


 「ゼウス様のご加護のおかげです。」

 「あ、そっか。」


 年寄りでもそんなに忘れんぞ...


 「お〜い神様!ルーウェル様〜!!」


 おや、僕の下僕(向こうが勝手に言ってるだけ)が任務から帰ってきたようだ。長い髪と胸を靡かせているのはカササギ。武術に長けた魔法を使う特殊なエルフ。近くのダンジョンを探索してたら悪魔憑きに取り憑かれてたみたいで、それを取り除き、勝手についてきた美人さん。


 「おっ!鶴くんだッ!!」

 「そ、その呼び方やめてくださいゼウス様...ということで、戻って参りました!カササギですッ!」

 「鵲さん、今日も元気良いね...羨ましい!」

 「って!どこ見てるんですかルーウェルさん!!」

 「べ、別にやましいことは考えてな_」

 「フッ!!」

 「ぐはぁぁぁっ!!」


 鵲さんの拳_日々の疲れた身体に効くッ!!(ルーウェル 変態レベル1から2にLevelUp!)


 「鵲〜!そこで何やってる〜!ってルーウェル様!?どうして地べたに打ち付けられて...まさかまたお前がァ?」

 「仕方ないじゃないですか_いくら恩人様とはいえ下劣な目で見られるのは嫌なんですよ!!」

 「ルーウェル様はそういう御方だ!どんな所業でも耐えなければ、完璧な下僕にはなれないのだぞ!?_そうですよねっ!ルーウェル様!!」

 「お、おう...そうだぁ_!なんか決めつけられてる感が否めないけどその通りだぁ_!」


 この律儀な下僕は最強の剣の使い手、剣士レウォル・デール。この世界の伝説に記されている、死神が宿る剣、「古傷(ハロス)の剣(クシポス)」を相棒として飼いならしているという人並み外れた才能と実力を持っている剣士。僕と同じ処刑をされるところを助け、勝手についてきたイケメン。なんか羨ましい...


 「そういえば、任務に行く前「話したいことがあるから早く終わらせて」って言ってましたけど...なんでしょうか?」


 お、鵲さんから言ってきたか_


 「そういえば言ってたな〜!」


 相変わらずアンタは忘れっぽいな_


 「気になります!!超が無限に付く程気になります!!」

 「か、顔が近い_」

 「あっっ...!!す、すみませんっっっ!!申し訳ございませんっっ!!なんとお詫びすれば宜しいでしょうか_」

 「いいよ謝らなくて!」


 コホン!_僕は、昔っから夢見ていることがある。世界最強でありながらも人を守れるような人になるという夢を_無理だって思う人がいるかもしれない...真っ向から否定して襲い掛かってくる輩もいるかもしれない...でも僕は、その夢を叶えたい。

 自分は酷い仕打ちを散々受けてきた_どこか違うからって、種族が違うからって罵倒を浴びせられた。でも、僕はそんなことされても気にしなかった。寧ろ他の人がなんにもされなかったから嬉しかった。そこにゼウス様が現れて、昔の夢を再起させてくれた。

 神の力を使ってるからセコいと思うかもしれない。けど、これが僕なりのゼウス様への恩返し。神の力を存分に使って化け物から人々を守る!困ってる人が居たら助ける!悪人が居たら改心させる!そして世界最強になる途轍もない時間を要する目標を達成する!!それも仲間が居るから大丈夫!なんとかなる!!

 だから皆、お願いだ!力を貸してくれ!!


 「「「了解!」」」


 この了承は嘘偽りの無いものだった。ゼウス様、鵲さん、デールさんの真っ直ぐな瞳...真っ直ぐな声...皆を犠牲にしてしまう罪悪感もあったけれど、こんなに必死にやろうとしようとする三人を見ると、やるっきゃないなと思う。


 「三人の思いは絶対に無駄にしない!!」

 「俺もお前のその思い、無駄にさせねぇよっ!!」

 「私も!」

 「僕もです!!」


 この先どんな困難が降り掛かろうと、僕達は挫けず立ち向かう!!人を守って世界最強にな_


 「あ_」


 また天界に飛ばされちゃった_


 「「ルーウェル様〜!!」」

 「今助け_」

 「だからもう戻ってるって。」

 「良かった〜!」


 多分僕は神の掌で踊らされながら人を守って世界最強になるんだろうな_忙しや忙しや。

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