AOI 第50話
久しぶりのマリカに、時間を忘れてしまっていた。2人で、時計を見て、やべってなって
あわてて、ストーブを消して、こたつを消して、お茶のコップをシンクに、そして2人で、
「ストーブの火よーし。」
「窓、鍵よーし。」
と、笑いながら小さい頃からしていた指差し確認をして、笑いながら、しーっと口の前で人差し指を立てながら、階段を登って、おやすみーと言って、各々の部屋に入った。のびをして、ベッドに。冷えた足に電気シーツの暖かい事。携帯の目覚ましをセットして、塾グループのLINEを開く。
(さっちゃーん。)
(さっちゃん!)
(あれ、寝た?)
(…寝…た?)
くすって笑って、何か返信しなきゃと思いながら、まぶたが重くなり、現実なのか夢なのか頑張って返信をしている私がいるけど、無理なのか、さちは眠気に勝てませんでした、さちは寝ますと、心で思いながら、深〜い深〜い眠りについてしまいました。
7時、目覚ましできちんと起きた。すぐに階段を降りて居間へ。弟の部屋の前を通ったけど、音もしないから、まだ、寝てるいるな。
「おはよー。」
と、居間のドアを開けた。台所に立っている母が、振り返って私を見ながら、
「おはよー。」
と、言ってくれた。こたつに直行。こたつを満喫しようとしていたら、母に、弟を起こしてきてくれと頼まれた。また、ひんやりとする廊下に出るのかと足取り重く、弟の部屋のドアをノックした。弟が、
「…はぁ〜い……。」
とまだ、寝ていたいオーラの返事が返ってきたが、夢の中にいるような返事に聞こえてきたので、もう一回、弟の部屋のドアをのっくして、1回目より強く数も多くノックした。
「はい、はい、わかった、わかった。起きる、起きる。」
と、返事が返ってきた。よし、これで起きる、大丈夫と、確信して階段を降りた。おばぁちやんがいる時は、弟をそのまま寝かせておくけど、いない時は、母は、仕事に行く前には必ず起こして朝ごはんを一緒に食べるようにしている。家の暗黙のルールのひとつである。私は、最近、あれあれ?もしかして、という感じで見ていて知っていった。弟は起こされる側なので、私より早くルールを知っていたと思う。私は、そのまま朝食の配膳係と化した。動きながら、やっぱり眠いな。遅くまで起きていた事に少し反省しつつ、寝不足の頭で味噌汁の分量、ご飯のそれぞれの分量を考えながら、よそっていった。こたつのテーブルに並べ終わった頃に、弟が、笑える寝癖で入ってきた。もどるのかなと、2度見してしまった。弟も私の視線に気づいたのか、頭を右手でかいて、あーぁと言った。出かける前は、シャンプーするようだなと思った。