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第97話

タイラントスネークから、逃げている冒険者達は森の出口付近までやってきた。

「お前達、全員いるな?」


「あぁ、なんとかな。けど流石にもう体力の限界だ。」


「どこかで休みたい」


「いくら魔法で強化されてるって言っても、ここまでぶっ通しで走らせられたから、もう脚が限界よ」


「見えた。もうすぐ森の出口だ。」


冒険者達が森を抜け、平原に飛び出した。

それを追うようにタイラントスネークも森から飛び出すのだった。





フライの魔法で浮き上がったレオン達は森へと向かう。

地上からはわからなかったが、上空から森を見るとそこには驚く光景が広がっていた。

森を破壊し、土埃を上げながら、巨大な何かがこちらへと向かっているのがわかった。


「なんだ!?アレ」


「土埃でよくわからないけど、ドラゴンの10倍くらいの大きさはありそうね。」


「酷い。森をあそこまで破壊するなんて」


「急ぎましょう。」



3人はスピードを上げ、森の近くまでやってきた。



「見て、何か森から飛び出したわ。」


「あれは人?」


「巨大な何かも森から出てくるみたいよ。」

レオン達は400メートルくらいはありそうな巨大な蛇が森から出てくるのを目撃した。


「何?あの巨大な蛇」


「きっとあれが例の目撃された魔物ね」


「ということは、あの人達は森を調査しに行ったっていう冒険者達か?」


「とりあえず、蛇に追いかけられてる人達を助けましょう。」




タイラントスネークから逃げていた冒険者達だったが、身体強化の魔法が切れてしまい、地面に倒れ込んでしまった。


「くっ、ここまでか」


冒険者達に追いついたタイラントスネークは冒険者達を喰らおうと睨みつける。

「オレ達はここで死ぬのか?」

「イヤー」

「ここまでか」

「クソ」

「嫌だ」

「死にたくない」

「うわぁー」

「すまない。みんな」


冒険者達は死を覚悟し、目を瞑った。






タイラントスネークが冒険者達に襲い掛かろうとした瞬間、雷鳴が轟いた。


「サンダージャッジメント」


その雷撃を浴びたタイラントスネークは、声を上げ、体勢を崩した。


「いくわよ」


「あぁ」


「「双翼天翔剣」」

レオンとティアは連携技

2人は息を合わせ、鏡のような動きでタイラントスネークに連続切りを行う。

2人の勢いに押され、タイラントスネークはバランスを崩し倒れ込んだ。




死を覚悟した冒険者達であったが、雷鳴と何かが倒れ込んだような大きな音に目を開けると、そこにはタイラントスネークが倒れ込んでいたのだった。


「なんだ?一体、何が起こった?」


そして3人が空から舞い降りた。


「君達は?」


「私達は冒険者パーティ『自由の風』です。」


「自由の風?そうか、君達があの」


レオンは疲れ果てている冒険者達を見て、回復魔法をかける。

「リザレクション」


「これは回復魔法?体が軽い。」

「凄い。さっきまでの疲れが吹っ飛んだ。」


「ここは私達に任せて、早く逃げて下さい。この先に王国騎士団がいます。そちらと合流して下さい。」


「だが君達だけでは」


「心配いりません」


「そうそう早く逃げてくれないとあたし達も本気出せないからさ」


「わかった。ここは任せる。そうだ、君達に伝えておかねばな。こいつはタイラントスネーク、文献によると氷が弱点だそうだ。」


「わかりました。」


「君達も気をつけて。みんな行くぞ。」


「了解」


冒険者達はミレーナ達がいる方角へと走り出した。

冒険者達が離れたタイミングでタイラントスネークが起き上がった。


「流石にこの大きさだとサンダージャッジメントもあまり効果はないか」


「我が名はティア・スカーレット 契約の元、現れよ。ウンディーネ」

ティアはウンディーネを召喚した。


「これはまた大きな蛇ですね。」


「ウンディーネ、よく冷静でいられるわね?」


「まぁ、年の功というやつです。」


「まぁいいわ。ウンディーネいくわよ。」

ティアは水の精霊剣を作り出す。



「みんな準備はいい?全力で行くわよ。」


「あぁ」


「OK」


3人は間合いを取り、一斉に攻撃を仕掛ける。


「アルカナ流奥義 蒼流烈空刃」


「精霊剣奥義 聖凰水龍斬」


「アブソリュートゼロ」


3人の攻撃を受けたタイラントスネークは氷漬けにされていた。


「倒したのかな?」


「流石にアブソリュートゼロ食らって生きてる魔物なんて、ブリザードドラゴンくらいだって」


「なんか呆気なかったわね。」


そうしていると氷漬けにされたはずのタイラントスネークが動き出した。


「えっ!?あたし達の魔法が効いてない!?」


「2人とも左!!」

レオンの言葉でタイラントスネークの尻尾が迫っていることに気付いた2人は咄嗟に攻撃をかわしたのだった。


「危なかった。」

「こんなに大きいのになんてスピードで攻撃してくるの?」


「アルカナ流奥義 『雷光蒼龍破』」

レオンが奥義で対抗するが、あまりダメージは与えられていなかった。


「アルカナ流奥義が効いてない?なんて化け物なんだ。」


「「レオン!!」」


タイラントスネークがレオンに巻きつこうとしたが、レオンは上昇して、その攻撃をかわした。


「危なかった。」


しかしタイラントスネークはレオンがかわすことを読んでいたのか、牙を剥いてレオンに襲いかかる。


「しまった」


ティアが放った無数の水の刃がタイラントスネークの頭に直撃する。

その隙にレオンはタイラントスネークから離れ、体勢を立て直す。


「2人ともありがとう。まさかこっちの攻撃中に反撃の準備してるなんて思わなかったよ。」


「厄介な相手ね」


「ティア、どうする?」


「どうするって言ったって」


「ティア、レオンあれ見て、何か尻尾立ててるんだけど」


タイラントスネークは尻尾を震わし始める。

とてつもない大きな音に3人は耳を塞ぐ。


「なんなのこの音!?」


「これは蛇の威嚇音?」


「耳が」


タイラントスネークは更に尻尾を震わせ、音が大きくなる。


「だったら音には音、ノイズキャンセル」

マリーの放った魔法により音がかき消された。


「マリー、あなた何をしたの?」


「音で音を打ち消したの」


「どういうこと?」


「簡単にいうと同じ力の衝撃波をぶつけて相殺したってこと」


「なるほど」


「そういうことね。」


「それよりレオン、回復魔法かけてくれない、耳が痛くて」


「わかった。ヒールサークル」

3人の耳の痛みが消える。


「なんかまたしてくる感じなんだけど」

マリーの言葉に3人が顔を向けるとタイラントスネークを見ると口を開け、光線を放ってきた。


「みんな避けて」


さらに上空に逃げる3人


「どうする?」


ティア聞こえるか、ボクを召喚しろ


「シルフ?わかったわ」


「我が名はティア・スカーレット 契約の元、現れよ。シルフ」

ティアにより、シルフが召喚された。


「マリー、アイスブリザードって使えるか?」


「使えるけど、アブソリュートゼロが効かなかった相手に効かないと思うんだけど」


「タイラントスネークに氷の攻撃が効かないのはやつの鱗が鉄壁の鎧になってるせいだ。まずはそれを壊す。」


「どうやって?」


「ティアは風の精霊剣奥義『爆凰風龍波』、レオンは風神爆流破、マリーはアイスブリザード、その3つを合わせて、攻撃するんだ。」


シルフの言葉にウンディーネがティアの剣から出てきた。


「シルフ、あの技を使うつもりですか?」


「ウンディーネ、やつを倒すにはそれしかないってわかるだろ?」


「ですが」


「ウンディーネの言いたいことはわかる。これまで多くの人間達が使おうとして失敗してきた。だけど精霊のボクが入れば問題ない。」


「確かにそうですけど、ぶっつけ本番は流石に無茶ですよ。」


「大丈夫だよ。こいつらなら」


「シルフ、合わせろって言ったって、タイミングとかわからないわよ。」


「ボクは3人なら出来ると思って言ってだけどな。まさかティアは出来ないの?」

シルフは舐めたような目でティアを見る


「ふーん、やってやろうじゃない!」


「その意気だ。行くぞ!!」


「ねぇレオン、なんかティア、シルフに乗せられてない?」

「そうだね。」


「そこボサっとしないで」


「「はい」」

ティアの言葉に素直に従う2人だった。


「風の大精霊 シルフよ、我が剣に」

ティアはシルフを剣に宿し、風の精霊剣を構える。


「レオン、マリー、準備はいい?」


2人は頷く


「行くわよ。精霊剣奥義『爆凰風龍波』」


「アルカナ流奥義 『風神爆流破』」


「アイスブリザード」


3人の攻撃が合わさり、巨大な氷の暴風が生まれた。

それはタイラントスネークを包み込み、タイラントスネークの鱗を破壊していく。


「鱗は破壊出来たみたいだけど」


「あまりダメージ与えた感じではないよね。」


「いえ、鱗という鎧が無くなったので剣技も魔法も効くようになりました。ただ今まで以上にこちらに襲いかかってくるでしょうから、気を引き締めて下さい。」


「わかったわ。ウンディーネ」


「ウンディーネの言う通りなら、氷魔法も効くはず、フリージングブレス」


マリーの氷魔法を受けたタイラントスネークは尻尾をマリーに叩き込む。


「えっ」


ティアはマリーの手を引き、間一髪のところで尻尾による攻撃を避けたのだった。


「マリー、大丈夫!?」


「ティアありがとう。助かったよ。」


「2人とも大丈夫!?」


「なんとか」


「でも迂闊に攻撃出来なくなったわね。」


3人がタイラントスネークを見ながら、次の手を考えているとタイラントスネークの額のクリスタルが輝き出した。


「何だ?」


「何か光ってるけど」


何かを感じたレオンは2人の前に出る。


「2人ともオレの後ろに」


タイラントスネークの額から赤い光線が発射され、レオン達を襲う。


「アルカナ流 第8の奥義 聖龍護光陣」


レオンが繰り出したアルカナ流奥義により、赤い光線は拡散され、それが地面に当たり、平原に無数の巨大な穴が空いた。


「なんなの?今の」


「もしレオンが防いでくれなかったら、私達があんな風になってたの?」


「ティア、マリー、オレに考えがあるから、援護よろしく」


レオンはタイラントスネークに向かって飛んでいく


「ちょっとレオン!?」


「あぁ、もう、アイススピア」


「仕方ないわね」

ティアが剣を降り、風の刃を飛ばす。


そして2人もレオンに続く。


ティアの風の刃とマリーの魔法により、タイラントスネークの注意をレオンから逸らすことに成功した。


レオンに地面に立ち、剣を逆手で持つ。


「アルカナ流 第4の奥義 砕破崩龍陣」


レオンは地面に剣を突き刺し、奥義を放つ。


レオンを中心に地面が割れ、タイラントスネークはバランスを崩した。


「くらいなさい、風神雷光剣」


「今回はどう?アブソリュートゼロ」

ティアとマリーがタイラントスネークに攻撃する。

アブソリュートゼロによりタイラントスネークの巨大な体が凍り始める。


「これで決める。アルカナ流 第5の奥義 雪華氷龍刃」


レオンは冷気を纏った剣をタイラントスネークに突き刺し、上空まで斬り上げる。

フライの魔法によって、斬り上げるスピードが増し、攻撃の威力が上がっていた。


「どうだ?」

地面に着地したレオンは剣を構え直す。


3人の攻撃を受けたタイラントスネークは沈黙していた。


「何かしてくるかもしれないから、みんな油断しないで」

 

それから数分が経過

そしてタイラントスネークは沈黙を破り、頭を上げ、大きな咆哮を上げた。

レオン達に緊張が走る。

しかし、アブソリュートゼロにより全身が凍りつき、タイラントスネークは絶命したのだった。


「やった。」

戦いに勝利したレオンは片膝をついて、息を整いていた。


「ちょっとレオン、無理しないで」


「そうだよ」

空から降りてきた2人はレオンに文句を言う。


「ごめん」


「でもありがとう。レオンがいなかったら、死んでたわね。私達」


「ありがとう、レオン」


「オレも2人に助けられたし、お互い様だよ。」


「タイラントスネークの額のクリスタルからあんな攻撃してくるなんて、よく気付いたわね?」


「いや気付いたというか、前にも似たようなことがあったからさ。反応するのが遅れて、こっちに飛ばされて、記憶喪失になってしまったから。」


「なるほど」


「でもあんな攻撃だとは思わなかったけど」

レオンは辺りに空いた巨大な穴を見つめる。


「たしかに」


「でもまぁこれでシルヴァスタ村への脅威は無くなったし、ミレーナちゃんも守れたわけだし、一件落着だね。」


しかし、マリーの言葉にレオンとティアはなぜか暗い表情になってしまった。


「どうしたの?2人とも」


「いやタイラントスネークって、もしかしなくてもドラゴンと同じかそれ以上の脅威だよねって思って」


「そうねレオン。確かタイラントスネークって…………」

ティアの表情が暗くなる。


「どうしたの?ティア」


「私達、これから大変なことになるわね」


「ねぇティア、大変って何が?」


「マリー、今、思い出したんだけどね、タイラントスネークって何百年も前にも倒されたのよ。」


「私達の他にも倒した冒険者いたんだ」


「えぇ、かなりの犠牲者を出してね」


「ん?犠牲者?」


「そう」


「えーと、もしかしなくてもあたし達またやっちゃった?」


「それ以上、言わないで」


「あー、どうしてこんなことに」


タイラントスネークという脅威を倒した3人だったが、これから自分達にふりかかるであろう面倒事に頭を抱えるのだった。


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