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第88話

レオン達はエミリーをエミリーの自室へと運び、ティアとマリーが血のついた服を着替えさせ、ベッドに寝かせた。

ティア、マリー、ミレーナがエミリーの目を覚ますのを待っていた。

それから2時間後、エミリーが目を覚ました。


「エミリー、気がついた?」


「あれ、私、ミレーナ様を庇って、それで」

エミリーがミレーナを見る


「ミレーナ様、ご無事ですか?」


「私は大丈夫、エミリーお姉ちゃんは大丈夫?」


「私は…」

エミリーは斬られた背中を確認しようとするが、これと言って変わった様子はない。


「怪我ならレオンが治癒魔法で治してくれたよ。傷とかも残ってないし」


「斬られたはずなのに痛みがなかった理由はレオンさんが治してくれたからですか」


「ミレーナ様、私を助けようとしてくれてありがとうございます。」


「マリー先生にね、魔法は誰かのために使うんだって言われたから」

その言葉にマリーはミレーナの頭を撫ぜた。


「ところでレオンさんは?お礼を言いたいんですけど」

エミリーは部屋を見渡すがレオンの姿はない。


「レオンにあなたを運んでもらった後、部屋から出て行ってもらってたの。男に見られたら困る物があるといけないから。」


「いえ、見られて困る物は放置してませんから」

なぜかティアとマリーを見るエミリー


「それじゃあ、レオン呼んで来るわね。」


「はい」

ティアが逃げるようにティアがレオンを呼びに行く。


セバスチャンもエミリーにミレーナのことを感謝したいと言われたので部屋に一緒に入った。


「エミリー、目が覚めてよかった。」


「レオンさん、ありがとうございます。」


「エミリー様、この度はミレーナ様を助けていただきありがとうございます。」


「いえ、そんなことは、元々は私が巻き込んだようなものですし」


「それはエミリーのせいじゃないから。」


「あの男が全て悪い。」


「それに捕まったわけだし、もう気にしなくていいよ。」


「はい」


「じゃあ、レオンとセバスチャンさんはそろそろ部屋を出てもらおうか?乙女の部屋に長居するのはアレだよ。」


「ああ、そうだね。」

「そうですね。エミリー様ありがとうございました。」


2人は部屋から出て行った。




そして事件があった翌日

エミリーはレオンの治癒魔法で治ってはいるが、念の為、自室のベッドで寝かされていた。


「エミリーお姉ちゃん大丈夫?」


「ミレーナ様、大丈夫ですよ。みなさんが大袈裟にしてるだけです。」


そうしているとドタバタと屋敷が騒がしくなった。

そしてエミリーの部屋の扉が開かれた。


「そなたがエミリーか」


「はい、そうですけど」


「お祖父様、急にどうしたんですか?」


「おぉミレーナよ、孫娘の命を身を張って守ってくれた恩人に感謝を伝えに来たのだ。」



ティアとマリーが後から部屋にやってきた。


「国王陛下、今、エミリーは寝てるんですよ。」


「そうですよ。乙女の部屋に入るのはデリカシーが足りないです。そのうちミレーナちゃんにも嫌われますよ。」


「お前たち、今は国王ではなく祖父として来ているのだ。」


「だったら尚更ダメですよ。」


「お祖父様、感謝ならまた後でお願いします。今はエミリーお姉ちゃんの回復が先です。」


「わかったミレーナよ。エミリー、孫娘を救ってくれて感謝する。正式な感謝はまた後日させてもらおう。」


そうして国王陛下は部屋から出て行った。


「全くお祖父様は」

「まぁ仕方ないよ。もしエミリーが庇わなかったら、ミレーナちゃんが斬られてたわけだし」

「大切な孫娘の恩人だからね。」



「あのもしかして今の人って」


「この国の王様よ」


「ですよね。ところで正式な感謝って言われたけど、私ってこれからどうなります?」


「…………」


「…………」


「ちょっと、ティアさん、マリーさん、そこで黙らないで下さいよ」


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