第87話
マリー達は買い物を終えて、屋敷近くまで帰って来ていた。
「屋敷の前に馬車が止まってるけど、お客さん?」
「誰かしら?」
馬車の横を通り、屋敷の庭に来るとそこに人影があった。
「誰か来てる…の?」
マリーの目の前には、ミレーナの手が真っ赤に染まり、エミリーは背中を斬られて倒れており、男が持つ剣から血が滴り落ちている光景が広がっていた。
「エミリー!!」
即座に魔法で男を吹き飛ばす。
「リザレクション」
マリーの後ろにいたレオンは即座にミレーナとエミリーに完全治癒魔法をかける。
レオンとセバスチャンはミレーナとエミリーに駆け寄る。
「ミレーナ様、お怪我は?一体何があったのです?」
「エミリー!」
レオンはエミリーの容態を確認する。
意識はないが息はしており、傷は治癒魔法により完治しつつある。
「私を守ろうとして、あの人がエミリーお姉ちゃんを」
「ミレーナちゃん、エミリーに治癒魔法かけたから、大丈夫だよ。」
マリーは男を睨みつける。
「よくもエミリーを!!」
「クロスバインド!」
男が逃げないように魔法で拘束する。
「体が動かない。お前、僕に何をした!?」
「魔法であなたを拘束した」
「何?拘束だと?お前わかっているのか?僕は貴族なんだぞ」
「貴族?あぁ、あなたがエミリーをストーカーしてた男か」
「ストーカー?違うね。彼女は僕の物だ。僕の物をどうしようが僕の勝手だろ?」
「エミリーはあなたの物じゃない!」
「いいや、僕の物さ」
「じゃあ、なんでエミリーを殺そうとしたの?」
「躾さ。彼女が僕の言うことを聞かなかったのが悪いんだ。」
「もう話すだけ無駄だね」
マリーは俯く
「だったら、早くこの拘束を解くんだ。貴族である僕にした罪は重い。万死に値する」
マリーは手を男に向け、睨みつける
「死ね、アブソリュートゼロ」
マリーは魔法を発動した。
当たれば一瞬にして体を凍結させ、相手を即死させる上級氷魔法
「マリー、やめなさい!!」
ティアが男を吹き飛ばして、マリーの魔法を防いだ。
「ティア、邪魔しないで」
マリーはティアを睨みつける。
そしてマリーは男に向け、もう一度、魔法を発動させようとする。
「やめなさいって、言ってるでしょ!!」
ティアはマリーの頬を思いっきりひっぱ叩いた。
「ティア!!邪魔しないでって言ってるでしょ!!」
マリーがティアをひっぱ叩こうとするがティアに止められる。
「マリー、ダメ。ミレーナちゃんの前よ。」
マリーはその言葉にハッとする。
「ごめん。あたし頭に血が昇ってた。」
「いいわ。私もひっぱ叩いてごめん。」
誰かが呼んでくれたのか、衛兵がやってきた。
しかし「僕は貴族だ」と言い、対応に困っていた。
レオンもエミリーが殺されかけたことにキレていたようで、騒いでいた貴族の男に剣を突き立てる。
「エミリーが庇った女の子は国王陛下の孫娘、ミレーナ様だ。貴族なら、この意味がわかるよな?」
レオンの言葉に衝撃を受け、貴族の男は静かになった。
セバスチャンが衛兵に説明し、貴族の男は連行されていった。




