第83話
そして翌朝
「おはよう、レオン」
「マリー、おはよう。ここ、どこだっけ?」
「昨日、貰ったお屋敷でしょ?寝ぼけてるの?」
「あぁそうだった。」
「ティア、朝だよ。」
「あと50時間」
「……」
「フライ」
「えっ、何、浮いてる?」
「起きた?」
「ちょっとマリーやめてよ」
「はいはい」
マリーがティアをベッドに戻す。
「さて朝食食べて冒険者ギルドに行こうか?」
「マリー、普通に起こしてよ」
「ティアは普通に起こしても起きないでしょ?」
「まぁまぁ」
冒険者ギルドに着いたレオン達
レオン達は受付嬢をしているサーシャ・ハリスに声をかけた。
「すみません」
「あっ、レオンさん達じゃないですか?聞きましたよ。エメラルドドラゴンとアースドラゴンの討伐の話」
「やっぱり噂になってます?」
「もちろん、ティアさんはあの硬いアースドラゴンを真っ二つに、マリーさんは10人以上いないと出来ない魔法を1人で使ったとか、レオンさんはその……」
「オレはなんです?」
「港を守りつつ、主人を待っていた番犬だと」
「よし、その噂流した人を捕まえる依頼出していいかな?」
「その無理ですね。ミレーナ様ですし」
「だからミレーナちゃん、どうしていつも」
レオンは膝から崩れ落ちた。
「ちょっと相談があるのだけど、話聞いて貰えるかしら?」
「では、あちらで伺いますね。」
ティア達は屋敷について話した。
「ドラゴン討伐の褒美にお屋敷を貰ったけど、広すぎて管理出来ないということですね。」
「そうなのよ」
「それにあたし達、冒険者だから留守にすることもあるし」
「誰か良い人いませんかね?」
サーシャは悩んだ様子で提案する。
「その私の後輩なんてどうでしょうか?」
「サーシャさんの後輩ですか?」
「その彼女、訳あって受付嬢辞めようとしてて、次の就職先も見つかっていないんです。」
「その訳って?」
「そのストーカーと言いますか」
「ハァ?」
「女の敵ね」
「それでお強いみなさんの近くにいれば、安心かなの思いまして、もちろん仕事は真面目ですし、料理や掃除も得意なんです。」
「一度、その彼女と話してみても?」
「はい、すぐに呼んできます。」
サーシャがギルドの奥へと消えていき、その後輩を連れてきた。
「お待たせしました。」
「ちょっと先輩なんなんですか?」
「いいから」
「あれ?この子たしか」
「その節はすみませんでした。」
サーシャの後輩はレオン達を見て頭を下げた。
「あー、あの時の新人の子」
「紹介しますね。私の後輩のエミリー・クラネスです。」
「どうも」
エミリーが軽く会釈をした。
「そのサーシャさんから話は伺ってるわ。良かったら、うちで働かない?」
「先輩!?」
「ごめん、でも大切な後輩だから、少しでも安全なところで働いて欲しかったの」
「先輩、わかりました。それで仕事っていうのは?」
レオン達は屋敷について話した。
「その一度見せてもらってもいいですか?」
レオン達はサーシャとエミリーを連れて屋敷に帰ってきた。
「すご〜」
「ですね」
「中を見せてもらってもいいですか?」
レオン達は屋敷を案内した。
「ざっと、こんな感じなんだけど?」
「そうですね。私としては問題ない仕事量だと思います。」
「じゃあ」
「すみません、今住んでるところからだと、ここまでの往復に時間がかかってしまいます。」
「そっかー残念」
「まぁ仕方ないよ。」
「通勤の時間とかもあるから、住み込みも考えないといけないわね。」
その一言にエミリーが反応した。
「ティアさん?」
「何?」
「住み込みで働いてもいいんでしょうか?」
「えぇ、部屋はたくさんあるし、あなたさえよければだけど」
「じゃあ、ぜひお願いします。」
「いいの?」
「実はその、後をつけられて、住んでるところがバレそうになったんですよね」
「すぐに来なさい」
「大丈夫、大丈夫、そんなストーカーなんて、ドラゴンに比べたら余裕だから」
「ところでそのストーカーってどんな人なの?」
「その…………貴族なんです。その人」
「貴族?」
「私に一目惚れしたみたいで、愛人にしてやろうとかなんとか言ってきたり、仕事終わる時間に待ち伏せされたりとか」
エミリーが苦い顔をする。
「大丈夫よ。エミリー」
「そうそう」
「そうだね。うちで働いてくれたら安心かな。オレ達、王族のミレーナちゃんに懐かれてるし、人身売買組織壊滅の時に、多くの貴族様達が後ろ盾になってくれてるから、下手に手は出してこないと思う。」
「みなさん、ありがとうございます。私、一生懸命頑張ります。」
「レオンさん、ティアさん、マリーさん、エミリーのことをよろしくお願いします。」
サーシャが頭を下げてお願いする。
「任せて」
「安心して下さい。」
「最悪、ミレーナちゃんから国王陛下にうちに来る迷惑な貴族がいるって言ってもらうし」
サーシャはエミリーに話しかける。
「エミリーよかったわね。レオンさん達なら、きっと守ってくれるわ。」
「先輩ありがとうございます。」
「いいわよ。可愛い後輩だもの」
そうして住み込みで働き始めることになったエミリー
だが彼女への魔の手は消えていなかった。




