第82話
受賞式を終えたレオン達はミレーナに誘われ、お茶をしていた。
「まさかお屋敷が貰えるなんてね」
「そうね、宿代が浮くわね」
「ということは1人一部屋で寝れるんだよね?」
「何言ってるの?レオン」
「ベッドは一つに決まってるじゃん」
「やっぱりそうなるのか、というかティア、よくアングラ坑道への立ち入り許可なんて思いついたね?」
「ウンディーネがね、言ってくれたのよ
「なるほど」
「ねぇティアお姉ちゃん、アングラ坑道になにかあるの?」
「そこに土の大精霊がいるかもしれないの。ただ許可を貰わないとそこに行けなかったから悩んでたのよね。」
「大精霊ってウンディーネさん以外もいるんだ」
「そう、ガストバレーで風の大精霊シルフと契約してきたの。」
「シルフさん、見てみたい」
「いいわよ」
「我が名はティア・スカーレット 契約の元、現れよ。シルフ」
「よぉ、ティア、ボクを呼び出して、なにかようなわけ?」
「えぇ、ミレーナちゃんがあなたに会いたいんだって」
シルフはミレーナを見る
「この子か、ボクは風の大精霊 シルフよろしくな。」
「はじめまして、シルフさん、私はミレーナ・ミストレアです。よろしくお願いします。」
「おぉ、こんなに小さいのに、ティア達とは比べ物にならないくらい礼儀正しい。」
「ねぇシルフ、私達に喧嘩売ってるの?」
「ミレーナちゃんは王族だからね、礼儀正しいのは当然というか」
「王族、なるほどねぇ、あとティア、喧嘩は売ってない。事実を言っただけ」
「もしかして、使えないって言ったこと、まだ根に持ってるの?」
「なぁ!」
「あれ?図星?」
「何を言ってるんだティア?ボクは大精霊、そんな小さなことは気にしない。」
「シルフさんとティアお姉ちゃんって仲良しさんだね。」
「…………」
「まぁ、仲良しかな?ねぇシルフ?」
「まぁそうだね。」
ミレーナちゃんには大精霊でも敵わないのかもしれないと思うティアであった。
「そうそう、忘れてた。マリー先生、宿題ちゃんと出来たよ。」
「宿題?」
「あー忘れてる。花火の魔法」
「えっ、ちょっと待って、出来たの?本当に?」
「うん、じゃあやってみるね」
ミレーナは手のひらの上に花火の魔法を作った。
「嘘でしょ?あたしだって数年かかったっていうのに」
「どう?マリー先生」
「凄いよ。ミレーナちゃん」
2人は喜び合っていた。
それを眺めていたシルフはティアに問いかけた。
「おい、ティア」
「何?」
「このミレーナ嬢ちゃんって何者?」
「国王陛下の孫娘」
「ちげーよ、そうじゃなくて」
「マリーの教え子?弟子?かしら」
「なるほど」
「ん?」
「キミたち、本当に世界征服とか企んでないよね?」
「そんなわけないでしょ?」
「じゃあ、アレはなに?」
シルフはミレーナの魔法を指差す
「アレって花火の魔法でしょ?」
「確かに見た目はね、でも中身はとんでもない魔術の集合体なんだよ。」
「へぇー、そうなの?」
「何、その反応?」
「マリーの魔法しか知らないから私」
「なるほど、よーくわかった。」
「何がわかったのよ」
「キミたちはおかしいってことさ」
「ねぇやっぱり喧嘩売ってる?」
そうして話しているとドアがノックされた
「ミレーナ様、少しよろしいでしょうか?」
「シルフ戻って」
「あぁ」
ティアに指輪にシルフが戻る
「なーに?」
「自由の風の皆様が与えられたお屋敷へとお連れしようと思いまして」
「そういえば、貰ったけど、場所まで聞いてなかったわね。」
ミレーナの執事セバスチャンに連れてこられた場所は貴族達が住む豪邸が立ち並ぶところだった。
「ここが『自由の風』の皆様に与えられたお屋敷でございます。」
そこにはレオン達が想像するより遥かに立派な大豪邸があった。
「えっと」
「これは」
「一体?」
「では中をご案内致しましょうか?」
レオン達は後をついて行く。
広い庭にエントランス、大広間、キッチン、客間、ベッドルーム、お風呂場、トイレ、ダイニングなどなど、レオン達の想像を遥かに超える数の部屋があった。
「本日からここは皆様のお屋敷になります。掃除など全て終わらせてありますので、すぐに使えます。御満足いただけましたでしょうか?」
「満足すぎると言いますか」
「お屋敷の不満なんて1つも出てこないんですけど」
「明らかにデカすぎませんか?これ」
「いえそんなことはありません。上位種のドラゴンを討伐した功績を考えると、これくらいのお屋敷でないと他の貴族様達から不満が出てしまいます。」
「わかりました。」
「あの質問いいですか?」
「はい、なんでしょうか?」
「この屋敷の管理って、私達だけでは流石に無理なんですけど、どうしたらいいですかね?」
「そうですね。冒険者ギルドまたは商業ギルドに依頼するのがよろしいかと思います。信頼の出来る方を紹介していただけますよ。」
「そうなんですね。行ってみます。」
そしてセバスチャンは案内を終えて帰って行った。
「ねぇあたし、もっと小さい家だって思ってたんだけど」
「私もよ」
「広すぎて落ち着かないなぁ」
「とりあえずご飯食べに行こう」
「そうね」
「そうだね、いろいろありすぎて、早く寝たい。」
3人はご飯を食べて、屋敷に帰るなり、すぐに寝てしまった。




