第68話
ジョーリはエクスプロージョンを間一髪で避けることが出来た。
「手加減したとはいえ、避けるとは流石、王立大学の講師だね。」
「な、なんだと?上級火魔法を無詠唱で発動しただと?」
「はい?何言ってるの?無詠唱なんて当たり前でしょ?」
「なに?」
「ならこれならどう、タイダルウェーブ」
津波がジョーリを襲う。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
ジョーリは息を切らしているが、なんとか耐えたようだった。
「そろそろ時間だね、じゃあこれで最後にしようか?」
マリーは手を掲げ、上空に雷雲を作り始める。
「この魔法はまさか雷上級魔法の…」
雷雲から雷鳴が轟き始める。
「サンダージャッ」
マリーが魔法を発動させようとした瞬間
「烈空翔破斬」
「風神爆流破」
2人の奥義により、雷雲は消え去った。
「なっ!」
「はぁ、はぁ、間に合ってよかった。」
2人は急いで来たため、肩で息をしていた。
「ちょっとティア、レオン、今いいとこだったのに、何、邪魔してくれてんの?」
「マリー、あなたこの人、殺す気なの?」
ティアがマリーに詰め寄る。
「大丈夫でしょ?この人、王立大学を首席で卒業したって言ってたし、あたしとは魔法のレベルが違うとも言ってたから」
レオンは座り込んでいるジョーリに話しかける。
「あのー、大丈夫ですか?」
ジョーリが立ち上がり
「わたくしはこれで失礼する」
と言い残して、どこかへ行ってしまった。
「あっ、行っちゃった。」
レオンはその後ろ姿を眺めていた。
「ちょっと聞いてるの?マリー」
「ごめんティア、あたし、そろそろミレーナちゃんに魔法教えないといけないから、もう行くね。」
「あぁもう」
出発日の前日まで何事もなく、マリーはミレーナに魔法を教えるのだった。
「ありえない。杖もなく、指輪もなしに無詠唱で魔法を使うなど、絶対にありえない。」
「しかも最後に使おうとした魔法は優秀な魔法使いが10人以上集まらないと発動不可能なサンダージャッジメントではないですか、一体どうやって」
ジョーリは与えられた大学の部屋で1人呟いていた。
ミレーナに魔法を教える最終日
「マリー先生、この1週間ありがとうございました。」
ミレーナはマリーに頭を下げる。
「気にしなくていいよ。あたしも魔術書読ませてもらったし」
「マリー先生、戻って来たら、また教えてくれる?」
「そうだね。じゃあミレーナちゃんに宿題出しておこうか?」
「宿題?」
「そう、ミレーナちゃん、手を出して」
ミレーナは手を出し、マリーはその手に自分の手を重ねる。
そしてミレーナが魔法を習いたいと言い出した花火の魔法を発動させた。
「ミレーナちゃん、この感覚わかる?」
「うーん、複雑すぎてわからない。」
「じゃあ、これが宿題。あたし達が王都に帰ってくるまでに出来るようになったら、ご褒美に美味しいお菓子をプレゼントしよう。」
「約束だよ。マリー先生」
「うん、約束。じゃあ、またね、ミレーナちゃん」
こうして1週間に及ぶマリーの魔法授業は終わったのだった。




