第63話
『自由の風』の3人はノースラディアから王都ミストレアまで戻ってきた。
「冒険者ギルドに行って、カインさんに問題解決したって言いに行こうか?」
「そうね」
「嘘を言うのはなんか嫌だけど、仕方ないよね」
「そもそも精霊なんてみんな知らないわよ。」
「そうだよね。元々は神様でした。しかもティアと契約してるなんて言えないよね。」
「そんなこと言ったら、間違いなく宗教の信者達が何か言ってくるわよ。きっと」
そうして、3人は王都の冒険者ギルドまでやってきた。
レオンが受付嬢にカインとの面会を申し込む。
「すみません。ギルドマスターのカインさんに会いたいんですが」
「申し訳ございません。面会は事前」
そう言いかけたところを別の受付嬢が手で口を塞ぐ。
「すみません。レオンさん、この子まだ入ったばかりの新人でして」
その新人の子は口を塞がれモゴモゴ言っていた。
「ちょっと先輩、何するんですか?」
「何するんじゃないわよ。この人達は冒険者パーティ『自由の風』のレオンさん、ティアさん、マリーさんよ。知ってるでしょ?」
「えっ!?、うそ!?、この人達が!?」
「あはは」
レオンは苦笑いするしかなかった。
「名前は知ってましたけど、顔は知らなかったので、わかりませんでした。申し訳ございません。」
新人の子が頭を下げる。
「いや気にしないで、顔知らなかったら仕方ないよ」
「レオンさん、すみません。今確認して来ますので」
「はい」
「レオンさん、お待たせしました。こちらへ」
そうしてレオン達はカインと面会することになった。
「カインさん、この前の依頼の件なんですが」
「どうなった?」
「鳥型の大きな魔物が霧を発生させていたみたいなんです。襲って来たので、倒そうと思ったんですけど、飛んで逃げられてしまいました。」
「そうか」
「はい」
「で、お前さんら、何を隠しておる?」
レオン達はその言葉にドキリとする。
「何も隠してなんか」
「嘘じゃな」
「どうして嘘だって言うんですか?」
「お前さんら、目が泳いでおるぞ」
「えっ!?」
3人は正直に話すことにした。
「実は………」
大精霊のこと、世界に危機が迫ってると言うことをカインに話した。
「信じられん話じゃな。」
「ティア?ウンディーネ召喚して、直接話してもらったら?」
マリーが提案する。
「そうね」
「我が名はティア・スカーレット 契約の元、現れよ。ウンディーネ」
そしてウンディーネが召喚される
「ティアさん、どうしました?」
「それが水の大精霊 ウンディーネか!?」
カインが驚いた顔をしていた。
「こちらの方は?」
ティアが事情を説明した。
「なるほど。ですが、もう信じているみたいですよ?」
カインの方を見る。
「信じるしかあるまいて。目の前で見せられてはのぉ、ウンディーネさんや、静寂の泉におったそうじゃが、それは水が関係しているからかのぉ?」
「そうですね。精霊は澄んでいる場所を好みますので」
「ということは他の大精霊がいそうな場所はその属性に関係してる可能性は高そうじゃな。」
「カインさん何か心当たりあるんですか?」
「そうじゃな、東にあるイーストラディアの街よりさらに東に言ったところに風が常に吹き荒れているガストバレー、西にある街ウェストラディアの南にある地下5階にも及ぶアングラ坑道、南の街サウスラディアの東にある火山 クリムゾンインフェルノ山かのぉ」
「行ってみる?」
「そうね」
「すまんかったのぉ。お前さんらにも事情があったにも関わらず、問いただして」
「いや、そんなことは」
「ただ、アングラ坑道に行くには、国王の許可がいるんじゃよ」
「許可?」
「そうじゃ。あそこは王国の管理下になっておるんじゃ。なんでも地下5階まで掘った時に、かなり古い時代の剣やら盾、当時使われていたであろう通貨が出て来てのぉ」
「もしかすると、それはドワーフ族の地下帝国の後かもしれませんね。」
「ウンディーネ、ドワーフ族って?地下帝国って?」
「小人で屈強な外見をしている種族です。鍛治や工芸を得意としていました。彼らは地下に帝国を築いて、繁栄していたのですが、あの大戦時に絶滅してしまいました。」
「ドワーフ族に地下帝国、歴史研究している王立大学の人間が聞いたら、大変なことになるじゃろうな。」
「ねぇ、ティア、そのこと話して許可貰う?」
「マリー、そんなことしたら、根掘り葉掘り聞かれて、精霊探しどころじゃなくなるわよ」
「そうだよね。アングラ坑道にSランクの強力な魔物でも出ればなぁ。そうすれば私達に依頼来て、精霊探し出来そうなのに」
「流石に都合よく行かないわよ。」
「じゃあ、ミレーナちゃんにお願いする?」
「マリー、ミレーナちゃんが許しても、他が許してくれないよ。むしろ、めちゃくちゃ理由聞かれると思う。」
「だよねー」
「先に他の2つに行ってみましょう。」
「ウンディーネありがとう。戻って」
「はい。では」
ウンディーネは光になりティアの指輪へ戻る。
「この歳にもなって、いろいろ知ることになるとは長生きはしてみるものじゃのぉ」
「お前さんら、気を付けて行くんじゃよ。街のギルドマスターには手を貸すように連絡しておくからのぉ」
「ありがとうございます。カインさん」
「そうそう、大精霊のことなんじゃが、お前さんらが話せる時が来るまで、わしは黙っておくから安心せい。」
3人は冒険者ギルドを後にした。
「どっち先に行く?」
「そうね、東のガストバレーに行ってみましょうか?」
「そうだね」
そうして話していると3人の前に馬車が止まった。
「マリー先生!!」
「ミレーナちゃん!?」




