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第59話

宿に戻った3人

椅子に腰掛け、レオンが話しかけるのを待つティアとマリーだったがレオンは黙ったままだった。


「……………………」


「レオン、無理に話さなくてもいいのよ。」


「そうだよ。記憶戻ったばっかりだしさ」


「ごめん、大丈夫だから」


「それならいいのだけど」


ようやくレオンは2人に語り出した。

「聞いて欲しい、オレがどうして、あの遺跡に飛ばされたのかを」


2人はレオンの話に真剣に聞き始めた。


「オレはアーク島のエリン村で生まれたんだ。

その島には他に4つの村があって、島の中心にガイア遺跡というのがあるんだ。

ガイア遺跡の一番最深部は聖域と呼ばれていて、毎年、交代でその聖域を守る『選ばれし者』を1人選ぶ。

守るって言っても、ただ見回りするだけだけどね。

それに選ばれると1年はいろいろ優遇して貰えるから、みんなからラッキーだなって言われたりするんだ。

で、今年はオレが選ばれた。お前は強いからって理由で

オレがいつも通りに見回りしていたら、聖域に何かの詠唱を唱える銀髪の女性がいたんだ。

島の人のほとんどがオレと同じベージュブラウンっていうの?そんな髪色だから、この島の人間じゃないってすぐにわかった。

聖域には選ばれた人間しか入れないから、何をしているのか聞いたけど、何も答えない。

聖域に居させるわけにはいかないから、威嚇のために剣を構えた。

まぁ何も抵抗する気がないなら、命まで取ろうなんて思ってないし、そのまま村に連れ帰って、なぜ聖域にいたのか訳を聞くつもりだった。

そしたら、上級風魔法で攻撃してきた。

こっちもアルカナ流剣術で対抗したけど、全くの無傷で驚いたよ。

そしてあいつは時空魔法を使ってきたんだ。」



「レオン、時空魔法って古代の魔法でしょ?」

マリーが話を遮って、レオンに問いかけた。


「こっちではそう聞いたけど、村では時空魔法がどんなものかは聞かされていたから」


「レオンは時空魔法使えるの?」

ティアがレオンに聞く。


「いや全く、村に魔術書はあったけど、古代文字らしくて、何書いてるのかさっぱりわからなかったし、村の人も使えない。」


「時空魔法の魔術書ってあるんだ。」


「で、その時空魔法をアルカナ流剣術で防ごうとしたけど、間に合わなくて、気付いたら、記憶を無くして、カーム遺跡にいたってわけ」

レオンの話が終わる。


「他にオレに聞きたいことある?」


「レオン、アーク島の場所ってわかる?」


「わからない。」


「島の周りって海なんでしょ?誰か島の外に行った人いないの?」


「そういえば、昔、村の漁師達に聞いたことあるな。もっとたくさんの魚を取ろうと沖に出ようとした漁師達がいたらしくて、島から離れたら、急に海が荒れ出して、舟が沈んだって、それ以降、漁師達の間ではタブーなんだって言ってたな。」


「アルカナ流剣術ってレオン以外も使えるの?」


「島の人の全員使えるよ。この島に生まれた者は小さい頃から覚えさせられるから。」


「小さい頃から…」


「最初会った時、オレが魔物を知らなかったことに驚いてただろ?あれ記憶喪失とかじゃなくて、島にも海にも魔物がいなかったからなんだ。」


「魔物がいないってどういうこと?」


「わからない。今頃になって驚いてる。オレの故郷って一体なんなんだ?」

レオンの表情が暗くなる。


「レオン大丈夫?」

「ティア」

「少し寝た方がいいわ」


「ありがとう。そうする」

そしてレオンはベッドで横になり眠ってしまった。




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