第5話
ギルドにやってきた3人は受付嬢に話しかけていた
「少々お待ちください」
「ところでギルドマスターってどんな人なんです?」
「脳筋」
「筋肉バカ」
「えっ!?」
2人から辛辣な言葉が出たことに驚くレオン
「冒険者としての実力を見てやるからって、Eランクだった私達に本気でくるし」
「多重にかけた防御魔法をただの拳で破壊してくるしね」
「よく私達生きてるわよね」
「そうだね〜」
どこか遠い目をしながら話すティアとマリー
「え〜と」
「まぁ冒険者としては元Sランクだし」
「戦闘に関しては尊敬出来るんだけど」
「「ただ、言動がね〜」」
3人が喋っていると、2階からギルドマスターが降りてきた
「ティア、マリー、そこにいるのが例の坊主か?」
「えぇそうよ」
「立ち話もあれだ、あっちで話そう」
応接室に通される3人
「とりあえず座れや」
「オレはここのギルドマスターやってるヴァルフレア・ブライトだ」
「レオン・アステールです」
3人はギルドマスターに事情を説明した
「なるほどね、魔法陣が現れて、それが爆発したら、その坊主が倒れてたと?」
「はい」
「レオンくん、記憶も無くしちゃってるみたいでどこから来たのかもわからないみたいなんですよ」
「まぁ出来る限り調べといてやるよ」
「ありがとうございます」
レオンは頭を下げる
「で、坊主はこれからどうするんだ?」
「2人に甘えてばかりもいられないので、僕も冒険者になろうかと」
「なら、オレが実力を見てやるよ」
「「ちょっと何言ってるんですか?」」
ティアとマリーが大きな声をあげる。
「なんだよ?」
「ギルドマスター手加減しらないじゃないですか?」
「私達、それで死ぬ思いしたんですからね?」
「それはお前達に才能があると思ったから、本気を出したまでだ」
「でも限度ってありますよね?」
「いや〜楽しくなってきてな。つい」
「その『つい』で私達死にかけたんですが」
「いやあの時は悪かったと思ってるからよ。」
「あっ、これ絶対思ってないね」
「そうね」
「別にオレは戦いから言ってるんじゃねぇ。お前達と行動を共にするってことはDランクの依頼も受けるだろ?もしこいつに実力がなかった場合、庇いながら戦えるか?」
「それは…」
「この先、何があるかわからねぇ。だからオレが見極めてやるって言ってんだ。何、実力が無ければ訓練すればいいだけだからな」
ギルドマスターがティアとマリーのことを心配しているのがわかったのだろう。2人は黙ってしまった。
冒険者ギルドの裏にある訓練場に連れて来られたレオン達
「坊主、武器は持ってるのか?」
「いえ」
「そうか、そこにいろいろあるから、自由に選んでくれ」
「はい」
「じゃあこれで」
レオンが選んだのは両手剣
「よし、やるか」
「はい」
「どこからでもかかってこい」
「行きます」
そしてレオンは消えた。
「くっ」
レオンの斬撃を受け止めるヴァルフレア
「素人じゃない動きだな。一瞬で間合いを詰めた上でこの斬撃、相当な実力を持ってやがる」
「坊主いやレオン、ちょっと待ってな」
一時中断し、ヴァルフレアは冒険者時代に使っていたガントレットに装備し直す
「こいつはブリューナクっていう冒険者時代に使ってた武器だ。レオン、本気で来い」
「はい」
2人の戦いをティアとマリーは観戦していた。
「ねぇティア、レオンくんってもしかして相当強い?」
「そうね、一瞬で間合いを詰めて攻撃してる」
「ティアってあれ見えてるの?」
「そうだけど」
「私、レオンくんが一瞬見えなくなる時があるんだよね」
「私は目では追えてるけど、体が反応出来るかと言われると無理ね」
「おいおい、ギルドマスターが戦ってるぞ」
その声に2人が振り向くと
冒険者達がレオンとヴァルフレアの戦いを見に集まってきた。
「なんだよ、あの少年の斬撃」
「ちょっとギルドマスターの腕よく見て」
「おいおい、ブリューナクじゃねぇか、アレ」
「マジか、なんなんだアイツ?」
「ティア、マリー、あの子と知り合い?」
「はい、私達の仲間でレオンくんって言って」
レオンに冒険者の視線が注がれていた。
一方、戦いを繰り広げている2人はというと
「やるじゃねぇか」
「そっちこそ」
「そろそろ終わりにしようや」
「そうですね」
「全力でこい」
「行きます」
お互いの攻撃がぶつかり合う。
しかしレオンの持ってる剣が衝撃に耐えきれず折れてしまった。
「すみません、剣が」
「なに、かまいやしねぇよ」
Sランクに匹敵する剣の腕の持ち主か、しかしまぁ、とんでもないやつを2人は連れてきたもんだとティアとマリーを見つめるヴァルフレアであった。
試合を終えたレオンにティアとマリーは駆け寄る。
「レオンくん、怪我してない?」
「大丈夫だった?」
心配そうな目でレオンを見つめる二人
「二人とも大丈夫ですよ。」
「無事でよかったわ」
ホッとするティア
「というか、なんでブリューナク持ち出してるんですか?」
「もしレオンくんに何かあったらどうしてくれるんですか?」
2人はヴァルフレアに詰め寄る。
「いやな、最初の一撃で相当強いってわかったからよ、こいつの実力がどれほどのものか気になってな」
「これだから脳筋は」
「これだから筋肉バカは」
「オレ、ギルドマスターなんだが」
「「それとこれとは話は別です」」
「レオン、お前、相当この二人に気に入られてんな」
「あはは」
再び応接室に連れて来られたレオン達
「レオンの実力もわかったし、そうだな、ギルドマスター権限でティアやマリーと同じDランクにしとくか」
「いいんでしょうか?」
「実力だけなら、Sランク、Aランクでもいいんだが、他の冒険者から文句が出そうだからな。わかってくれ」
「わかりました」
「ギルドカードを発行しとくから、明日取りに来てくれ」
「それとティア、マリーこれを受け取れ」
「なんですか?このお金」
「レオンに対する詫びだと思ってくれ、それでレオンに見合うだけの剣を手に入れろ」
「どうしてです?」
「レオンの実力じゃ、武器の方が先にダメになっちまうだろうからな」
「わかりました。でもレオンくんに見合う剣って、どこで手に入れたらいいんですか?」
「そうだな、鍛治師のマグナスを紹介してやろう。あいつなら、お前に合う武器を出してくれるさ」
レオン達が冒険者ギルドから出て行った後
「おい、ヒルダ来てくれ」
「なんでしょう?ギルドマスター」
ヒルダ・オースター
ギルドマスターの秘書をしている女性
「ちょっと調べて欲しいことがあるんだが」
「魔法陣の件ですね。魔法に詳しい冒険者に依頼しておきました。」
「流石、うちの秘書さんは仕事が早くて助かるよ」
「お褒めに預かり光栄ですわ。」




