第43話
ミレーナのお願いで一緒に夕食を食べることになった。
「改めて礼を言わせてもらおう。これは国王ではミレーナの祖父としてな。ミレーナを助けていただき感謝する」
「いえ、私達は当然のことをしたまでですので」
「しかし、ミレーナがあそこまで懐くとは珍しい」
「そうなんですか?」
「ミレーナには悪意がある人間がわかるようでの、そういう人間には一線を置くんじゃよ」
「ミレーナちゃん、好き嫌いはダメだよ」
「私、ニンジン嫌い」
「じゃあ、ニンジン食べれたら、あたしがとっておきの魔法見せてあげるけど、どうする?」
「うーん」
「どうする?」
「食べる」
ミレーナは嫌いだったニンジンを食べた。
「お姉ちゃんこれでいい?」
「ミレーナちゃん偉いね」
「ミレーナちゃん、口にソースが付いてるわ。じっとしてて」
ティアはミレーナの口を拭く
「はい綺麗になったわよ」
「ありがとうティアお姉ちゃん」
「ねぇ早く、お姉ちゃんのとっておきの魔法見せて」
「よーし、ではご覧に入れましょう」
マリーは魔法で水の球体を作り、その中に色とりどりの花火を打ち上がらせた
「綺麗」
「ミレーナちゃん、まだ終わりじゃないよ?」
マリーは水を氷に変化させ、花火を立体化させた
「すご〜い」
「懐かしいわね。昔、孤児院で見た花火が忘れられないって言い出したのがきっかけだっけ?」
「そうそう、魔力操作の練習にはちょうどいいんだよね。これ」
「ねぇ、マリーお姉ちゃん」
「なに?」
「私にもこれ出来る?」
「練習すれば出来るようになると思うけど、かなり大変だよ。」
「私やってみたい」
「ちょっと確認してからでいい?ミレーナちゃんに魔法を教えてもいいでしょうか?」
「ミレーナがやる気になっているんだ。是非ともお願いしたい」
「じゃあ、教えるね。ミレーナちゃんは魔法って使ったことある?」
「ないよ」
「じゃあ手を出して」
マリーは自分の手をミレーナに重ねる
「ミレーナちゃん、これが魔力なんだけど、わかる?」
「なんか暖かい」
「じゃあこの魔力を手のひらに集めてみようか」
「集めるのってどうやるの?」
「じゃあ、まず私が手本を見せるね」
マリーがミレーナの手のひらに魔力を集める。
「手のひらが熱い」
「これが魔力の集め方、ミレーナちゃんもやってみて」
「うん」
「もう少し」
「お姉ちゃん、手のひらが熱くなった」
「次は手のひらの上に水をイメージしてみて」
「なんかよくわからない」
「こんな感じのをイメージしてみて」
マリーは小さな水球を作り出す
「わかった。やってみる」
水を作り出すことは出来たものの、水球にはならずに下に落ちてしまった。
「…」
「お姉ちゃん出来なかった」
「ねぇミレーナちゃん、もう一度やってみてくれる?」
ミレーナはマリーに教わったことをやってみたが水球にはならずに下に落ちてしまった。
「また失敗」
涙目になっているミレーナ
「凄いよ。ミレーナちゃん。初めての魔法でここまで出来るなんて」
「えっ?」
「私なんて水を出すだけでも1ヶ月くらいかかったもん、ミレーナちゃん、魔法の素質ありすぎだよ。」
「じゃあ、次は火魔法やってみる?手のひらじゃなくて指先に魔力を集めて、ろうそくの火をイメージする感じで」
ミレーナは指先に魔力を集め、火魔法を発動させる。
「お姉ちゃん出来たよ」
「ミレーナちゃん。凄い。じゃあ次はね、」
マリーはミレーナに教えるのが楽しくなって、マリーが知ってる全ての魔法を教えた。
「いい?ミレーナちゃん。魔法はね、日々の練習の積み重ねなの。毎日練習すれば、その分、上手くなるから」
「わかりました。マリー先生」
「先生?」
「だってマリーお姉ちゃんは私の魔法の先生だから」
「そっか」
数年後、ミレーナが天才魔法使いと呼ばれるようになるのだが、それはまた別の物語




