第10話
「待っとうたぞ」
「こんにちは。マグナスさん」
「こいつがお前さんの剣『シルフィード』じゃ」
「ありがとうございます。凄い、手に馴染む」
「ワシにかかれば当然じゃよ。だがな、完全なミスリル製じゃないからのぉ、お前さんが全力を出せば、おそらく、砕け散ると思った方がいいぞ」
「わかりました。」
「まぁSランクやAランクの魔物でも相手にせんかぎり、大丈夫だろうて」
「ありがとうございました」
3人は工房を後にする。
「じゃあ早速、討伐依頼でも受けてみる?」
「えっ?」
「レオンくん、さっきから使ってみたいって顔してるよ」
「そんな顔してました?」
「「うん」」
冒険者ギルドにやってきた3人
「時間的に平原にいるボア討伐にしとく?」
「その方がいいわね。」
「じゃあ、これにしましょう」
「あっ、3人パーティになったんだから、パーティ名の登録しないと」
「あのパーティ名って?」
「メンバーが3人以上だとパーティの名前を登録出来るんだ。この街だと『紅蓮の絆』が有名かな?」
「パーティ登録しておくと受注範囲が広がるのが利点ね。護衛任務とか複数のパーティによる討伐依頼とかね」
「じゃあ早速決めよう」
「そうね、頭文字をとって、レテマとか?」
「ダサい」
「マリーは何かいいのある?」
「マリーと愉快な仲間達は?」
「愉快なのはマリーの方でしょ?」
「なにをぉ」
かれこれ30分経過
「決まらないわね」
「もう後で考えようよ」
「そうですね」
「依頼の受注してくるわ」
「はい」
依頼を受注し平原に向かう
「それじゃボア討伐に出発〜」
「あっいたいた」
「じゃあレオンくん」
「はい」
レオンはシルフィードを抜き、構える
「レオンくん、いっけー」
風が吹いたかと思ったら、ボアが真っ二つに切り裂かれていた
「凄い切れ味だ、ティアさん、マリーさん、この剣凄いですよ。」
「凄いね。レオンくん」
「そうね」
「あっ、もう1匹来たよ」
「行ってきます」
次々ボアを討伐していくレオンを見ながら、2人はこれからのことを考える。
「ねぇティア、レオンくんってさ、私達と一緒にいていいのかな?」
「マリー、あなたもそう思う?きっとこの先、私達がレオンくんの足手纏いになる日がきっと来ると思う。」
「そうだよね」
「その時は」
「うん」
「あっ、パーティ名思いついたわ」
「何?」
「それはね、『自由の風』、パーティの理念は風のように自由であること」
「『自由の風』か、そうだね、いつかレオンくんは記憶を取り戻すだろうし、あたし達がレオンくんを縛りつけるのはダメだもんね。」
「それにレオンくんの実力なら、私達といるより、もっと活躍出来ると思うの」
「でもレオンくんなら、助けて貰った恩がって言って離れてくれなさそう」
「そうね。たまにレオンくんが尻尾を振ってるラッキーと被るのよね」
「それわかる」
2人は笑い合った。
ボアの討伐を終えたレオンは2人のところに戻ってきた。
「ティアさん、マリーさん、討伐完了しました」
「お疲れ、レオンくん」
「じゃあ帰りましょうか」
「レオンくん、パーティ名決まったよ」
「なんです?」
「それはね…………」
もしレオンくんが望むなら、私達はいつまでも………