第9話
泣き止んだティアを連れて冒険者ギルドまでやって来た3人
「おう来たな。こっちに来てくれ」
「まずはレオンのギルドカードだ。身分証にもなるから無くすんじゃねぇぞ」
「わかりました」
「それともう一つ、あの魔法陣についてだ」
「魔法に詳しいやつに調べて貰ったんだが、見たこともない術式だったそうだ。それで今、過去の文献にないか調べて貰ってるから、かなりかかりそうだ」
「すみません。大変なことを頼んでしまったようで」
「気にすんな。冒険者の安全を守るのもギルドマスターの仕事だからな」
「それで剣の方はどうにかなりそうか?」
「ギルドマスター、その件でお話が」
ティアが怖い顔をする
「レオンくんの実力知ってますよね?当然ミスリルが必要なことくらいわかってましたよね?それなのに加工料分しか渡さないってなんなんですか?」
一気にティアが捲し立てる
「あー悪い、オレはこれから大事な会議があるから、じゃあな」
気迫負けしたのか、ヴァルフレアはさっさと退散する
「あー逃げるなー」
「全く」
レオンはギルドカードを見つめていた。
これで僕もティアさんやマリーさんと同じ冒険者
とりあえず、一部屋取れる宿代を稼ごうと決意するレオンだった。
「剣の受け取りまでかなり時間があるわね。」
「よーし、それじゃお姉さんがレオンくんにこの街を案内してあげよう。」
マリーが意気込む。
「この街は4つのエリアに分けられてるの。北のエリアには人々が暮らす住居エリアなんだけど私たち冒険者はあまり行くことがないから、今は案内しなくてもいいかな」
「まずは東のエリアに行こうかそれから、南のエリア、最後に鍛治工房がある西エリアを案内するね」
「わかりました」
「この東のエリアは商業エリアで武器、防具、回復薬はもちろん、食品や衣服、生活用品とかいろいろ売ってるよ」
「へぇーいろんな物が売ってるんですね」
「レオンくん、物珍しいからって無駄遣いは禁物よ」
「ねぇティア、なぜ私を見ながら言うの?」
「『ねぇねぇティア、これ凄いんだよ。』『飽きたぁ』というのを何百回も聞いたわ」
「ティアさん、マリーさんの物真似上手ですね」
「なんか私バカにされてない?」
「無駄遣いはやめなさいって言ってるの」
「無駄遣いはしてるつもりはないんだよ。ただ結果として無駄遣いになったというだけで」
「レオンくん買う時はよく考えてね」
「次行くよ、次」
「ここは飲食店や宿、ギルドがある南エリア」
「冒険者の大半はここで生活してるわね。」
「ちなみにあの角にあるオシャレなカフェが私のオススメかな?」
「私はあそこのカフェの方が落ち着きがあって好きね」
「もうそろそろ午後になるし、鍛治工房がある西エリアに行こうか」
「西側は生産系のスキルがある人が集まる工房エリアだね」
「武器や防具はもちろん、日用品とかも作ってたりするから、作って欲しい物があればここで頼むといいよ」
「私達が使ってるバッグやポシェットとかもここで作って貰ったわ」
「お店で売ってる物だと痒いところに手が届かないんだよね。」
「へぇー、僕も何か作って貰おうかな?」
「レオンくんだとウエストポーチとかかしら?」
「あっ、マグナスさんの工房見えてきたよ」