表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おせっかい令嬢は悪役回避してハッピーエンドを目指します!~転生先は現代に似た財閥異世界!?~  作者: 星降る夜
第2章 小学校

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
93/182

93 輪投げ


 ”クルーズToday”


 クルーズ船の今日のスケジュール。


 毎朝そっと部屋の中に差し込まれている。今日は終日青森港に停泊。バスでのガイドツアーや、街中散策、ゴルフツアーなどイベントが盛りだくさんだ。


 船内に残る人にもイベントがあって楽しめるようになっていた。輪投げはロビー。


 あれっ?ビンゴ大会が追加になっていた。


 龍一郎君が頼んだのかな?


 輪投げにはお祖父様達も高島と千鶴も皆で参加する。


 「いってらっしゃ~い!!!」


 虎太郎君の大きな声で振り向けばデッキからお母様と下のバスに向かって手を振っていた。お父様がゴルフに出発されるみたいだ。


 仲良し家族の姿にほっこりすると同時に、いつか大きくなったら私もあんな家族を持ちたいなと思う。


 小説の中で虎太郎君は桃子ちゃんを好きになる。いつか将来、桃子ちゃんと仲良し家族を築くのだろうか?そう思うと少し心がズキッとした。


 こんな風に人の幸せを羨んだり悲しんだりしたらいけない。慌てて首を振った。


 「愛梨花ちゃん~~~輪投げに行くよね」


 虎太郎君が走ってくる。忠犬ハチ公みたいな虎太郎君に思わず笑顔で頷いた。もし将来そうであっても、今は今。大切にしていこう。


 「うん」


 笑顔全開で言うと、虎太郎君がいつものようにそっぽを向いた。



    ♢      ♢      ♢




 ロビーに降りると、いつになくがらんとしている。クルーの方が多い。


 ふふふ……


 つまり今この船は貸し切り状態なの。他のお客様は残っていなかった。


 豪華商品は皆で山分けだ。悪い笑顔が出ちゃう。なんたって全てクルーズ船オリジナル。


 私が狙っているのは、あのショップのロゴになっている水平帽をかぶったクマさんのぬいぐるみ。可愛いんだ。


 高島の側によると袖をクイッと引っ張った。いぶかしげに私を見る高島を見上げて、こてっと首を傾げた。


 「どうしましたか?」


 高島に屈んでもらうと耳に顔を近づけて小声で言う。


 「あの、クマさんのぬいぐるみが欲しいの」


 私が言うと高島は向こうに飾ってあるクマさんをみている。


 「あのクマですね。わかりました」


 力強く頷く高島に、一抹の不安を感じた。


 クマさんは輪投げのピン後方。少し高くなったステージに商品が飾ってあり、その真ん中に鎮座していた。


 高島はクマさんにロックオン。その様子に少し不安になった。


 最終目標はクマさんだけど、輪をピンに入れるとクマさんがもらえる。どの数字に何回入れたかで商品が違うんだ。クマさんは7のピンに3回入れないとダメだ。


 まさかクマさんに輪を投げないよね?


 さすがに、輪投げのルールぐらいは把握しているよね?大人なんだしね。不安は心の中にしまった。


 ふふふ……これで大丈夫と思うと、頬の筋肉が緩んで、にんまりしてしまう。パンパンと両手で頬を叩いて気合いを入れた。


 気合いを入れたぐらいでは、輪は飛んでいかなかった。


 つくづく、自分に輪投げの才能が無いのが恨めしい。どんなに頑張っても輪が1メートルぐらいしか飛ばない。


 虎太郎君に”愛梨花ちゃんは輪投げじゃ無い。輪落としになってる”と言われた。


 目標まで5メートルはあるの。絶対に無理!


 ところが、筋力があれば良いってものでもない事がわかった。高島は無駄に力があるせいか輪投げは全て目標を超えて遙か向こうまで飛んでいく。


 って言うか、商品棚のクマさん狙っていませんか?


 ああ~~~あ高島に頼むんじゃなかった。心の中で頭を抱えた。無駄な腕力に、無駄な筋肉つきすぎだよ……


 ルールわかっていないよね。オリンピック目指すんじゃ無いんです。


 意外にも、お祖父様達が上手だった。童心に返ってガンガンやっていたから私の輪も追加してあげた。”まだまだ若い者には負けんぞ”だって!


 お祖父様はワインをもらってご機嫌だ。


 狙っていたクマさんは龍一郎君がGET。さすがだ。


 私にくれようとするから、雪二郎君にお土産で持って行って下さいとお願いした。せっかく取ったんだから。


 龍一郎君も可愛いクマさん好きじゃないですか。趣味が一緒だと言う事はわかっているんです。


 それにしても、ビンゴも全然ダメでクリアファイルしかもらえなかった。ビンゴでビリってあったんだ……


 ちなみに高島は三等賞でクマさんのロゴ入りネクタイだ。これまた私にくれようとするからお断りした。


 しかし、愛梨花ちゃんのおへそは、もうすでにかなり曲がっていた。でも中身32歳なんで”こんなのいらない”とは言いません。


 ”高島に凄く似合うから嬉しい”と言って片目をつむったら、高島が石化した。面白い。


 またビンゴ大会するみたいだから神馬君兄弟が来たらまた参加するんだ。何回やっても運が悪い気がするけど。


 石化から何とか復活した高島が、”腕相撲大会なら負けません”と負け惜しみを言っていた。


 やってないから、腕相撲大会!


 ランチの後はプールでビーチバレー。お祖父様達はジャグジーで観戦。私もジャグジーが良かった。高島と私、虎太郎君と龍一郎君でチームを組む。


 さっきのむしゃくしゃした気分がおさまらず、高島にビーチボールをぶつけていたら”お嬢様、向こうに打つんですよ”と言われた。


 わざとぶつけていたのバレていないかな?


 へへへ……


 ジャクジーを見ればお祖父様達が手招きをしていた。そっと抜け出て、お祖父様の横でジャグジーに入っちゃった。


 脱出成功。えへっ!その後はのんびりとジャクジーからプールを見学していた。


 シャワーを浴びたら待っていたように虎太郎君のお母様にエステに誘われちゃった。


 今日はスイーツのお話で盛り上がり、私はどんなにパフェが偉大かをお伝えしたんだ。


 「パフェを食べるとスッキリするんですよ!」

 「まぁ、そうなの?新しい発見だわ!」


 虎太郎君のお母様は嬉しそうに言うとコロコロと笑い転げて”是非我が家の娘になってね”とお願いされちゃった。


 そんなに簡単に養子縁組はできない気がする。ここだけの話にとどめておこうと思った。虎太郎君がお母様取られちゃうような気持ちになったら悲しいもの。


 その後はお祖父様達と皆で夕焼けが綺麗なデッキで休んでいた。


 「お祖父様はのんびり出来た?」


 お祖父様は私の頭に手を置くと夕陽をバックに優しく微笑んだ。


 「ああ、こんな日も良いな」


 お祖父様はずっとお忙しかったんだ。これからはのんびりと過ごしていかれたら嬉しい。そう思うとお祖父様に近づいてくっついた。今日はくっつき虫なんだ。ふふ……


 まったりとしていたら、横で龍一郎君が絵はがきはお夕飯の後にしようねだって!


 スケジュールはきっちりとこなす派なのか……


 前世の知識だと夜はエンターテイメントショーがあるはず。


 しかし、お祖父様から防犯上の理由でエンターテイメントショーは無いよと言われました。


 そうなんだ、ふ~~~ん。


 なんだか、しょんぼり。


 「愛梨花ちゃん後でピアノ弾こうか?」


 龍一郎君にポンと肩を叩かれた。


 「本当!」


 思わず顔を輝かせて龍一郎君を見上げた、嬉しい。そう言えばロビーにはグランドピアノが置いてあった。


 龍一郎君のピアノ好きなんだ。虎太郎君のバイオリンも聞きたいと言ったら喜んでいた。


 単純な奴め。


 でもバイオリンはなかった。



 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ