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おせっかい令嬢は悪役回避してハッピーエンドを目指します!~転生先は現代に似た財閥異世界!?~  作者: 星降る夜
第2章 小学校

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87 もうすぐ夏休み


 「バカね、当たり前じゃない」


 昨日の事を北川さんに報告するとあきれたように言われた。


 でもいつか大きくなったら恋バナしたい。キャッキャッと騒ぎたいな。修学旅行の夜みたいにね!まだ早いかなぁ。


 「お前さ、夏休みに北海道の牧場に行かないか?」


 私の方へ来た神馬君がポンと頭に手を置いた。


 おさげを引っ張ることは無くなったんだけど、最近はこうやって頭をポンと軽く叩くんだ。たださえ小さいのに背が伸びなくなったらどうするんだ。手を払いのけながら顔を上げた。


 「んっ?誰と?」

 「うちの牧場があるから、良ければ来いよ」

 「ご家族からの招待じゃないと行けないと思う」


 我が家のお祖父様はうるさいのだ。お祖父様の都合もあるけれど、人付き合いが意外に狭い。


 「じゃ、兄貴に言っておくからな」


 何故神馬君のお兄様に言うのだろう?そこは、ご両親じゃないのか?疑問に思いつつも曖昧に頷いた。北海道は行きたいけれど、神馬君の家は気を遣いそうだから行きたくない。


 夏休みの件はお祖父様に相談しようっと。他の皆はどうするのだろう?


 前世で高校生の時に二学期が始まるとクラスの男子が真っ黒になっていた。話を聞くと自転車で東海道を走ったそうだ。その時に凄いなと思った。大学に入ったら自転車で日本一周をするんだと目を輝かせていた。


 夢があるって良いなぁ~~うらやましかった。


 何かに挑戦するなんて凄い。そう言えば私は自転車に乗れるのか?前世では乗れたからきっと大丈夫だと思う。


 軽井沢でサイクリングなんて素敵だ。冬休みは虎太郎君達と軽井沢に行ったんだ。虎太郎君は夏休みどうするのかな?


 小説の愛梨花ちゃんは海外に言っていたような気がする。もはや別のお話になってきているから。もうあまり小説の事は気にしなくて良いのかも知れないね。


 お夕飯の時に夏休みの話をお祖父様に切り出した。


 「愛梨花はどうしたいのかな?」

 

 実は日本一周がしたかったんだ。図書室で本を読んでいるうちに気が付いたんだけれど、この世界は微妙に前世と違っていた。戦争が起きていなくて、財閥が解体されていない事もあるし、歴史が少し違うような気がして、あちこち見て回りたかった。


 「あのぉ~、日本一周してみたい」


 自転車では無理なことはわかっているけどね!お祖父様は腕を組んで少し考え込んでいた。やっぱり無理なお願いだったかも。


 「えっと…歩きと、自転車以外で……」

 「んっ、ぐっ!」


 えっ?今、変な音がした。


 お祖父様が飲んでいたお茶を吹き出しそうになったみたいだ。大丈夫か?お年を召したって事?側にいた寺森が慌てて背中をさすっている。


 お祖父様は大丈夫だと言うように片手をあげた。年を取るとお餅でも喉に詰まらせるって言うから、ハラハラしちゃう。でもそんなに年を取っていないように見えるんだけどなぁ。


 「もちろんだ、わしもそこまでは出来んぞ」


 笑いながらお祖父様に言われた。取りあえず夏休みの件はお祖父様にお任せした。なんとかしてくれそうだ。




     ♢      ♢      ♢




 夏休みに入るとお稽古事も全てお休みになる。


 私はまた二学期から家庭教師の先生について勉強することになった。


 テストの点数が88点だったのが何故かお祖父様にバレてしまった。絶対に地主先生がチクったのだと思う。


 今日は今学期最後の空手教室で、虎太郎君達のお勉強も最後だから、顔合わせのためにテストの用紙を持って参加するように言われた。イヤなんだけれど仕方ない。


 皆にテストの点がバレちゃう。やっぱり100点にしておけば良かったのだろうか……


 あの神経質そうな家庭教師の先生に、皆に見えないように2つに折ったテスト用紙を渡した。”個人情報ですから”と暗に誰にも言うなと言うようにそっと渡した。


 皆気を遣ってこちらを見ないようにしてくれている。お兄様だけがあきれたような視線を私に投げていた。


 テストを見ていた先生がしばらくすると、メガネをふきながらかけ直した。


 隣にたっていた私と目を合わせる。


 「何故88点なんだ」


 げっ!個人情報だと言ったよね。慌てて先生の口を両手でふさいだ。


 「個人情報です」


 私が言うと気まずそうに私の手をどけてメガネを左手の中指であげた。


 「ああ、すまない興奮してしまった」

 「はい?」


 テストの点を見て興奮するなんて、変態以外の何者でもないじゃないですか。私は思わず先生から距離を取って一番離れた席に座った。


 「9月から一緒に勉強しましょう」


 先生はそれだけ言うと、また私のテスト用紙に視線を落とした。


 やっぱり勉強をし過ぎると何処かに支障が出るのかも知れない。


 なるべく距離を置こう。そう心に決めた。

 


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