表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/124

12 男心?を掴む方法


 いつも読んで下さりありがとうございます。明日は更新お休みになります。明後日の更新は午後になるかも知れません。


 千鶴に男心を掴む方法を聞いたら怒られた。何故?


 自分で考えるしか無い事がわかった。


 高島で実験済みの餌付け作戦をとることにした。


 名付けて”ここほれワンワン”作戦。特に意味は無い。


 まず手作りクッキーを作成。お父様に合わせてチーズとハーブ入りで甘くないクッキー。ワインやビールに合うと思うんだ。厨房のスタッフと考えたの。


 もちろんハート型。お手紙と一緒に帰ってきたら寺森に渡して貰う。


 初日は小さなハートのクッキーがたくさん入っているの。


 お手紙には”おとうさま、いつもありがとう。おしごとおつかれさまです。”とだけ書いておく。

 お返事は来なかった。


 2日目クッキーの数を半分にする。お手紙は初日と一緒だ。

 やはりお返事は無い。


 3日目大きめのクッキーを5枚入れておく。お手紙は一緒。

 お返事は来ない。


 4日目クッキーは1枚減らして4枚だ。お手紙も添えて、何だか段々悲しなってくる。

 やはり返事は無い。


 5日目クッキーは3枚にした。お手紙添えて。

 返事を期待するのは止めた。


 6日目クッキー2枚になった。最後の手紙を添えた。

 返事は無い。


 そして7日目についに真っ二つに割れたハートのクッキーを1つだけ入れた。

 ”THE END”


 さてお父様はどうするかな?昨日ついに割れたハートのクッキーを受け取ったはず。楽しみ!


 朝食を食べにダイニングに行くとそこにはもう男の人が座っていた。よれよれのシャツに無精ひげ、目に生気は無く目の下にクマ。


 誰これ?と思ってお母様を見ると口に指を当てて静かにと合図された。


 これ、お父様?病気?と思ってみていると私と目が合った。


 突然、椅子から降りて床に座ると私に向かって土下座をする。私が逃げようとするとガッシリとハグをされて小声でつぶやいた。


 「すまなかった……」


 後は泣き声になってしまっている。

 やり過ぎた!?


 助けを求めてお母様を見るとこちらに来てお父様をはがしてくれた。


 「お、おはようございます。お父様」

 「許してくれるかい?」


 そう言ってまた抱きしめてくる。イヤなんですけど。暑苦しいし。


 「お仕事しているお父様がかっこよくて大好きです」


 何とかお父様の腕の中から逃れるとお父様に言った。


 お父様が涙に濡れた顔をくしゃくしゃにして笑う。


 単純だ。だからハニートラップに掛るんだなぁ。


 「お夕飯一緒に食べたいです」


 お父様は頷く。


 「クリスマスも一緒に過ごしたいです」


 お父様はひたすら頷いた。


 「だからお仕事頑張って行って来て下さいね」


 お母様と目が合った。これで良かったんですね。お父様はやっと寺森に連れられて出て行った。


 お母様の話では一睡もしていないらしい。


 何があったのか根掘り葉掘り聞かれたけれど、心のこもったクッキーをあげただけだ。と答えておいた。


 お母様は今ひとつ納得していなかったけれど寺森もそうだとしか言わないので渋々許してくれた。


 本当に何もしていないもん!


 今日はクリスマス会の衣装が出来上がってきた。いよいよ明日が本番だ。


 衣装は打ち合わせの時と少し変更になっていて女の子はAラインのワンピースとスパッツになった。


 スカートが何枚にも重なっていて少しずつ丈が短くなっていて、そこにプレゼントをかたどったボンボンが付いている。踊ると動きが出て可愛いの。


 女の子はゴールドと赤、男の子はシルバーと青が使われている。


 ワンピースのウエストにはゴールドのリボンが後ろから見るとプレゼントみたいに結ばれているの。見頃には赤い刺繍でクリスマスツリーの飾りがついている。


 靴はプレゼントをイメージしていて、女の子は赤い靴に大きなゴールドのリボン、男の子は青い靴に大きなシルバーのリボンが付いている。


 そして帽子ではなくて、男女ともにお星様のカチューシャを付けることにした。男の子はシルバーの星、女の子はゴールドの星。


 素敵、素敵、とすみれちゃんとはしゃぎ回っていた。男の子達は少し引き気味でリボンが邪魔だなとか言ってる。邪魔じゃ無いから!


 西園寺虎太郎君のお母様に何回もクルクル回って見せていたら虎太郎君に飽きられてしまった。


 男の子にはわからないと思うわ。すみれちゃんとうなずきあう。


 珍しくと言うか、今朝約束した通りにお父様が早く帰られたので明日の衣装を着て見せた。


 私が喜んでクルクル回って見せていたら、残念そうに明日はどうしても行かれないと言ってきた。その代わりにお祖父様が見えるらしい。楽しみ!


 でもあまり嬉しそうな顔をするとお父様がガッカリするから気を遣ってしまう。クリスマスはご一緒しましょうね。とだけ言っておいた。


 クリスマスプレゼントは何が欲しいか聞かれたので、もちろんそこは”お父様”とリップサービスをしておいた。


 お父様は破顔すると私の額にキスを落とした。


 お父様、そのうち私の手のひらの上で転がしてあげるからね。待っていてね!


 フフフ……いけない悪い笑顔が出てしまった。


 ところで、いつものクリスマスはどうしてたんだろう?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ