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第十話 うさぎ(?)を捕まえた

 信長達の場所から20mくらいの茂みの陰に、茶色いウサギの姿が見えた。身体が強化されているため、どうやら視力も良くなっているようだった。


「よし。では、ウサギ狩りと行こうか。この体の力を試してみたいからな」


 信長はそう言って前に進み出る。出来るだけウサギに気付かれないように近づいた。そして、10mくらいまで近づいたときにウサギは信長に気付いた。


「逃がすか!」


 信長は右足に力を入れてダッシュをする。ものすごい加速だ。これなら逃がさない、と思った瞬間、そのウサギはなんと信長に向かって突進してきたのだ。


「ウサギの分際でこしゃくな!」


 信長は右手を伸ばして素早くウサギの首を掴んだ。そして力を入れて首の骨をへし折る。信長に捕獲されたウサギは、しばらくビクンビクンと痙攣していたが、すぐにその動きも止まってしまった。


「よし。このウサギを手土産に集落へ行くか」


 集落へ行くための手土産が出来たことに、少しだけ安堵した。何も持たぬ裸の集団より、野ウサギ一羽でも持っていったほうが喜んでくれるだろう。


 そんな事を思っていたのだが、蘭丸達の様子がおかしい。皆、信長が手にしているウサギを凝視して固まっていた。


「ん?どうした?」


「の、信長様・・・・。そのウサギ、角があります・・・」


「えっ?」


 信長が改めてウサギを見てみると、確かに額から一本のまっすぐな角が生えている。


「これは、新種のウサギでしょうか?」


「新種だな」


「新種でしょうな」


 そのウサギを地面に置いて、皆でまじまじと観察する。


 角があることと、鋭い牙を持っていること以外は、普通のウサギと変わりは無いようだ。しかし、齧歯げっしは無く、犬のような牙を持っている。やはり、ウサギとは違う種類なのかも知れない。


「まさか、アルミラージでは?」


 蘭丸がぼそっとつぶやいた。


「アルミラージだと?何を言っている。ゲームや異世界転生じゃあるまい・・・・・・」


 そこまで言った信長の言葉が途中で止まった。


「まさか・・・」


 信長は思考を巡らせる。この世界はまさか・・・・


「いえ、これはアルミラージではありません」


 そこに、力丸が自信ありげに発言をする。


「知っているのか?力丸」


「はい、信長様。これはホーンラビットです。魔法を使いませんでしたし・・・」


「・・・・・力丸。問題はそこではない・・・・」


 “神”を名乗る存在は、確かに世界を救ってくれと言っていた。だが、戦国の世に戻すとは言っていなかったような気がする。


「いやいや。落ち着け。異世界などあるはずも・・・・」


 とはいえ、自分たちもタイムスリップという超常現象に遭遇しているのだから、もしかすると異世界があってもおかしくはないのだろうか?頭の中で“神”を呼んでみるが、なんの返答も無かった。


「考えていても始まらん。とりあえずあの集落を目指すぞ」



第十話を読んで頂いてありがとうございます。


完結に向けて頑張って執筆していきますので、「面白い!」「続きを読みたい!」と思って頂けたら、ブックマークや評価をして頂けるとうれしいです!


また、ご感想を頂けると、執筆の参考になります!


「テンポが遅い」「意味がよくわからない」「二番煎じ」とかの批判も大歓迎です!


モチベーションががあがると、寝る間も惜しんで執筆してしまいます。


これからも、よろしくお願いします!

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