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商売上手

 いやいや、馬鹿にできんぞ、あのパパン。


 すげーやり手だった。


 出所不明の真鍮リング、見事な真円と磨きあげられ顔が映るほどの鏡面仕上げ


 この希少価値を前面に押し出して、


 商人をうまく丸め込んでた。商人の奴、ホクホク顔で帰っていきましたわ


 真鍮のリング一つ20000リルで売り付けよった。



 見直したよ。パパン。



 とりあえず、5個売って、いきなりの金貨ゲットですよ。



 で、パパンに話を聞いてみた


「実際、指輪として素晴らしい出来だ。ここまで奇麗な真円と、輝きを持つものは市場にほとんど出回らない。」


 とのこと。


 そんなに褒められると照れるなぁ、と思ってたら。軽くくぎを刺された。


「だがな、あまり派手にやると領主に目を付けられるからこれが限界だ。」


 なんですと?


「今回は、物入りのため曾祖父の形見を売ったということにしているが、これ以上の物を売りに出すと領主に目を付けられる。


 だから別の町からくる商人に売らないと、次回からは厳しいな」


 とのことだった。


 領主ににらまれるとどうなるのか聞いてみたら、


「少なくとも、金ずるになっている人・物については、力ずくで奪われる可能性が高い。だからウチの家自体が領主直轄領として扱われるかもしれん。つまり領主と養子縁組させられるってことだ。特にお前は幼い。誘拐の危険が一番大きい。」


 なら領主一族に成れるんだから良いじゃないかと言ったら、


「外から見ればそう見えるが、結局難癖をつけられて一族も処刑されるかもしれない」


 と言っていた。


 やべーな。


 なんか、秘密裏に力をつけないとまずいな・・・と思ってたら、


 すでに遅いらしい。使用人伝手に不思議な機械の情報は周りの町に漏れているとのこと



 やべ、やりすぎた。




 …………



 とりあえず、ものづくりはいったんステイ。


 まずはお勉強です。



 この世界の状況を、パパンから聞くことにしました。


 まあ、変なパパン・ママンだけど、7歳に満たない子供がこんなことしてても、気味悪がらずにいろいろ手を尽くしてくれる。


 非常に素晴らしいパパママンです。認識を改めました。バカ親って言ってごめんなさい。



 さて、で、この世界の状況ですが、


 まあ、パパンも領地外の事はあまりよくわからないらしいので、とりあえず、領主が納めるこの領地の話を聞いた。


 領地タリア

 昔々、荒涼とした大地と、天にも届きそうな山脈に囲まれた荒野にいくつかの集落があった。

 あるものは野山をめぐる獣を狩り、あるものは痩せた大地を耕し作物を植え収穫して生活していた。

 それらが集落となり、周りの集落とが小競り合いを起こしながら徐々に集まり大きな町となっていった。


 やがて町には周辺から多くの人が集まるようになり、もともと町に住んでいた者たちが新しく町に住み着いた者たちに土地を貸し仕事を与え地主となった。地主は住人から賃料と言う形で収入を得る。

 この山脈に囲まれた大地には、いくつもこのような町ができてきた。


 初期のころは町同士の諍いもあったが、町同士の諍いは被害が大きく得るものが少ないことから、話し合いで決着をつけるようになる。

 言ってみれば、町内会の寄り合いみたいなもんだな。20以上の町が集まって、いろんなことを話し合いで決めていたらしい。


 すると、町の大きさによって発言力も大きくなり、最大の町の長が全体を統治するようになった。


 今の領主はずいぶん昔の最大派閥の長だったらしく、広大な土地と多くの集落を従えていたことから領主となった。

 我が家は、タリア辺境の小さな町の地主らしい。


 領地外にも町はいくつかある。そのほとんどは小さな町らしいが、多少交易もしているようだ。

 ただ、行商人から聞いただけなので、あまり詳しいことはわからないとのことだった。



 さて、辺境と聞いてすこし安心した。



 領主の耳にはまだ入っていないだろうから、早急に軍備増強です。


 え?穏便に?しらんな。


 目には目を、歯には歯を。と歴史の授業で習いましたからね。



 というわけで、武器と防具を徹底的に揃えます。


 自由を奪われるのだけは容認できん!!


 ようやく手に入れたチートコードだ。誰が手放すか。

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