市場調査
ところで、この世界の通貨はどうなってるんだろう?
ママンやパパンは良いとこのボンボンと嬢ちゃんぽいので、金銭感覚狂ってそうだ。
ちょっと、使用人に聞いてみよう。
そこのおっちゃん。ちょっと教えて!!
軽い気持ちで庭木の剪定しているおっちゃんに聞いてみた。
っと、思ったよりも随分えらく理路整然と教えてくれた。
なんだ、インテリか?口調はべらんめい調だが、内容はひどくわかりやすかった。
まあいいや。
で、それによると……
通貨単位は「リル」
1リルが銅貨1枚で、だいたい小麦一袋分だそうだ。一袋でパン的なものが10人分作れる計算らしい。あるんだな通貨。
パン10人分……一人当たり食パン2枚として……5枚切り4斤……600円~1000円ってところかなぁ。知らんけど。
で、普段彼らが使う通貨は、「獣の歯」そのものだそうで、単位が1/1000リル これを1「ミリル」と言うらしい。
獣の歯だと、偽造できんじゃないの?と思ったんだが、どうやら獣の歯自体に価値があるらしい。道具として利用できるからと言うことのようだ。
だから、1本が1ミリルというわけではなく、その獣の歯の希少さによって1~30ミリルくらいのばらつきがあるらしい。
そして、大きいほうの貨幣もある。
10リル・50リル・100リル・500リルも同じく銅貨だが、大きさと刻印で区別しているらしい。使用人の日当がだいたい10リルだそうだ。
1000リル・5000リルは真鍮の貨幣が使われているらしい。「らしい」というのもこの使用人は見たことがないため他の使用人仲間から聞いただけのようだ。
10000リル・50000リル このあたりから銀貨が使われているらしい。やはり庶民はみることがないとのこと。
で、ここからは噂と言うよりは伝説に近い言いっぷりだったが、
100000リル・500000リルは金色で変色することがない貨幣で、1000000リル以上は、銀色で変色することがない貨幣らしい。
あるんじゃん。金とプラチナ。って感じだった。
この世界では金よりもプラチナの方が高いんだなぁ……もしかしてパラジウムか?まあ、どっちでも大して変わらんな。どのみち、いきなりプラチナはやめて正解だったな。
っていうか、先に使用人にこの話を聞くべきだった。
失敗失敗。
さて、出入りの商人相手に商売してもらいましょうか……
最低1000リル以上、できれば5000リル行くと幸せかな。
とは言ったものの、この夫婦心配だな。
ちゃんと商売できるんだろうか?
俺も専門ではないが……
まあ、いいか。また出せばいいし。