できるかな
とりあえず、三輪車を作ってみた。
フレームはもちろん、タイヤまで
いやぁ、何でも作れるって素晴らしい。
タイヤのゴムも問題ない。
すてき。
町田先生だった時代に課題制作で生徒に自転車作らせたことがあったなぁ・・・と思いだした。
あの時は、フレームの溶接を生徒に任せたから、試乗中にフレームが接合部から真っ二つに折れてハンドル持ったまま進行方向に投げ出されたなぁ。
解放骨折で全治2か月だったよ。
それから思えば、はるかに高いクオリティと強度。安心して命を預けられる自転車だ。まあ、三輪車だけど
広い敷地をさっそうと走り回る。とはいえ、スピード出てないけどね。
それでも風が気持ちちいい。使用人たちのまなざしも心地よい。
なんだか奇妙なものを見る目になっている様な気もするが、そんなはずはない。気にしない。
とは言いつつ。あまり変な子供だと思われるのも得策ではなさそうだ。
使用人の役に立つものを作ろう。
草刈り機・・・だと、内燃機関が難しそうだ。まず、もっと簡単なもので練習してからだな。
深夜の通販番組で高いところの枝を切れる便利道具みたいなのがあった気がするが・・・あれなら作れるか。
高枝切りばさみ!!! あれ?これ、商標名だっけ?まあいいや。
ちょっと使用人に渡してみよう。
なんか、思ったのと違う感じだけど、まあ試作品だしな。
ねぇねぇ、そこのオジサン!(たぶん俺より年下だけど)使ってみてよ!!
すげー感謝されたよ。いや、うれしいなぁ。これ。作る喜びだね。
つぎ、何作ろう。
やっぱり、大変そうなのは草むしりだな。
草が生えなきゃいいんだよな。
石畳を敷き詰めるか。
ピカピカの大理石で埋め尽くすのはどうだ?
ええぇい!!!!
できるもんだな。とりあえず20m四方くらいを埋めてみた。これでぺんぺん草も生えないな。
・・・
失敗だった。
大理石風の石で埋め尽くしたが、隙間なく敷き詰めたため、雨の日には水が溜まって滑り、
晴れの日には照り返しが激しい。
「いえいえ、大丈夫です。これで草むしりの重労働から解放されますよ。」
と件の使用人
ああ、子どもの努力を無にしまいと、やさしい大人たちの声掛けが、なお心をえぐる・・・
これで、俺の「ものづくり魂」に火が付いた。
駆逐してやる!!!
あ、いや、俺が作ったんだけどね。
さて、これどうするか。消せるかな?
えいやぁ!!消えろぉ!!!
おお、消せる。念じたら消せたよ。ママン。どんだけ万能なんだよ俺。
ようし、敷き詰める石をアスファルトの高機能舗装風にスポンジ状にしよう。風合いもレンガ調にして照り返し対策も万全だ。
どうだ!!みたか!!!
とりあえず、狭い面積で試し、様子を見てから全体を敷き詰めることにする。
上々の仕上がりである。
使用人たちの喜びの笑顔が素晴らしい。
その後も、井戸から水を汲む手押しポンプを作り。
馬車や荷車にはサスペンションとショックアブソーバーをつけてみた。
座席も、ポケットコイル入りの本革仕様で、乗り心地抜群である。
乗車中にワインが飲めるほどだ。まあ、俺はまだ飲めんけど。
が、自分の能力にも若干の限界を感じてきた。
それは、精度だ。
確かに、強度などは念じれば自由に調整できるが、こと精度となるとなかなか難しい。
これはポンプを作ったあたりでなんとなく気づき始めた。
勘合部。要ははめ合わせ部等の精度が要求される場所は手作業で作るのが難しい。
実際、今となってみれば、最初に作った三輪車も乗り心地が今一つだ。
真円が作れない。わずかに狂う。本来なら、1/100mm程度の誤差でおさめたいが、1mm単位の誤差が出る。
今までは、隙間を多くとって、車輪の軸と穴も自作グリスで隙間を埋めて何とかしのいできたが
これから発電機やエンジンを作ろうと思うとこれは痛い。
仕方ない。なにか方法を考えよう。