1-1 ここはどこ?
うーん。
やや頭が重い。
「ここはどこ...森か」
まずは状況を整理しよう、えーとまず村から出て森の中に入って...何だっけ、思い出せない。
周りを見渡してみると森に入った時より木々の背が低い、いつの間に移動したんだろ。
ピヨピヨと鳥たちの鳴き声が抜けていく木々の隙間を覗いてみると正面方向に壁らしきものが見える。
人工物に安心感を覚えつつ進んでみることにした。
よっこいしょと声をあげながら立ち上がり生まれつき変な黒に青赤金紫とパレットの中身をぶちまけたような髪を揺らし歩いていく。
頭のい重さのほか歩く分には何も問題ない体、外傷はなくこの疲労感からして魔力切れに近いものを感じる。森に入ってからの記憶が無いが魔法を行使したのだろう。
森を出て背の低い草の広がる草原をひたすら真っすぐ歩いていくにつれ徐々に壁は大きさを増していった。
僕の身長の3倍はある石造りの壁はそうやすやすと侵入はできないようにネズミ返しまでついている。
まあ僕の身長なんて5フィートちょっとしかないんだけど。
何処かに入口があるはずだと外周を周っていく。
すると歩いていくうち木製の大きな門が姿を現した。
門は開いておりこれまた木造りの簡易検問所のようなものが立て付けられている。
門をくぐって検問所を通ろうとすると顎髭を携えた色黒のおっちゃんが声をかけてきた。
「そこで止まりな、何処から来た?」
「えっと、ヒノモト村から来ました」
「何?怪しいな」
「な、何でですか」
「ヒノモト村といえば50年前にAランク案件で滅びたはずだ」
「え...」
「嘘をつくならもっと調べておくべきだったな」
「ままま待ってください!滅びたって...私はついこの前まで村で過ごしてたんですよ!?」
「つくならもっとまともな嘘をつくことだな、いいか教えてやる、ヒノモトは丘蜘蛛のネームド個体に滅ぼされたんだ。村からの要請を受けギルドもAランク冒険者を派遣したが村へ戻った時には既に人っ子一人いなくなってたんだ」
「そんな...」
「つべこべ言わず去るといい、お前のような不審人物を通すわけにはいかんからな」
うぅ。
どういうこと、50年前に村が滅びたって、だって私はあの村で育って...
考えたって仕方ない、戻って確かめてみないと。
どうやって帰るんだっけ。
うーーーーーーん。
聞くしかないか。
「おっちゃーん」
「なんだまだいたのか小娘」
「ヒノモト村ってどこへ向かえばいいの?」
「知らねえな、俺も昔聞いた話でしかねえからな。ギルドなら文献が残ってるかもしれねえが...」
「ありがとう!」
よーしやることは決まった。
まずは不法侵入だ。
検問所から離れ壁の外周を周っていく。
この辺でいいだろう。
どんなに高い壁だろうが土魔法で階段を作ってしまえばいいのだ。
「父なる大地よ我が願いにこたえたま「助けて!!!」」
誰だ僕の詠唱の邪魔をするのは。
声のする方を向くと10mぐらい離れたところで茶髪の女の子が犬程度の大きさのネズミ?らしきものに追われている。
「助けて」
僕を見つけるとこちらへ走ってくる。
待てぇぇい!こちとら不法侵入でギリギリ残るかどうかの魔力なんだぞ、君を助けたら魔力が底をついてしまうだろ!
んんんんんんんん目の前で助けを求める女の子が食い散らかされるのは見たいかと聞かれたら見たくないに決まってる。
ああもう仕方ない!こうなりゃヤケだ、魔力の消費は大きいけど短縮詠唱しちゃる。
「フレイムアロー!」
手のひらを前に突き出し詠唱すると炎の矢が女の子に向かって飛んでいく。
「きゃあああ」
女の子に炎の矢に突き刺さる瞬間、不自然にカーブしネズミにぶち当たる。
「ピギィィィ」
ふふふ、初級魔法の扱いだけなら僕の右に出るものはいないのさ。
毛の一部が焦げたネズミは怯えたように踵を返し森の方へ逃げていった。
ふふふ、どんなに扱いが良かろうと初級魔法は初級魔法、威力など期待してはだめだぜ☆
ちくしょう。
「ありがとうございます」
落ち込んでいる僕に礼を告げる女の子。
短い茶髪にいかにも平凡といった顔、革製の服を着た姿は....えーとなんだ。
「私モブっていいます、冒険者をしているんですが薬草を採取してた所を襲われて」
「あー冒険者だそうそう冒険者」
「?」
「ごめんごめんこっちの話」
「??」
「あとそろそろ気絶するからよろし...」
バタン。
「???」
よければ広告下の評価もポチーして下さらぬだろうか?
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