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1.わっとらんげぇじいずいっと

始まります、よろしくです。

「...◆◆...◆◆◆」

「...●●●●...●●」


あたたかい。

ぼやけてる。

だれですか。

ゆらゆら。


「...◆◆◆」

「...●●●」

「おんぎゃあおんぎゃあ」

「◆◆◆◆」


のどがいたい。

ねむたい。

ね...る。


----------


「よーしよしよしパパでちゅよー可愛いでちゅねー」

「こーらあなたったら寝てるんだから声抑えて」

「ご、ごめんよぉ」

「ふふっ」

「ミクリー、そうだこの子に名前を付けてあげないとな」

「ミクリー、この子の名前はミクリーにしましょ」

「ミクリー、ミクリー、うんいい名前だ」


ミク...リー?

----------

1年が経った。

僕はどうやら成長が早いらしい。


「まんま、まんま、ぽんぽへった」

「きゃー!あなた見てた!?ミクリーが私のこと呼んでくれたわよ!この子もう喋れるのよ天才よ!」

「まんままんま」

「よーし分かったパパがまんま作ってやるからな!」

「あなた料理作れないでしょう」

「じゃあミクリーは僕が見とくから飯を作ってやってくれ」

「でもずっと見てたいわぁ」

「じゃあ俺が作る」

「いや私が作るわ」

「いやいやここは俺が」

「私が」

「俺が」


やれやれだぜ。

結局ママことジルが作ることになった。

ちなみに父親の名前はレオニスという。


僕はどうやらそこそこには裕福な家に生まれたらしい。

装飾が華美なわけではないが幼児目線でも家は大きい。

今はハイハイでしか動けないが歩けるようになったら2階も探索せねば。


僕が考え事をしているとかまどに火がともった。

それ自体には驚きはないが今、どうやって火をつけた。

ライターがあるわけでもないし何をして...

まさか、まさかとは思うが。


「あなたが作るって言っても火魔法使えないじゃないの」

「いや、古典的に火を起こすのさ」

「それだと時間がかかっちゃうわぁ」


やはり魔法か!魔法なのか!

この世界には魔法があるというのか!

それもかまどがある家の造りで火起こしが古典的と言われるほどには普及している。

僕もいつか魔法使えるようになるのかな。


数分後、離乳食を皿に盛ってきてくれたのはいいのだが冷まさずに口に入れるのはどうかと思うぜ。おかげでギャン泣き流れでビチョ漏らししちまった。

はぁ...



----------

2年後


頭の成長は早くても体の成長がやや遅めな僕はようやっとこの階段を登頂することに成功した。

ここまで長かった。

1段1段が高く一度頭から落ちたときは死ぬかと思ったぜ。

たまたま母さんがいてくれたから助かったがそれ以来監視の目が厳しくなって中々上がれなくなっていたが今日は父さんは1日畑仕事、母さんはお昼寝とベストタイミング。


僕の見立てだと下の階で2人とも寝ていることから上は物置と化しているだろう、しかも利便性の低い上の階に置かれていることから使われる機会があまりないもの。

つまり掘り出し物匂いがプンプンしやがるってことだぜ。



廊下を挟んで扉は二つ。

ではまずは近い方からいくとしますか。

手を伸ばしノブを掴み軋む扉をゆっくりと空けるとそこには...


「ハズレか?」


空いた出窓が1つと桶、本棚、箒。

たまに使う程度の掃除用具を置いている部屋のようだ。

本も高い位置にあり台を使っても手が届きそうにない

うーむ、次に期待しよう。


もう一つの扉に手をかけた時だった。

急に視線が高くなる。

成長期でも急成長しすぎなのではないか。

いや足が浮いた時点で察しはついているが。


「ミクリーちゃーん」


ママ襲来であります。


ばたばたばた。

退避不能!脱出不可!応援要請!応援要請!


「ミクリーちゃん、2階は危ないから上がっちゃダメでしょ?」


いつもニッコリとした顔が今は恐く感じる。

ここは素直に謝っておこう。


「ご、ごめんなさ」

「でもすっごーい!流石私の子よ!」

「え」

「今日はご馳走にしなきゃね!うふふ」


そうだ忘れていた、両親ともども親バカだった。

と舐めていたのは昔のこと。

まさかのご馳走はご馳走でも私だけおかゆだったのだ。


「たくさん食べるのよ」


そう仰るお母様の笑みはどこか邪悪に感じた。

おお、お母様よお許しください。


----------

また2年が経った。

この村はいい村だ、春は多くはないが花が咲き、夏には緑があふれ、秋には小麦が金に輝き、冬は寒くはあれど安定して越していける。

そんな中僕も5歳、同年代の友達が何人かできた。


「ほんとに持って来たんだ」

「当たり前だろ、僕は嘘をつかないのさ」

「はーやーくーみーたーいー」


今日は秘密基地にジャスパーが魔術書を持ってくると言っていたがまさか本当に持ってくるとは。

そこそこ裕福なはずの僕の家にも魔術書らしきものがないことから貴重なものだと思うが、子供が持ち出して大丈夫なのだろうか。


「このことは内緒にしろよ、お父さんのを勝手に持って来たんだから」

「うん」

「そんなことよりはーやーくー」


まぁそんなところだとは思ったよ。

でも大丈夫!見つかっても怒られるのはジャスパーだから!


「おそい!」

「あっ」


待ちきれなかったのかリリーが本を勝手に開く。

中はびっしりと文字で埋め尽くされており所々に図が載っている。


「読めない!読んで!」

「ごめん僕も読めない」

「二人ともおこちゃまだなぁ、僕が読んであげるよ。えーと初級土魔法、父なる大地よ我が祈りを聞き入れ給え、クレイショット」

「...」

「...」

「子供の魔力じゃ無理ってことだね」

「つまんない」

「成長すれば初級魔法ぐらいは使えるようになるって父さん言ってたしそのうち出来るようになるさ」

「ふーん」


魔力って成長すれば増えるんだ。


「ジャスパー、魔法って何なんだ?」

「うーんと父さんが言うには魔力を使ってこう、なんかこうなってできるらしい」

「わかんないんだ」

「でもでもほかのことならわかるよ」

「じゃあわかること教えてくれ」


ジャスパーの説明では魔法は魔力によって起こされる現象、詠唱によってその力を発動させることができ


火魔法

水魔法

風魔法

土魔法

雷魔法

光魔法

闇魔法

無属性魔法


の8つに分けられるらしい、その中でも


初級

中級

上級



の階級があり上級に近づくほど強力なものらしい。

勿論強力なものほど魔力と長い詠唱が必要であり、簡単な魔法なら一般庶民でも6年くらいで使えるようになるらしい。


「小さいころから使える人もいるみたいだしミクリーも試してみれば?」


物は試しだ。

手を前に突き出し詠唱する。


「父なる大地よ我が祈りを聞き入れ給え、クレイショット...だっけ?」


ピューン、ボトッ。


「...」

「...」

「出たね」

「うん」

「...他も試してみて」

「うん」


ボッ。

ベチョ。

ヒュン。

ビリッ。

ペカッ。

オーン。



「...」

「...」

「...」


結論

全部できた。


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