お菓子の魔女
帰宅し、いざログイン。
私たちは港町にすぐに向かい船を借りてチョコレー島に行くのだった。
チョコレー島の外観は茶色く、真ん中にデカいハートのチョコ。
「すげえ! 島全体がチョコかよ!」
「甘ったるくて胃にきそうだね」
「ふむ、なかなか気になる島だ。探検のしがいがあるねェ」
「俺っちたちもチョコ楽しみっす!」
各々ウキウキでチョコレー島に降り立ったのだった。
砂浜は普通の砂……。ではなく、なにやらカラースプレーチョコだった。
試しに食べてみると甘い。
「木も地面も全部チョコかよ……」
「そのようね。この木の葉っぱなんかは緑色のチョコよ……」
「樹液がチョコレートソース! 全部がチョコでできた甘い島! いやぁ、実にすごいねェ」
一面茶色い島。だがしかし、真っ白な道もある。
その道を殴ってみるとパキッと割れ、かけらが飛び散った。私はそのかけらを口にしてみる。
「ホワイトチョコだ」
「すごいですね……。ファンタジーにもほどがあります……」
「この島……飽きないね! この花おいしーよ」
「花?」
「チョコチップクッキーの花美味しい〜。これはいくらでも食べられるぅ〜」
「チョコのビスケットもある? ほんっとに不思議な島だね……」
島の入り口でものすごく食べまくっていた。
島の入り口で食べまくるのもいいが……。
「早く奥行こうぜ。奥に何かあるかもしれん」
「おー! 奥にはどんな美味しいものがあるのかな!?」
と、私たちは奥へ進んでいった。
ホワイトチョコの道を歩いていくと、少し開けた場所についたのだった。
そこには、なんと普通のイチゴやバナナが自生しており、真ん中にはでかい噴水のような感じでチョコを噴き出す泉。これって。
「これ、チョコレートフォンデュ……?」
「このチョコにつけて食べろということか。食べてみるか」
私はバナナをもぎ取り皮を剥く。そして、チョコレートにつけようとしたとき。
オイリが。
「私もー!」
と、どんっ!とぶつかってきて、私はチョコレートの泉に落ちてしまう。
私の頭からチョコレートが垂れる。私は這い上がり、オイリをぶん殴る。
「あぶねえなてめえ!」
「ごめん〜!」
「ったく……。チョコまみれだよくっそ……」
私は洗い流したいが、海まで戻るのは嫌だ。
ぺろぺろとついているチョコを舐める。ばっちいが仕方ねえ。
私がチョコを舐めていると。
「あんたらか! この島の来訪者!」
と、そこには老婆と小さい女の子が立っていた。
魔女のような帽子を被り、黒いローブを羽織っている。
「誰だ」
「あたしゃお菓子の魔女、キャンディだよ! こっちはショコラ! あんたらこそ何者だい!」
「あー、私はゼーレ。この島、来ちゃいけなかったんすか」
「ううん! 来てくれて嬉しい!」
「来てくれるのは大歓迎じゃ。でも……」
「「「「でも??」」」」
「なんでチョコエリアでずっと食べまくっておるんじゃ!」
と、お怒りだった。
「チョコレー島だからチョコの島だろ」
「それ以外もあるわい! まったく、最近の若いものはろくに探索もしないで……。わしのお菓子エリアにも来るんじゃい! ったくもう……」
と、キャンディ魔女がぶつぶつ文句。
「わかったよ。お菓子エリアにもいくよ」
「そうか! じゃが……条件があるんじゃ」
「条件?」
「三名ほど、わしの手伝いをせい」
ということだった。
三名、このキャンディという魔女のお手伝いをさせられる。
「んじゃー、私やる!」
「私もやりましょう」
「じゃ、最後はゼーレぇ!」
と、オイリが勝手に決める。
仕方ないと思いつつ、私は婆さんの前に立った。婆さんの手伝いというのはなんなのかは知らないが……。
「よし。では、案内しよう!」
と、キャンディが魔法を唱えた。その瞬間、私たちの体が空中に浮き始める。
そして、そのまま空を飛んだのだった。