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ラプラスとアルテミス

 まぁ、私の結論としては。


「私は入れるつもりでいる」

「……っ!」

「ラプラス。嫌だろうが文句は言うな。古参ぶるわけでもないが、サポートがワグマだけじゃこの人数はキツイと踏んでる。それも理由の一つだ」

「そうですね……。人数も増えてきましたし、パーティが分かれることもありますから、サポートは確かに欲しいです」


 個人的な意見というのはなしで語るとそういうこと。

 私たち三人とハーレー、ミナヅキ、モンキッキ、キャツラ、ラプラスとアルテミス足して9人。9人のサポートをワグマ一人でこなせるというのは無理だろう。


「だったら私がサポートに……!」

「それもダメだ。うちには遠距離攻撃ができるのがミナヅキとラプラスだけだ」

「……っ!」

「そんなに嫌か?」

「嫌よ! またこいつに……!」

「また?」


 オイリたちが疑問に思う。また、ということは前にもなんかあったんだろう。

 他の7人は受け入れる気でいるが、ラプラスだけは嫌だ嫌だと言っている。


「…………」


 アルテミスも黙秘を貫いている。

 しょうがねぇ。私が悪者になるしかないか。


「何があったかは知らねえ。けどラプラス。文句言うな。私が入れると決めた」

「……わかったわ」

「まぁ、私も君とは深く干渉しないでおくよ。君もそうしてくれると助かるねェ」

「…………」

「返事は?」

「……はい」


 と、ラプラスは自分の部屋に戻っていった。

 ラプラスを見送り、私はアルテミスに話を聞くことにする。


「で? アイツと何があったんだ」

「ふーむ。大したことではないぞ」

「そういうのに限って大したことあるんだよ。話せ」

「アレは確か……。去年の春、私たちが高校に入った時さ。購買はいつも混んでいてねェ。人気商品が取り合いだったのさ」

「…………」

「それで、最後の一個、私が買おうとすると同時にあのラプラスの手が伸びてきてねェ。『これは私が買う未来が見えてるの。離しなさい』と。私は変な奴だと思ってそのまま無視して買ったらこのザマさ」


 と、話してくれた。ワグマもラプラスから話を聞いてきたらしく、話の内容は両者どちらも同じだった。

 ラプラス曰く、私が買う未来だったのに、未来を変えたことが許せない、アルテミスはそんなのどうでもいい。


「……ほんっっとに大したことねえじゃねえかよ」

「たかが購買のパン一個でとか……くっだらね」

「それは……なんか……呆れて言葉が出ないっす……」

「いやまぁわからなくもないよ? 買うことが計画の一部でその計画が狂わされるのは少し嫌だも」

「ちょっとキャツラはしーっす」

「くだらない……。ほんとにくだらない……」


 誰も彼もがくだらないという意見だ。


「私は別に彼女が嫌いというわけではないよ。むしろ興味がある方さ。未来視が本当ならば、そういうことを理論づけるための研究の種になる。だがしかし、その一件以降私を毛嫌いするかのように会うたびにあんなことを言われてねェ。少々私も参っているのさ」

「これ悪いのあっちじゃねえか……」

「ガキかよ……」

「まぁ、私も黙ったままなのは癪だから言い返しているけどねぇ」

「いえ、聞く限りあなた面白半分でいってますよね? むしろ仕掛けたのはあなたですし」

「バレているようだ」


 こいつもこいつで性格悪いな。


「反抗期の子どもみたいで可愛いじゃないか。可愛いものほどいじめたくなるものだろう?」

「お前ワグマみたいに性格わる」

「ゼーレ」


 と、ワグマが後頭部にチョップ。


「仲直りさせてあげたいねー。どうやったら仲直りできるかなー」

「これはあっちが折れねえと無理だ」

「まぁ、時間がなんとかしますよ。私たちはいずれ大人になるべき時がきますから」


 ワグマがそういうとみなそうだなと頷いた。

 こればかりは当人たちの問題であるために首を突っ込まない。


「ま、アルテミス。自己紹介してやれよ」

「ふむ。そういえばしていなかったね。私はアルテミス。以前はサンライトというクランに属していた錬金術師さ。ポーションは君たちには無料でおろしてやろう。私もサポートとしては戦闘に参加できる。よろしく頼むよ」


 と、ぺこりと頭を下げた。









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変態、ゲームに立つ!
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