星の花
隕石平原は隕石が年がら年中降り注ぐ不思議な平原。
隕石の不思議なエネルギーを好む魔物以外は基本近づかない危ない平原だった。私は隕石が降り注ぐ中、先を進んでいく。
「さて、多分なにかしら星の花を守るモンスターがいんだろ」
そうやすやすともらえるわけがない。
私は星の花を探しながら進むと、何やら花畑があった。星の花が自生して、花畑として咲き誇っている。ここだけは隕石が降らず、花の形を保ったままでいるようだった。
私は目当てのものをみつけたので摘もうと手を伸ばした時、気配を感じ、手を引っ込め後ろに飛びのいた。すると、私がいた場所に大きなカワセミが飛んでいた。
「星の花の番人か」
カワセミは鋭いくちばしを私のほうにむける。
「んじゃ、さっそく鬼神スキルを試してみるかね」
私は鬼神スキルを使用した。
体力がごっそり削れたが、その分パワーが増える。私は一撃、とりあえず入れてみた。すると、カワセミは吹っ飛んでいき、隕石にぶち当たる。
「ミギャアアアア!」
「うわ、予想以上」
バカでかいカワセミをあそこまで吹っ飛ばせるか。予想以上にパワーがある。
鬼神スキル、いいな。デメリットとして耐久が下がるが……。ポーションで回復すれば……と思ってポーションを使うが、体力が回復しない。
鬼神スキルで削った体力は鬼神スキルが解除されるまではもしかして回復しないという感じだろうか……。そこは調整されているんだな。
「キュアアアアア!」
と、カワセミは大きく羽ばたき、風を起こす。
隕石が軌道を少しずらし、私の足元に落ちたのだった。突風を起こして隕石の軌道を変える、ここでしかできない攻撃手段。
だがしかし、もう遅い。
私は大きくとび、カワセミの足をつかみ、カワセミの背中によじ登った。そして、思い切りぶん殴る。カワセミは地面に激突し、そのまま消えていったのだった。
カワセミはボス級の魔物だったんだろう。それを二発……。いや、防御がそこまでない敵だったのかもしれないが、さすがにボスを二発殴るだけで倒せるというのはさすがにやばいな。
カワセミの素材を広う。
星花粉の結晶というものもあり、黄色い水晶もドロップしていた。取り出してみると、タンポポのような感じの色合いで、星の花とそっくりの色合いだった。
ついでに持って帰って売り払おう。私は星の花を摘み、馬車まで全速力で戻ることにした。
隕石をかわしながら、馬車までたどり着き、星の花をフリューレルに手渡す。
「おお、星の花……! まさか危険度Sの隕石平原から生き延びて取ってくるとは……!」
「え、Sランク?」
「魔物はここは普通なのだが、隕石が厄介なのだ……。まるで大地が生物の侵入を拒むような隕石の数々。隕石の衝撃に我々は耐えることができず、また、隕石は決まった場所には落ちぬゆえに危険度が高いのだ」
なるほど。
二発で倒せた理由はもしかすると隕石のおかげかもしれないな。
「まあよい! これで薬が作れる! 感謝するぞ! 報酬金はあとでたんまりやろう! まずは一緒に娘の薬を作りに行こうではないか!」
「そこまで付き添うんすか」
「当たり前だ! 功労者であるからな! 私の美しい娘を見せてやろう! 今は病気のせいで醜くなっておるが……」
と、馬車が勢いよく出て行った。