クラン設立!
舞台はゲームの中に戻る。
私たちは最終日まで、ポイントをひたすら集めて。
「っしゃあ! 目標ポイント、達成じゃーい!」
4500ポイント、何とか集めきれた。
学校があったりして、なかなかできなかったが何とか間に合った。私は早速1500ポイントをワグマに譲渡し、あまりの3000ポイントを使用し、鬼神スキルの種と交換したのだった。
鬼神スキルの種は梅干しの種のような形をしており、鬼のような顔が模様として浮かび上がっていた。
なんつーまがまがしい種……。だけれども、これが目的だったんだ。いただきます。
私は鬼神スキルの種を口に放り投げた。
味はというと、なんだろう。予想通りというか、カリカリ梅だ。カリカリしてて、とてもおいしい。
《スキル:鬼神 を取得しました》
というアナウンスが。
鬼神スキルは任意発動型スキルで、体力半分を消費する代わりにパワーを100高めるという効果。
純粋なパワーアップスキルとしてはいいスキルだと思う。私はゲームにそこまで詳しくないし、強いかどうかはわからないが……。
「私も手に入れました。回復の極意。サポーターとしてこういうスキルは取っていかないといけませんね」
「ねーねー、そういえばあのゼーレの課題どうなったのー?」
「課題? あー、あー」
そういえば課していた。
「大丈夫だ。すでに全員達成している」
「ミナヅキみてないよ?」
「私にスクショだけ送ってきた。そろそろくるぞ」
そういうと、奥のほうからハーレーに連れられてミナヅキがやってきたのだった。ミナヅキは少し装備を整えて挑んだようで、装備を整えるために時間がかかったのだという。
そのおかげか、一発でボスを倒すことができたようだ。
「今までついてなかった職業にもついたし、慣れたら簡単だったよ」
「おう。狩人にしたんだな」
「僕に一番合う武器を模索してたんだよ。戦闘に関してはハーレーに任せっきりだったしね。それに、ゼーレの教えのおかげもあるね。時間かかったよ」
「そりゃレベル上げからしないといけないからな。アイドル様は時間ねえから大変だっただろ?」
「そりゃね。僕、グループの中でも割と上位の人気だからねー」
「自分で言うな。ま、これでクランを作る際の最低条件は満たしただろ。ワグマ、今からでもするか?」
「そうですね。設定しましょうか」
ワグマはクラン設定をしていた。そして。
《クラン:クライノート が設立されました》
というアナウンスが流れる。
こっから私たちのゲーム生活は忙しくなるだろうか。どうなるかは依頼次第だが……。
「メイン火力の二人。頼みますよ」
「私と誰だよ」
「そりゃ近接戦闘職のハーレーでしょ?」
「……だろうな」
「この人自分が最強だからって周りみてないよワグマさん」
「由々しき問題ですね」
「ちげえよ。火力次第だがオイリもメイン火力はれるだろうが」
「私? 私はねー、うーん……」
「防御のほうが数値高いし受けとしてはいいけどねぇ……」
「正直、オイリはゼーレみたいな戦いのセンスがねえからな」
「ゼーレがおかしいだけだよ……。私みたいなのは普通だって」
「それもそうです」
私がおかしいだけとかいうなよ。