幸せ
私を幸せにすると豪語され、数日が経過した。
私たちは新千歳空港に立っている。というのも、明後日から再び学校が始まるため帰らないとならない。
北海道……。大体ゲームしてばかりだったが楽しかったっちゃ楽しかったか。
「北海道大体天気悪かったね……。もうちょっと遊びたかったなぁ」
「今年はまれにみる悪天候ばかりでした。ちょっとだけ消化不良ですが、学校もいかないわけにはいかないので。では、さらば北海道、です」
「さらば」
私たちは飛行機に乗り込み、東京まで帰っていった。
東京の羽田空港に到着し、空港から出ると月能の家の車が停まっていた。私たちは月能の車に乗り込み、家まで送ってもらう
「んじゃ、またゲームでな」
「はい。またゲームで」
私は家につき、鍵を開けようとすると、鍵が開いていた。
おかしい。鍵を閉めずに向かった? いや、そういう警戒は私はしてるし、ちゃんと確認したから鍵が開いているというわけはない。
誰かが中に入っている。
「…………」
私は扉を開けた。
父さんたちが帰ってきたとは考えづらい。あの人たちは割といい加減なので、来年まで戻ってこないと言っていた。
となると、だれだ? 私は中に入り、リビングに向かうと。
「……あ、おばさん」
「やっと帰ってきたのねぇ」
おばさんだった。どうやらおばさんだったようだ。
「いやぁ、うちの弟から頼まれたのよ。ごめんねぇ? 警戒させて」
「あー……」
理解した。
というのも、父さんたちには北海道旅行行ってくると報告したのだ。それも冬休みの間。多分父さんが帰ってきたら私は掃除とか一切しないだろうと踏んでおばさんに管理を頼んだのだろう。
私はスマホを見てみると、たしかに父さんからそういう連絡が来ている。あまりスマホを見ないので気づかなかった。
「さて、花音ちゃん帰ってきたことだし、おばさんはお暇するわね。冷蔵庫に作った料理があるから食べなさいねー」
「まじすか。いいんすか?」
「いいのいいの。若い子にはちょっと地味かもしれない煮物系だけど……」
「それでもいいんす。煮物好きなんで」
「そう? よかったわぁ。ご飯も炊いてあるから食べなさいね。それじゃあ、また~!」
と、おばさんは颯爽と去っていった。
冷蔵庫を開けると、一人前の筑前煮があった。筑前煮はタケノコやレンコン、サトイモなどがゴロゴロ入っている。
試しに食べてみると、味が染みてるし、優しい出汁でとてもおいしい。
「んじゃ、昼めし時だし食べちゃおーっと。レンチンレンチン」
レンジでチンし、ご飯をよそう。
そして、いただきますと手を合わせ、おばさん特製の筑前煮を食べた。おばさんは料理屋を開いているだけあって料理がうまい。
和風の料亭だったかな。結構行くとお高いお店なんだよな。
「家庭でプロの味を食べれるのは幸せだな……」
サトイモが熱い。でもうまい。